1987年型、アメリカでは最後のマニュアル仕様のランドクルーザーFJ60。このランドクルーザーFJ60が僕の元に来てからというもの闘病的ランクルライフの始まりであった。今まで一度も健康な状態で路上を走った事が無いという有様である。それでもこの縁有るシルバーのFJ60を家族の一員の様に愛している。走り廻る事だけがクルマとの付き合いではなくて、思い悩んだり挫折感を味わったり、時には知識を習得出来たりする機会を与えてくれる。このFJ60が元気になって快走出来る日がやってくる事を願って出来る範囲で駒を進めている状態である。オーバーヒートの原因解明と修理の為にメカニックに預けていたFJ60。エンジンブロックを取り付けて冷却水を満たしエンジンオイルをフレッシュにしてテスト走行を行った。
20分程走行してしているとエンジンの温度が上昇してきた。ランクルを停めてボンネットを開けて確認すると沸騰したラジエター液が漏れている。オーバーヒートは直っていなかったのである。気持ちは落胆したが、これは意味の有る試練ではないかという感覚を覚えて自身の反省をした。心に引っかかったのは全てをメカニックに任せてしまった事である。それは健康な人が病気になってしまった時の病気の治療過程に似ている。病気を治すのは医者や病院ではないという理解である。これからは自分で考え探求してからメカニックの技術と経験を活用して行こうと思っている。オーバーヒートが完治出来ていない現状に対して僕以上に落胆したのはメカニックであるからだ。
さて、オーバーヒートに対しての修理の取り組みをメカニックと一緒に詰めて行く為には具体的な処方が知識と共になくてはならない。素人的ではあるが以下の内容を詰めて行きたいと思っている。
1、サーモスタットの開閉の確認。
2、ウオーターポンプの故障。
3、冷却水の不足。
4、ファンベルトの緩みと劣化、クランクプーリーの滑り。
5、バイパスパイプの詰まり。
6、ラジエターキャップの機密不良。
7、冷却水の汚れ。
8、ラジエターからの冷却水の漏れ。
9、ラジエター内の錆と水垢。
10、ラジエター内の通水不良。
11、シリンダー内の点火時期のタイミング。
12、オクテンセレクターの確認。
13、混合ガスの濃度が薄くないか。
14、キャブレターのセッティング。
15、エンジンオイルの量と汚れ。(現状では考えにくい...)
16、オイルポンプの故障、オイルラインの詰まりの確認。
17、オイルフィルターが正確に取り付けてあるか。
以上、が僕が思う確認項目である。エンジンブロックが開けられフリーズプラグは交換してあるが再び基本に帰って項目を一つ一つ詰めて行くのが近道であろう。それでも直らない事はある。その時はまたその時に考えるしかない。いずれにせよランドクルーザーFJ60の不調の改善の為に最善の努力をする事は Serendipity に至る為の過程でもあるのだ。