南斗屋のブログ

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「コムスン解体」記事に見る在宅介護の状況

2007年09月14日 | 未分類
コムスン解体で浮かび上がった介護保険の問題について、日経新聞が9月6日~8日付け朝刊で特集を組んでいました。

 コムスンの問題は、介護保険の問題ですが、今後の日本の障害者介護全般の問題とリンクしていくと思いますので、注目して読んでいました。
 
 とりあげられていた問題の一つとして、
 在宅介護は(施設介護に比べて)もうけにくい分野である
というものがありました。

 以下、私なりに要約してみますと、

1 施設介護は、介護保険の収入のほかに、保険外収入(家賃や給食収入など)があり、この保険外収入で採算をとることが可能だけれども、在宅介護は、介護保険収入のみに頼らざるをえない。

2 しかも、介護保険の報酬は、2005年10月と2006年4月に改訂があって、介護の度合いが軽度の人向けサービスの下げ率は、平均5%にも及んでおり、在宅介護の売り上げは低下せざるをえなくなった

3 在宅介護の事業者からは、「もう採算がとれない」との悲鳴もあがっている

4 このように在宅介護市場が利益をあげにくい構造があるため、人材難が慢性化している
 女性ヘルパーの年収は平均260万円(2005年)にすぎないし、介護職員の離職率は、2004年10月からの1年間で約20%にものぼっている
 
5 このようなことから、新たに在宅介護サービスに参入しようという業者が表れなくなる(参入障壁)という悪循環になっている

というもので、まさに在宅介護はお先真っ暗という状況にあるようです。

 厚生労働省の狙いは、介護費の抑制でしょうから、今後もこの点は直ちに改善するとは思えません。

 前に、「”将来の介護料は廉価になる”という一部裁判例の見方」という記事を書きましたが、 少なくとも現時点では、そのような考えは全くの見当はずれだと思います。





コメント (1)
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