錯乱坊の彷徨える日々

フィールドでの出会いに癒しを求めて…

取り敢えず・・・

2021年02月24日 | 石ころ

化石ってパカーン!と割って、石からコロンと出てくることはない。
いや、モノによっては・・・・ たまにある。
けど、そんなことは極希な事例で大抵は専用のエアーチゼルやタガネなどを駆使して、周囲に纏わりつく石を剥がして化石本体を剥き出しにしてくんですよね。
ちなみに、この作業のことをクリーニングと言います。
そして今日も朝から天気に恵まれたことから気温が上昇した昼頃になって、昨日の化石をクリーニングすることにしました。


先ずは化石が石に埋没している方向を確かめながらセグメントカッターで切り込みを入れる。
それも少しずつ、少しずつ、慎重に・・・


そして、イケけるところは思いっきり大胆にカット・・・・


で不必要な部分を取り除くのですが・・・
そんな時に限ってドジを踏む。ww


それが証拠に、この直ぐ後に巻貝化石(オリゴプティクシス)は母岩からコロンと遊離した。
まぁ、こんなトラブルもあるさぁ!
だから、この遊離した化石は脇にでも置いといて・・・ おっ!


タイミング良く西表島のキバウミニナがあるじゃないですかぁ。
だから並べてみた。
そして、欠損した部分を合成して補ってみると・・・・・
いいねぇ!
ならば、この遊離した化石の欠損部分を石膏で補って展示に使いましょ!


まぁ、そんなこんなで今日の今日の作業は、これにて御終い。
次は暇をみつけて専用のエアーチゼルを用いた室内作業に移ります。

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黒曜石中のクリストバライト(方珪石)

2021年02月24日 | 石ころ
いやぁ・・・
このところ“石ころ”の話ばかりが続いています。
と、言うもの石は昆虫などの生き物に比べると四季の変化にも影響されないばかりか、例え雨が降ろうと雪だろうと全く関係なくオールシーズンで楽しめるので面白いんですよ。
そして、先週の始め頃だったか佐賀県伊万里市の腰岳で得た黒曜石を整理しいたところ、小さな二酸化ケイ素 (SiO2) の結晶であるクリストバライトのを見つけました。


ただ、このクリストバライトは決して珍しいものではなく、その産出場所によっては探さずとも普通に見られるものなのですがCherryのようにピカピカの黒曜石が大好きな者にとっては、あまり喜ばしいものではない。
そして、この程度の出現率からすれば長崎県佐世保市(針尾島)の黒曜石に比べると無いのに等しい。
とは言え・・・・
そんな針尾でも場所次第は綺麗な黒曜石がありますよ。


ただ 長野県諏訪郡下諏訪町の和田峠から得られる黒曜石に含まれるクリストバライトは他産地のものからすると比べ物にならない。
と、言うのも・・・・
この産地のものにはスノーフレーク呼ばれるほどの白いクリストバライトが帯状(層状)として入っているものがあり、ここにUPした黒曜石のようにクリストバライトが大量に含まれると別の意味で美しい。


そんでもって、👆これは北海道の紋別郡遠軽町で得られる黒曜石で、その中でも花十勝とか紅十勝と呼ばれていて黒と赤褐色の模様が美しい。


しかーし!
この地の黒曜石に含まれるクリストバライトはというと・・・・ でかい!
と言うのも・・・
スケールからも分かるかと思いますが 、その直径は2cmは超えている。
まぁ、そんなこんなで黒曜石の面白さは、そこに含まれるクリストバライトだけでなく・・・
今は赤石山などでの黒曜石採取はできません。


大分県東国東郡の姫島で得られる白いっていうかグレーから白っぽい色まであって黒い色をした黒曜石に比べると光を透過する。


まぁ、そんなこんなで・・・・
その地域地域で様々に変化する黒曜石はコレクション性が高くて知れば知るほど面白い。
ちなみに姫島の観音崎にある黒曜石も2007年7月26日に“国の天然記念物”に指定され、今では採取することはできません。

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御船層群探訪(石を割って潮干狩り)

2021年02月24日 | 石ころ

ちわー!
今日一番の記事は昨日の続きで化石採り。
タイトルは御船層群探訪。
して、サブタイトルは石を割っての潮干狩り。 👈そのまんまじゃん ww
そんでもって、昨日は天気にも恵まれて気分も爽快。


ただねぇ・・・
その行く道は次第に細くなり、川に沿って何やらヤバそうな感じ。
ガードレールなんかもベコベコになっちゃってるしねぇ。


さらに・・・・
時間の経過とともにヤバそうな雰囲気が増していく・・・・
とは言え、この程度は何時ものことで慣れてますけどね。

しかーし!

さらなる難関がCherryを待っている。


それが・・・・  👆これ!
わかるかなぁ?
車は無理だけど、これでも道なんですよ。


そう、俗にいう獣道ってやつですよ ww
で、この画像に黄色い線でルートを記すと、こんな感じね。
なーんかヤバくない?
おーいクマが出るぞぉ!って、クマはいません。
ブヒブヒのイノシシはいますけど・・・
まぁ、そんなことよりも前にCherryにとっては何時ものことですけどね。


すると・・・・
突然、視界が開けて川へと出る。
後は川の中をジヤバジャバ歩き、ルートが無くなれば川横の壁面を高巻きして上流へと向かう。
いやぁ、正に『虎穴に入らざれば虎子を得ず』ってやつですよ。


そして、さらに上り続けると川幅は狭くなり周囲も何となく暗くなる。
いやぁ・・・ ワクワク感が増すってもんですよ。


そうこうしていると現場に到着。
露頭は、もう少し先なんだけど・・・・ ここまでの画像でご勘弁。


そして、露頭から落ちてきた石を探す。
とは言っても川床に散乱する阿蘇の凝灰岩の中から御船層群の堆積岩を探すだけなので苦労はしないし、場合によっては、ここにUPしたような溶脱した巻貝の断面が見えていたりカキ(牡蠣)やら二枚貝の断面が見えてますからね。


で、そんな石を見つけて・・・・・ 
3.5キロの大ハンマーで叩く。
すると・・・・


パコーン!パコーン!と深い谷に音だけが響き、ゴクッ!という音と同時に割れる。
それをタガネやハンマーで注意深く割っていくんだけど、皆さんが考えるほど力は必要ないんですよ。
要は最初に叩いた反動を利用して次の一撃を打つみたいなコツがあるのです。


で、昨日の化石採りで得られたものは、👆こんなもの・・・
はぁ?
こんなに小さいの?
なーんて思われるかもしれないけれど、この巻貝は殻頂の保存が良ければ15cm程度にまで達する大型の巻貝なので、それなりに石も大きいんですよ。
そんでもって、この巻貝なのですが昔はセリシウム(Cerithium)と呼ばれていたのですが、のちに御所浦層群の個体群はオリゴプティクシス(Oligoptyxis)へと変更された。
と、いうことで・・・・
この御船層群の個体群もオリゴプティクシス・ピラミダエフォルミス(Oligoptyxis pyramidaeformis)かオリゴプティクシスの一種(Oligoptyxis sp,)でイイんじゃないのかなぁ?なんて思うんですよね。
だって、この地の個体群でも風化した縦断面や切断研磨した場合には軸に特有の螺管が確認できますから・・・
で、話は変わって右上の端に写る👈先の巻貝だけはオリゴプティクシスではなくメソグローコニア(Mesoglauconia )。
まぁ、そんなこんなで・・・・
これから化石のクリーニング作業が大変だぁ。


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