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「月の女神・アルテミス」

2009-11-11 23:07:27 | ギリシャ神話

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 「月の光のように幻想的で美しい女神だが、その潔癖症は玉に疵」


 アポローンの双子の妹、銀の弓を携えた女神であり、狩猟の神でもある。アポローンとは対照的に、白馬に引かせた白銀の戦車で漆黒の夜空を駆け巡る姿は幻想的である。


 月を司るアルテミスは、ポセイドーンが支配する海に対しても影響力を持ち、彼女の手には海水を自在に操る銀の鎖が握られ、潮の満ち干きを意のままに出来る。


 野生を支配し、孤高を好む彼女は人間嫌いで、アルカディアの山野で狩をすることを好んだ。


 こんな話がある。アルテミスの侍女にミュムペー(ニンフ、妖精のこと)のカリストーがいた。彼女は冷たい感じの美女であるアルテミスとは、一味違った美女だったらしく、例の悪い虫(アルテミスの親父)ゼウスが手を出したのだ。


 ことこの手のためなら手段を選ばないゼウスは、森の木陰で眠るカリストーの傍らにアルテミスの姿に変身して現れると、彼女を手に入れてしまった。


 アルテミスは処女神アテーナーに憧れていて、自分も処女神としての誓いを立てていたので、こんな事情はとても話せないでいた、いやあ、ましてや相手があなたの父親ですなんて言えるわけがない…… ねえ…… しかし、やがてカリストーの体に変化が起きる(出来ちゃったんですね)。


 当然アルテミスにばれてしまって、「お前のような汚らわしい娘はここから出ておいき!」と追放してしまった。しかも追い出されたカリストーは、あのヘーラーの怒りで牝熊されてしまうんだ。そして熊になったカリストーは、それと知らない狩猟の神であるアルテミスの弓で射殺されてしまうんだね(これには異説があって、射殺したのは、カリストーの息子であるアルカスともいわれている)。


 正に踏んだり蹴ったり、泣きっ面に蜂とは、このことだよ。


 でも、さすがにゼウスが憐れんで(元を糺せば、あんたが悪い)、親子共々、夜空に輝く星座にしたんだ。それが、大熊座(北斗七星)と小熊座(北極星)なんです(でも、空恐ろしいヘーラーの呪いで彼女たちは、一年中休むことなしに夜空に駆け巡らねばならなくなったとか)。


 一方、アルテミスは若い恋人たちを見守り、その語らいに明りを与え、二人が隠れるための陰を作るといった気の利いた一面もある。


 それでも自分とはことごとく正反対の兄アポローンは苦手だったようで、人々に節度と中庸を説きながら、自分は父親譲りの自由な恋愛を楽しむ兄が我慢できなかったらしい。


 「何が節度ですか? ご自分のしていることはどうなの?」


 そんな妹の問いかけに、アポローンは人懐こい笑みを浮かべながら、


 「もちろん節度を守るということは大切さ。でも節度そのものについても、節度を持っていることが重要なのさ」


 うーん、兄アポローンの勝ちかな?



The Book of Eibon

2009-11-10 09:44:26 | 禁断の書物

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「人類がとうに忘れてしまった秘密の伝承が記された書物。暗澹たる不気味な神話、邪悪かつ深遠な呪文、儀式、典礼の集大成」


・「The Book of Eibon(エイボンの書)」は、「Hyperborea(ハイパーボリア)」大陸の北方の半島であるムー・トゥーランに黒片麻岩造りの館を構え、その地の住民の間で普く名声と威信を得ていた悪名高い魔道士エイボンにより、「Hyperborea(ハイパーボリア)」の言語で記述された魔術書である。


・翻訳に継ぐ翻訳を重ねて現在に伝わったため、数多くの言語で記述された写本や手稿などが現存し、不完全な断片の幾つかがミスカトニック大学附属図書館に収蔵されている。


・現存する写本の中には、元々は猿の皮で装丁されていたものを悪魔崇拝者が、キリスト教の典礼書に使われる羊皮に取り替えたものである。


・刊行物としては、9世紀のカイアス・フィリパス・フェイバーによるラテン語版、13世紀アヴェロワーニュの魔道士ガスパール・ドォ・ノイドによる中世フランス語版がよく知られていて、15世紀には、英語版も発行されているが、誤訳が多いため信頼性は低いらしい。


・著者であるエイボンの出自のためか、巨大な白蛆の邪神ルリム・シャイコースの「Hyperborea(ハイパーボリア)」来襲や、エイボン自身が崇拝していた「Great Old One(旧支配者)」の「Tsathogggua(ツァトゥグァ)」などの「Hyperborea(ハイパーボリア)」大陸にまつわる詳しい記述が特徴的である。


