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" AS SLOW AS POSSIBLE AND AS FIRST AS NECESSARY "

ルーフラックに対する理解 その1 キャメルトロフィー

2018年02月26日 | OVERLAND VEHICLE

 イギリス住在の自動車冒険家 Overlanders Handbook の著者である Chris Scott 氏は自身が製作した Desert Driving のDVD の中でルーフラックに荷物を満載した Land Rover Defender が砂漠の砂丘(デューン)の下りでバランスを崩して転倒する場面がある。強靭な構造を持つ Defender といえどルーフに荷物を満載して走行にタイヤへの抵抗がかかる砂の上を走破する事にはリスクが高い。しかし、Scott 氏がルーフに荷物を搭載したディフェンダーをあえてひっくり返したとするなら彼はルーフ上への過剰搭載を警告する策士に満ちた知者である。合理的に考えたらラフなオフロードを走るのに荷物を高い所に積むという事が愚かな間違いであるにも関わらずルーフラックに荷物を搭載するスタイルへの信仰が冒険的な印象を与えるのは嘗てのキャメルトロフィーがそうであった。というのが今日まで大きな影響になっていると思えて仕方がない。

 

 アリゾナ州住在の自動車冒険家で Overland Expo の主催者の一人でありコラムニストの Jonathan Hanson 氏はそのコラムの中でルーフラックの上に多くの荷物を積む事を戒めている。それは自らが過去に経験してきた結果からくる結論である。そして 、Hanson 氏はなぜキャメルトロフィーが200ポンド(90キロ)の荷物を車上のルールラックに搭載する必要があったのかを述べている。

The CT vehicles were navigating remote areas of the planet and overgrown tracks in stunningly bad conditions, and required huge amounts of recovery and survival equipment. Inside the vehicle were always two team members plus at least one journalist, so much kit simply had to go on the roof. And, two, those Land Rovers ended up on their sides very, very frequently in the midst of Special Tasks requiring greater than prudent speeds.

 キャメルトロフィーでは想像を絶する程の悪い悪路の境地を走破する為にあらゆる状況を想定したリカバリーギアとサバイバル用具を搭載する事が求められた。一台のクルマに二人のチームメンバー、そして後部座席には最低一人のジャーナリストが同乗した。よって車体の後のカーゴスペースだけではスペースが充分ではなくルーフ上への搭載が余儀なくなされた。(ジャーナリストのカメラの器具などの入ったペリカンケースは車体が水に浸かる事を事前に想定してルーフへ搭載)キャメルトロフィーの車両はルーフ上に多くの物を載せて不安定な事は皆知っていたがあえてその状態で悪路を走破する挑戦を冒険的義務としていた競技であったのである。

 不安定な車体であるからこそ面白かったのである。面白く過酷であった故にキャメルトロフィーのスタイルはオフロードの伝説となりアイコン的な存在となって定着した。安全性や機敏性、走破性やブレーキ性能うんぬんを押し沈める程にアドベンチャーオフロードビークルというのはこうあるべきだのイメージがキャメルトロフィーによって確立されたのである。

 

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