ロクマルでいこう、60でGo!

" AS SLOW AS POSSIBLE AND AS FIRST AS NECESSARY "

K.I.T.T.

2018年09月04日 | VINTAGE CARS

 先月(8月)号のAutomobile 誌に興味深い記事が載っていた。1982年から放映が始まったアメリカの特別番組 Knight Rider で知能を搭載し意志を持ち会話するクルマ、その名は Knight Industries Two Thousand (略名 KITT)のレプリカが最終放送が終了してから32年を経過した今日も売れ続けているという事実である。バージニア州にあるDon Colie's Shop においてオーナーのColie氏は1982年型(3代目)のポンティアック.ファイアーバード.トランザムのレストレーションと共にカーボンファイバーで製作した20枚のパネルを組み合わせ、内装には複雑なオールドスクールの電装を組み込み当時のスクリーンから飛び出して来たような KITT を20年間に渡って製作し続けている。製作期間はベースとなるポンティアックの状態によって異なるが約半年から1年の時間が掛かる様子。詳細な写真等は上記の Automobile 誌のサイトで確認する事が出来る。ナイトライダーは嘗て日本にバブル期がやって来る前に現れて消えた存在ではなかったのである。KITT は1980年代の輝きを今も秘めている。その輝きは現在の洗練されたコンパクトな電子部品とは異なる。80年代のクルマというのは古くも新しくも無く、中途半端な発展途上過程的なクルマだと捉えられがちである。しかし、この KITT に代表される様に70年代にも90年代以降から現在にかけても、こんなクルマをもはや製作する事は出来ないのである。KITT に代表される電気と LED の80年代のクルマというのは現在の目から観ると極めて個性的なクルマの存在した時代で有った事が伺える。現在も KITT のレプリカが製作され続ける理由はそのクルマがカッコ良く、観ても乗ってもワクワクする存在であるからである。クルマはただ単なる移動の手段や物ではなくて、ナイトライダーの様に対話する相棒でもあるというのが人とクルマとの有り方なのである。

 

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