ロクマルでいこう、60でGo!

" AS SLOW AS POSSIBLE AND AS FIRST AS NECESSARY "

中央アジアに広がるリモートエリア

2020年06月16日 | OVERLANDERS

 中央アジアのヒマラヤ北部にある新疆ウィグル地域には広大な山脈や砂漠やステップが存在している。日本人でランドクルーザーを愛する人ならば、その広大な大地を愛車を駆って巡るオーバーランドの旅への憧れを抱いた事はないだろうか。しかし、この地域をランドクルーザーやランドローバーを駆ってオーバーランド旅行したという旅行記は(調べた訳ではないが)非常に少ない気がしている。その大きな理由が、最近クローズアップされてきたウィグル民族に対する人権問題にあると観ている。今までは経済が大きなウェイトを占めていたので、それらは水面下の出来事としてフォーカスが薄れていた。しかし、アフターコロナの時世においては太陽の傾きが変わったのだ。我々には実際に何かが出来るという訳ではないが、一つだけ出来る事がある。それは、この地域に更に関心を持つという事だ。文化や宗教、イワナ釣りやバザーの食べ歩き、ランクルで大陸を駆け抜けるオーバーランド旅行という指標などでもいい。多くの人が関心を持つ事によって事態が変化するという現象は、人間の意識が水面下では繋がっているという事実に基づく思考である。グラスノーチスによるソビエト連邦の崩壊。そして、現在でも情報規制と監視を置く巨大な国家が存在するのは、その事実を証明しているのである。

 

 コロナによる外出制限の期間の隙間時間に鑑賞したドキュメンタリー。作家、故. 開高健による新疆ウィグルの最北部にあるハナス湖ヘの冒険釣り旅行。ここは、ロシアとモンゴルの国境の近く。普段、殆ど耳にする事が無い名称が出てくる。天山北路、ジュンガル平原、そしてウイグルでは2番目に大きな砂漠と言われているグルバンテュンギュト砂漠。そして、このドキュメンタリーに活用されていた車両連帯がランドクルーザーの60系であり、色がブルーであるというのが嬉しい。

 参考までに、このドキュメンタリーを観ながらオーバーランドに対する学習を復習するとこうなる。開高氏の一行は大魚を釣るという目的を持ちハナス湖という地理的場所(点)に向かった。オーバーランディングの定義では旅そのものが目的(線)となる。よって、開高氏のハナス湖への旅は理論的にはエクスペデッション旅行となる。解った様な?解らない様な?感覚が有るのは、旅においては点と線は繋がるものであり区別出来ない所にある。正当な表現は、オーバーランドエクスペデッションとなり、目的地(点)を持った線の旅となる。線か点かでは無くて総括であり、線が主体か、点が主体かであり、開高氏の一行は点が主体となっていた。理論的な定義の理解の消化には柔らかい頭が必要かなとは思うが、オーバーランディングやエクスペデッションという区別が混乱するのはこういうところにあり、点と線の強度を理解し、主体と対象の具合を量ると理解しやすいかと思う。

 

コメント
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