6月10日 (日曜日) 雨
コラム時間泥棒
「時は金なり、節約せよ!」。
灰色の男たちから誘われるままに、
人々は時間貯蓄銀行に時間を預ける。
ところが、これはインチキで時間は盗まれてしまう。
みんな次第に不機嫌になり、
時間に追われる余裕のない生活を強いられていく
▼ドイツの作家、ミヒャエル・エンデの「モモ」は、

少女モモが時間泥棒たちから時間を取り戻す物語だ。
「時間を節約すればするほど、生活はやせ細っていく」
「時間は、本当に自分のものであるあいだだけ、生きた時間でいられる」。
全編に示唆に富んだ言葉がちりばめられている.
、~~~~~~~~~~~~
▼こちらは、ほとんど「労働時間泥棒」のような仕組みだ。
働き方改革関連法案に盛り込まれた高度プロフェッショナル制度では、
高収入の一部専門職は労働時間規制から外され、
残業代も深夜・休日手当も出ない。
▼企業は労働時間を把握する義務がなくなる。
時間に縛られずに済むのは経営者の方だ。
働き手は過大な業務を押しつけられ、
際限なく働かされる懸念が拭えない。
▼そもそも法案の基礎資料である労働時間データに大量の誤りが見つかり、
制度の土台が揺らぐ。
命と健康にかかわる時間を粗略に扱われ、
モモならずとも、怒りがこみ上げよう。
▼きょうは時の記念日。
本来は時間厳守を呼びかける日だが、
いっそ6月では初めての祝日とし、
ゆとりを考える機会にしてはどうか。
怪しい改革より社会ははるかに潤うだろう。
=================
★高収入の一部専門職は労働時間規制から外され、
残業代も深夜・休日手当も出ない。
このあたりの文がミソだな!
働かなくなって長いので現実的には感じられないでいるが
国に時間泥棒されては・・・・・若い優秀な方々はたまらないであろう・・・・・
~~~~~~~~~~~~~~~
蛇足)
数十年も前に書かれたものなのに現代にぴったりはまる。
時間を盗まれるということ・・
時間泥棒によって、人々の時間は奪われて、
「時間を節約することがすべての目的」になってしまいます。
そのため、散髪屋さんは、お客さんと話をしなくなり髪を切ることだけに集中し、
30分で終えるところを20分終わらせて「10分効率よくできた」となるわけです。
家も道路もすべて画一的なものに統一すれば、
時間がかからなくなり、時間の節約が実現されます。
ところで、節約された時間はどこにいったのか。
本の中では、時間泥棒たちが時間貯蓄銀行に貯めこんで、
生きるために使っています。
ですので、節約したと思っている人間たちは、
時間泥棒に時間を奪われているために、
「効率的に働いているのに、なぜか時間が足りない。余裕がない」となり、
ますますせかせかと働くようになります。
その一方で、時間の効率化とともに、心というものが忘れ去られて行きます。
散髪屋のお客は話を楽しむこともなく、ただ単に髪を切ってもらうだけになる。
親は仕事に忙しいから、子どもに遊ぶためのおもちゃを与え、食べるためにお金を与える。
人々は一層忙しくなり、大事な心を忘れて、せかせか、
いらいら生活をするようになる。
なのに、当人たちは、時間泥棒に時間が盗まれていることに全く気づかない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

コラム時間泥棒

「時は金なり、節約せよ!」。

灰色の男たちから誘われるままに、
人々は時間貯蓄銀行に時間を預ける。
ところが、これはインチキで時間は盗まれてしまう。

みんな次第に不機嫌になり、
時間に追われる余裕のない生活を強いられていく
▼ドイツの作家、ミヒャエル・エンデの「モモ」は、

少女モモが時間泥棒たちから時間を取り戻す物語だ。
「時間を節約すればするほど、生活はやせ細っていく」
「時間は、本当に自分のものであるあいだだけ、生きた時間でいられる」。
全編に示唆に富んだ言葉がちりばめられている.

、~~~~~~~~~~~~
▼こちらは、ほとんど「労働時間泥棒」のような仕組みだ。
働き方改革関連法案に盛り込まれた高度プロフェッショナル制度では、
高収入の一部専門職は労働時間規制から外され、
残業代も深夜・休日手当も出ない。
▼企業は労働時間を把握する義務がなくなる。
時間に縛られずに済むのは経営者の方だ。

働き手は過大な業務を押しつけられ、
際限なく働かされる懸念が拭えない。
▼そもそも法案の基礎資料である労働時間データに大量の誤りが見つかり、
制度の土台が揺らぐ。
命と健康にかかわる時間を粗略に扱われ、
モモならずとも、怒りがこみ上げよう。
▼きょうは時の記念日。
本来は時間厳守を呼びかける日だが、
いっそ6月では初めての祝日とし、
ゆとりを考える機会にしてはどうか。
怪しい改革より社会ははるかに潤うだろう。

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★高収入の一部専門職は労働時間規制から外され、
残業代も深夜・休日手当も出ない。
このあたりの文がミソだな!
働かなくなって長いので現実的には感じられないでいるが
国に時間泥棒されては・・・・・若い優秀な方々はたまらないであろう・・・・・

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蛇足)

数十年も前に書かれたものなのに現代にぴったりはまる。

時間を盗まれるということ・・

時間泥棒によって、人々の時間は奪われて、
「時間を節約することがすべての目的」になってしまいます。
そのため、散髪屋さんは、お客さんと話をしなくなり髪を切ることだけに集中し、
30分で終えるところを20分終わらせて「10分効率よくできた」となるわけです。
家も道路もすべて画一的なものに統一すれば、
時間がかからなくなり、時間の節約が実現されます。
ところで、節約された時間はどこにいったのか。

本の中では、時間泥棒たちが時間貯蓄銀行に貯めこんで、
生きるために使っています。
ですので、節約したと思っている人間たちは、
時間泥棒に時間を奪われているために、
「効率的に働いているのに、なぜか時間が足りない。余裕がない」となり、
ますますせかせかと働くようになります。
その一方で、時間の効率化とともに、心というものが忘れ去られて行きます。
散髪屋のお客は話を楽しむこともなく、ただ単に髪を切ってもらうだけになる。
親は仕事に忙しいから、子どもに遊ぶためのおもちゃを与え、食べるためにお金を与える。
人々は一層忙しくなり、大事な心を忘れて、せかせか、
いらいら生活をするようになる。
なのに、当人たちは、時間泥棒に時間が盗まれていることに全く気づかない。

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