・「Outer Gods(外なる神)」や「Great Old One(旧支配者)」について言及されている部分では、「NECRONOMICON(死霊秘法)」と対応している箇所が多いことが知られている。


・さらに「Abdul Alharzed(アブドゥル・アルハザード)」さえ知らなかった、もしくは故意に削除したか、翻訳過程で作為的に削られた禁断の知識、太古の呪文が記載されているとされ、神秘学者の間では「NECRONOMICON(死霊秘法)」と並び、第一級の書物と称されている。



「マクベス」 舞台内容 二幕三場~二幕四場

2009-11-09 10:56:15 | 「マクベス」

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・二幕三場
 国王殺害は自然の形で知られることになる。


 マクダフとレノックスは、朝早くダンカン国王に奉仕するよう命じられていた。彼も、その家来たちも、城外に宿泊していて、決められた時間に眠っている門番を起こし、その時の騒ぎでマクベスが起きて、門のところまで行き、彼らを迎え入れるのだった。
 これは、この後にマグタフたちが、ダンカンが殺されているところを発見する時に、自分は何も知らなかったということを印象付けるためなのだ。

 ただ、レノックスが昨晩は嵐が吹き荒れ、不気味で不吉な夜だったと、述べたことに対し、「荒れた夜だった」と、自身の心情を吐露するのだが、もちろん周りは気が付かない。




 そしてマクダフは、ダンカンの部屋に入り、直ちに怖れ驚き二人の元へ駆けつけて、惨劇を報告する。
それを聞いたマクベスは、レノックスと共にダンカンの部屋へ急行し逆上を装って、罪を着せられた二人のお附きの者を殺してしまう。
 いわゆる口封じなのだが、ごく自然の形で行なっていることが鮮といのだ。しかも、そのことをマクベスひとりではなく、レノックスも目撃させているところが狡賢いのだ。


 'Those of his chamber, as it seemed, had done it:
   Their hands and faces were all badged with biood,
   So were their daggars, which, unwiped, we found
   Upon their pillows: they stared, and were distracted;
   No man's life was to be trusted with them.'
 (国王の部屋のお附き者たちがやったようだ。
 彼らの手も顔もべっとりと血の跡、用いた短剣もそのままだった。
 短剣は枕元に転がっておりました。両人とも、
 まったく乱心のてい、目を大きく見開いて、おろおろするばかり、
 到底、人の命を預けるに足る者とは思いませぬ)


 マグタフがマクベスの行動を見て、疑惑を感じなかったどうかは、よく分からない。
なぜなら、マクベス夫人が、殺人などということに最も縁遠い人のように振る舞い、殺人が発見されると、策略的に失神して、周りの人の注目を惹きつけていたからである。


 さらにダンカン国王の二人の息子たちは、ことの次第にびっくり仰天し、バンクォーの「この問題を論ずる前に先ず着物を着よう」と散文的な台詞を機に、それを利用して逃げでしたことでマクベスに有利に働いた。



・二幕四場
 城の前、この場で直ぐに十分な調査が行なわれたらば、マクベスは嫌疑をかわすことは不可能だったが、国王の二人の息子が逃亡したので、嫌疑の矛先は彼らにかけられた。


 そして、これ以上の捜査は必要ないと打ちきられてしまう。さらに順調にマクベスは王位に就き、ダンカンの遺骸は急いで葬られるのだった。


 これでマクベスの運命の絶頂が達せられる。彼に関する限り、魔女の予言は実現した。ダンカンは彼の手中に入って殺され、人々の注目は、真の殺人者たる彼から脇へ逸らされたのだ。


 また、ダンカンが後嗣として指名した王子は国外に逃亡。貴族の中には一致した意見はなく、ロスはマクベスの戴冠式に出席し、マグタフは別荘へ退いた。彼らは、仮令疑惑を持っていたにしても、それを口することはなく、マクベスは幸運だったのだ。
 そしてこの幸運が何時まで続くのか、ということがこの劇おける観客の注目となる。




これで二幕は閉じる。
 



「太陽神・アポローン」

2009-11-07 12:13:23 | ギリシャ神話

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 「美貌・才能と全てを持ち合わせた逸材。でも何故か女性にもてない」


 オリュムポス十二神の座はゼウスの兄弟と、その子供たちで占められているが、その中でもゼウスの嫡男アポローンは最も祝福された存在だ。


 医術・音楽・詩・数学・予言を司り、太陽神ポイポス・楽人の王・神託の王にして黄金の弓の支配者であり、朝、東の宮殿から太陽の馬車を駆って空に昇り、西の地平に至るのが彼の仕事なのだ。


