コタラの社長日記

スリランカ産ハーブ「コタラヒムブツ」(学術名サラシア・レティキュラータ)を紹介され、世界初のサプリメントを製造!

美しい車の名前は、コブラでした

2005-06-24 10:01:43 | Weblog
大天丸が在ったのは、烏森通りのハズレでした、
斜め右前に八州電機と言う大きな会社が在り目印に成りました。
1階が大天丸、地下がバー、2階に堀部美容室、3階は堀部美容室の女子寮と言う雑居ビルです。

大天丸の1日は、朝8時に起こされ米磨ぎから始まります。
米は4トウ(この字が出ません)磨ぎます、精米で4トウですから凄い量です、60kg!
1回5升で2人ですから、1人で4回、もうクタクタです。
それからキャベツを20個位きざんでお新香作り、
大きな寸胴2個に水を入れ赤出汁作りの準備と大忙しです。

米は磨ぎ終えるとザルに入れ水切りをします、母がご飯を炊くのと違っていたので驚きました。
米がフヤケルのを防ぐためだそうです。
キャベツ20個は4つ切りにし、大きな包丁で芯だけ残すように細かく切り、荒塩で強く揉みます。
寸胴のお湯が湧いた所で、
朝砂吐きをさせたシジミかアサリをステンレスのカゴに入れ出汁を取り、ザルを上げる。
当然出汁だけになった所で味噌を入れ出来上がりです。
カゴの貝はお椀に3個位入れて山済みにし、赤出汁を入れてお客さんに出します。
今で言う流れ作業です、中々考えたものです。

これが終わると朝ご飯です。
朝ご飯は毎日同じオカズでした、
今作ったキャベツのお新香に貝が入っていない赤出汁、ご飯に生卵です。
高校生の時、生卵で呼吸困難になった事が2度有りますので生卵は食べられません・・・困りました。
赤出汁も臭いが強くて飲めません、、、ご飯に醤油をかけて食べていました・・・

食事が終わると今度は魚やエビの仕込みです。
生まれて初めて出刃包丁を握ります、使い方も分りません。
慣れるまでエビの皮むきと背のワタ取りをしました。
家庭でテンプラを揚げるとエビが丸まってしまいますが、
プロのテンプラが丸まらないのがこの時分りました。

小エビは皮をムキ、背ワタを楊枝で出してから、指で腹の筋肉を押し出すのです、
そうするとエビは大きく成るし、丸まらないしで一石二鳥です。
大きなエビは皮をムキ、包丁で背中に切れ込みを入れワタを出し、
お腹にも包丁を入れ筋肉を切ってから小エビと同じ様に指で筋肉を出すのです。
手馴れた人達の作業は見ていて気持ちが良い位スムーズにこなして行きます、
早く覚えたいと思いました。

この作業はカウンターに新聞紙を敷き行われます、
作業が終わるとカウンターにクレンザーを撒きタワシで磨き上げるのです。
全部の仕込みが終わり、お客さんを迎える準備が出来るのが11時頃です。
お客さんの来店までの約1時間は、出前の器の回収でした。

起きてから仕込みが終わるまでの間は、ラジオが点けられ聞きながら作業が出来ます。
毎朝流れていたのは、
「すがきや提供、1丁目1番地」でした、
今でも「すがきや」の看板を見ると懐かしく思い出されます。
確か主人公が「タ~坊」と呼ばれていて僕の子供の頃の愛称と同じだったと思います。