吹雪が過ぎ去って空の天候が落ち着きを取り戻し気温もやや上昇するあまり早くはない休日の午前中、路肩に停めているランドクルーザーに積もった雪を除去し、再び何時でも走れる状態にする。ランクルの雪下ろしは冬の季節は何時も行っている事で特別な事ではない。更に僕にとってはランクルの雪下ろしは苦痛的な作業ではなく手入れの延長の様な感覚を感じる。こうやって毎年ランクルの上に雪が蓄積しそれを払い落とす作業はランクルに愛情を注ぐ機会で楽しみを感じる事が出来る。
今回はせっかくの良い機会なので、僕が行っているランドクルーザー60の雪落し掃除のやり方を紹介したいと思います。なぜ、そんなどうーでもよさそうな積もった雪を掃除するという行為を紹介するのかというと周りの人々を観て、雪掃除は苦痛な事だ。とにかく動かせればいいじゃんとしか思っていない人々の行為を省みながら、車の雪掃除には〝道”に繋がる極める世界がある。そして、この世界には〝型”がありそれを整理したら車の雪掃除も人生の修行の一つのようでマスターする事によって充実感や満足感を感じる事が出来ると自分自身が感じたからである。
ランクルの雪降ろしには特殊な道具は不要です。
スコップと柄の長いブラシワイパーで充分です。
これに時々プラスチックヘラとかホウキを加えます。
それでは順を追って説明します。
1、車体に堆積した雪は、まず車体の上部(ルーフ)から落として行きます。
周りを観ると、車のフロントウインドウから雪を落とし始める人が意外と多いです。
Q: なぜ、上部の雪は落とさなくてはいけないのか?
落とさなくても走って風で吹き飛ばすか、走りながら落とす事も出来るのでは?
A:屋根に雪が残ると車内の温度で少し溶解します。
しかし、この少し溶解した雪はやがて氷の塊となって屋根に留まります。
それが走行中に吹きとびます。
そしてそれは、ブレーキングの時にフロントガラスとボンネットに落下します。
2回程怖い経験をしました。/
屋根に残った雪は凶器になると知っておいて下さい。
2、屋根の雪を落としたら、次はフロント(ボンネットの前部)です。
ボンネットのフロント半分の雪を前に滑り落とします。
3、フロントウインドウ周辺を左右半分ずつ横から落としてゆきます。
まだワイパーには手を掛けません。
4、両サイドの窓に付いた雪を落としてゆきます。
5、サイドの窓の雪を落とす過程で運転席のドアを開けます。
まず、5センチ程ドアを開けて直ぐにドアを閉めます。
次に15センチ程開けて強くドアを閉めます。
ドアの周辺の雪を振動で落とします。
運転席に入り込みます。
靴に付いた雪は足を入れる前に左右の靴を戦わせて可能な限り雪を落とします。
6、エンジンを掛けます。
送風レバーをDEF に入れて強い風を巡回させます。
7、エンジンを掛けて車を暖めながら細部の掃除に取り掛かります。
ワイパーは氷付いている事が多いので温まるまで無理に動かしてはいけません。
窓の下部に付着した雪はボディの内側に流れ込み氷付いたり、
長い目で見ると錆びの原因になるので可能な限り落とします。
8、フロントウインドウ、ワイパーを掃除します。
ワイパーの根元辺りに雪氷が残ると固まってワイパーの動きを阻害します。
ワイパーは持ち上げて軽く落とします。
これを2回程繰り返して落下した雪と氷の破片をなるべく掃除します。
次は下回りです。
...ランクルはこれくらいの雪なら問題なく脱出出来ます。/
9、スコップを活用してタイヤ周辺の雪を掃除します。
ホィールの雪も落とします。
寒い日々が続くとホィール周辺が雪に触れたままとなってしまいます。
フロントリムには手動デフロックとカバー、リアリムにはドラムブレーキのカバーがあり、
長く雪に接触させる事は錆の誘発に繋がります。
タイヤ周りの雪を清掃したらランクルに乗り込みます。
そして、ギアを入れて...
10、車体を前後に50cm~1m程2回ずつ振るように前後させます。
こうする事によってタイヤでクリアランスを確保し、
何時でも発進可能なスタンバイ状態となります。
以上が降雪時に僕が普段はあまり意識する事無く行っているランドクルーザー60の雪降ろし手順です。この手順はレクサスLX450(ハチマル)も同じです。ポイントは安全にランクルを使う為の降雪後の作業です。ランクルFJ60の場合は特に屋根が広く平たいので雪降ろしには時間が掛かったりしますが、それは労働ではなくて頭をなでなでする愛情行為と同じです。雪を払った後の粋なランクルの姿にいちいち心をトキメかされるのが雪国のランクルとの生活です。車の雪掃除の参考になれば幸いです。