先週末は晴れた良い天気であった。ニューヨークのマンハッタン島の脇を流れるハドソン河の上流の方に用事があって家内と一緒に出かけた。用事を済ませた後、僕は持参したロードレーサーを車から降ろし、ジャージーを着込んで自宅での再会を約束して家内と別れてペダルに足を乗せた。春の風はまだ暖かいとは言えないが、それでも春を迎えた事で気分は開放される。
遥か遠方がニューヨークの街です。
いつものトレーニングコースとは違って道が正確に分からないという 弊害はあったが、河を左手にして南に向かって走るという確信だけは持っていた。途中2つ程小さな町を抜けた。最初の町の中心街ではスプリングフェステバルが開催されており渋滞の中を走り抜ける結果となったが、多くの場所は閑静な住宅街が続いていた。桜のピンクやレンギョウの黄色、モクレンの紫などが、赤く淡い黄緑の木々に解けて春を演出している。川沿いにある小さな家の前に一台のピンッガウアーを見つけた。庭の真ん中に停まって、現在も使われている70年代の錆びたフォードトラック。初期型のデスカバリーなど普段目にする機会がない車の個体を目撃する事が出来た。春の清清しい空気の中を息を切らせて走り抜けると、時々喉に溜まった花粉が外に出たがる。季節と景色、そして心肺運動。今週もがんばろうという気持ちが起こってくる。これこそがサイクリングの醍醐味である。