北海道新聞の記事からです(記事は末尾に引用)。
自賠責の認定では、CTやMRIといった画像所見が必要なのですが、この札幌のケースでは、それがなくとも裁判所が高次脳機能障害を認めたというところに意義があります。
今回、最高裁が、加害者からの上告を棄却したということですが、これが即ち、最高裁が脳の画像所見がなくても、高次脳機能障害となるということを認めたといいうことにはならないと思います。
というのは、最高裁は、事実認定については、基本的には審理の対象外なのです。つまり、事実の認定については、高裁で著しい謝りがない限り、上告を認めるという扱いはしないのです。
さらに、この12月25日付けの最高裁決定は最高裁の裁判例情報のホームページに掲載されていません。
これは、最高裁自体はこの決定を、重要性をもっていないと位置づけているともみれます。
高次脳障害 札幌の女性勝訴が確定 最高裁、運転手の上告棄却(12/28 08:04)
交通事故で高次脳機能障害を負ったとして、札幌市の二十代の女性が事故を起こした運転手に約一億二千四百万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第三小法廷(藤田宙靖裁判長)は二十七日までに、運転手の上告を退ける決定をした。運転手に約一億千八百万円の支払いを命じた二審札幌高裁判決が確定した。決定は二十五日付。
自動車損害賠償保障法では、高次脳機能障害に認定されれば保険金が支払われる。認定されるには、磁気共鳴画像装置(MRI)の画像診断で脳の損傷が認められることなどが必要だが、女性は損傷が見られず認定されなかった。
しかし、札幌高裁判決(二○○六年五月)は、一九九七年六月の事故後に、女性の記憶力や集中力が著しく低下していることを重視。「症状から、司法上は事故で障害を負ったと認める」とする初判断を示していた。
自賠責の認定では、CTやMRIといった画像所見が必要なのですが、この札幌のケースでは、それがなくとも裁判所が高次脳機能障害を認めたというところに意義があります。
今回、最高裁が、加害者からの上告を棄却したということですが、これが即ち、最高裁が脳の画像所見がなくても、高次脳機能障害となるということを認めたといいうことにはならないと思います。
というのは、最高裁は、事実認定については、基本的には審理の対象外なのです。つまり、事実の認定については、高裁で著しい謝りがない限り、上告を認めるという扱いはしないのです。
さらに、この12月25日付けの最高裁決定は最高裁の裁判例情報のホームページに掲載されていません。
これは、最高裁自体はこの決定を、重要性をもっていないと位置づけているともみれます。
高次脳障害 札幌の女性勝訴が確定 最高裁、運転手の上告棄却(12/28 08:04)
交通事故で高次脳機能障害を負ったとして、札幌市の二十代の女性が事故を起こした運転手に約一億二千四百万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第三小法廷(藤田宙靖裁判長)は二十七日までに、運転手の上告を退ける決定をした。運転手に約一億千八百万円の支払いを命じた二審札幌高裁判決が確定した。決定は二十五日付。
自動車損害賠償保障法では、高次脳機能障害に認定されれば保険金が支払われる。認定されるには、磁気共鳴画像装置(MRI)の画像診断で脳の損傷が認められることなどが必要だが、女性は損傷が見られず認定されなかった。
しかし、札幌高裁判決(二○○六年五月)は、一九九七年六月の事故後に、女性の記憶力や集中力が著しく低下していることを重視。「症状から、司法上は事故で障害を負ったと認める」とする初判断を示していた。