新潟の野鳥・フィールドノート

新潟で観察した野鳥を写真で紹介します.野鳥の日常生活に光を当てられたらいいなーと思っています.

新潟のシギ・コシジロウズラシギ 2011

2015-01-11 08:54:46 | シギ科
 コシジロウズラシギ 学名・Calidris fuscicollis 英名・White-rumped Sandpiper

 コシジロウズラシギは,新潟県では迷鳥です.2011年8月,新潟市に飛来したコシジロウズラシギは,日本で2回目の記録といわれています.
 2011年8月4日,新潟市中央区の海岸,埋立地にシギ・チドリの観察に行きました.埋立地には,数羽のトウネンの群れがいました.その中に,トウネンよりも少し大きい見慣れないシギがいたのです.しばらく観察を続けると,そのシギが釣り人に驚いて飛び上がりました.腰が白く見えました.とっさに「White-rumped Sandpiper」の名前が頭をよぎりました.何十年も前,シギ・チドリを覚え初めの頃に手にした,フィールドガイド 「 BIRDS of North America」で覚えた名前です.その図鑑には,シギ・チドリの飛翔図が描かれており,大変重宝したものでした.和名は,思い浮かびませんでした.貴重な記録になるはずです.いかに多くの写真を撮るかです.遠くから,近くから.前から,後ろから,横から.最大の特徴であろう腰も写さなければなりません.鳴き声も記録する必要があります.幸いにもそのシギは,トウネンよりも警戒心が薄く,飛び去っても直ぐに戻ってきてくれました.夏の日差しに焼けたコンクリートの堤防に座り込むと,すぐ目の前までやってきました.何百枚の写真を撮ったでしょうか.気がつくとお昼はとっくに過ぎていました.
 帰宅後,「シギ・チドリ類ハンドブック」(文一総合出版)を見ると,和名・コシジロウズラシギ,日本未記録種と記載されています.CROOM HELM の「SHOREBIRDS」を辞書を引きながら読み,ようやくコシジロウズラシギだと確信しました.しかし,夜,布団に入ると不安が沸いてきます.本当にそうなのだろうか? 撮影した写真と図鑑のイラストを見比べる日が続いたのでした.

 コシジロウズラシギ 夏羽.
撮影日時 2011.08.04 撮影場所 新潟県新潟市


 コシジロウズラシギ 夏羽.磨耗が進んでいます.
撮影日時 2011.08.04 撮影場所 新潟県新潟市


 コシジロウズラシギ 夏羽.後から.
撮影日時 2011.08.04 撮影場所 新潟県新潟市


 コシジロウズラシギ 夏羽.前から.
撮影日時 2011.08.04 撮影場所 新潟県新潟市


 コシジロウズラシギ 夏羽.泥の割れ目に足を取られてよろけました.そのおかげで下尾筒が見えました.
撮影日時 2011.08.04 撮影場所 新潟県新潟市


 コシジロウズラシギ 夏羽.翼を上に上げたので脇が見えました.
撮影日時 2011.08.04 撮影場所 新潟県新潟市


 コシジロウズラシギ 夏羽.足の指が見えるカットです.
撮影日時 2011.08.04 撮影場所 新潟県新潟市


 コシジロウズラシギ 飛翔.左はトウネンです.飛ぶときに「チリッ」と聞こえる声で鳴きました.
撮影日時 2011.08.04 撮影場所 新潟県新潟市 


 コシジロウズラシギ 夏羽.腰の羽毛は,拡大すると灰色の模様が入っています.肉眼で見たときは,ほとんど白く見えました.左はトウネンです.
撮影日時 2011.08.04 撮影場所 新潟県新潟市 


 コシジロウズラシギ 夏羽から冬羽に換羽中.
撮影日時 2011.08.08 撮影場所 新潟県新潟市


 コシジロウズラシギ.上の写真を拡大しました.肩の部分などに灰色の冬羽が見えます.
撮影日時 2011.08.08 撮影場所 新潟県新潟市


 コシジロウズラシギ.8月4日に撮影した写真を拡大しました.上の写真と比較すると,換羽の状況がわかります.
撮影日時 2011.08.04 撮影場所 新潟県新潟市