 馬車を引く馬たちは、それぞれ炎のようなたてがみを靡かせ、青い牧場を一直線に駆け巡るのである。そして双子の妹は、月の女神アルテミスであることもよく知られている。


 この万能の神の母親は誰か? 残念ながらヘーラーじゃあない。ゼウスが心を動かされたのは(ものは言いようですね)、大地母神ガイヤの孫のレートーだった。だから、ヘーラーは大変焼きもちを焼いたんだ。


 彼女の怒りは凄まじく、世界中のどんな場所でも子供を生むことが出来ないように睨みを利かせた。おかげでレートーは、どこに行ってもヘーラーの怒りを恐れて彼女を受け入れてくれなかったんだ。


 そこでゼウスが出産場所として、新たにデーロス島を創ったんだ。そこでレートーは無事にアポローンとアルテミスを生むことが出来たのさ。結構アフターケアーにも気を使う男だったかの知れない(もてるには、この辺の気遣いが必要なのかも)。


 ところがアポローン、いいとこだらけのように思うのだが、何故か女性にもてない(出来すぎる男は敬遠されるのかも)。ダプネーは彼を嫌って月桂樹になるし、マルペッサは人間のイーダースの方を選んでしまう。ニュムペーのシノペーなどは、「死ぬまで処女でいられたら、貴方の愛を受け入れてもいいわ」なんて言われてしまう(おいおい)。


 なれば、贈り物でもしようかと、カッサンドラーに予言の力を与え、シビュレーには両手ですくった砂粒と同じ数だけの命を与えるが、ものの見事に裏切られてしまうんだ。


 まあ、仕返しに呪いを掛けるんだけど、カッサンドラーには彼女の予言を誰も信じないようして、シビュレーには寿命がすぐに尽きてしまうようにした(残酷だよね。生き返っても、すぐ死んじゃうんだから)


 それでも、永遠の若さを約束され、情熱と冷静さと茶目っ気をたっぷり併せ持つ青年神アポローンはギリシャの人々にとって理想の人間像だったかもしれない。



「海洋を司る神・ポセイドーン」

2009-11-06 11:56:47 | ギリシャ神話

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 「海を支配するゼウスの兄、弟と同様すごい性格をしている」


 クロノスとレアーの息子で、ゼウスのすぐ上の兄の海神だ。でも、支配欲が強くてしばしば海以外の領域も欲しがって兄弟たちと喧嘩(人間世界では戦争)した。


 クロノスとの戦いの時に百眼巨人キュクロープスから与えられた三叉の鉾を手に持って、イルカに引かせた戦車で海上を駆け巡っては嵐を巻き起こす。その猛々しい姿に神々の中でも最の恐れられている。


 でもと言うか、やっぱりと言うべきか、ゼウスの兄だけに情事の方も凄い。妻のアムピトリーテーの嫉妬を贈り物で宥めながら、様々な女神や人間、妖精とのアバンチュールを楽しんだのだ。


 中でも凄かったのが姉のデーメーテールとのエピソードで、デーメーテールはポセイドーンが自分に思いを寄せていることをしていたが、ここは良識的にいつも彼を避けていた。


 ポセイドーンはそんな彼女の気を引こうと、得意の生物を創造する力で世にも美しい動物を造り出そうとするのだが、その過程で色々な動物か出来上がるのだ。ラクダ、キリン、ラバなどなど、彼のおかげで動物園に豊富な種類の生き物が揃えることが可能になったとも言える。


 そして、最終的にデーメーテールが気に入った動物が馬だった。ただ、馬と言うともう一つエピソードがある。


 ポセイドーンは、ある日地上を彷徨うデーメーテールの姿を見つけた。この時の彼女はハーデースにさらわれた娘のペルセポネを探していたんだけど、ポセイドーンはそんな彼女の姿に思わずムラムラと…… まぁその、よろめいてしまったらしく、デーメーテールをしつこく追い掛け回したんだ(ストーカーだよね)。


 デーメーテールは追い掛けて来るポセイドーンから逃げるため、ちょうど放牧されていたオンオキス王の飼馬の群れの中に、牝馬に姿を変えて隠れるんだ。(枯れ葉を隠すには森の中ってことだよね)ところが、ポセイドーンはあのゼウスの兄ちゃんなのだ、たちまちデーメーテールの変身に気がつき、自らも馬に姿を変えて彼女に迫って思いを遂げちゃうんだよ。そして生れたのが、名馬アリーオーンだったんだ。


 やっぱり馬に変身していたんで子供も馬になっちゃうんだろうか? しかし、アポローンはゼウスが鶉(うずら)に変身して造った子供だけど、鶉じゃなかったけど…… う~ん、ともかく海神であるにもかかわらずポセイドーンのシンボルが馬なのはこう言った訳があるんだよ。