週末はRock。今宵の一枚はKing CrimsonのIn the court of the Crimson King、クリムゾンキングの宮殿。録音は1969年、レーベはAtlantic。プログレッシブロックの古典、いやロック史上に燦然と輝く金字塔である。まずジャケットの顔のアップに驚かされ、音を聴いて打ちのめされる。初めてこのアルバムを聴いたときは心底驚き、数日繰り返して聴き続けた。今聴いても少しも色褪せず斬新。
抒情的で切々と歌い上げるGreg Lakeのvocalからprogressiveというよりavant-gardeなinstrumentalな演奏に変わるMoon childが個人的には好き。メンバー個々の演奏力も凄いが何と言ってもPete Sinfieldの詞がアルバムの白眉。この詞こそが価値を決定づけている。
以下ライナーノーツから抜粋
Epitaph(墓碑銘)
理由なき行進
明日また明日
預言者の書いた壁が
分け目のところから裂けて行く
死という道具の上で
太陽はさん然と輝き
人間達が悪夢と正夢の中で引き裂かれてゆく
誰も花輪を置いてはくれず
静寂と叫びを呑み込んでしまう
知識は残酷な友人
哀れな者の手の中の人間たちの運命が私にはみえる
とまあ、歌詞ではなく詩である。哲学的だ。
side A
1.21st century schizoid man
2.I talk to the moon
3.Epitaph
side B
1.Moon child
2.The court of the Crimson King
(personnel)
Robert Fripp(guitar)
Greg Lak(lead vocal、bass)
Ian McDonald(keyboard、mellotron、Woodwind & Backing Vocals 、vibraphone、fl、ts)
Michael Giles(drums、percussion & Backing Vocal)
Pete Sinfield(Words and illumination, lyrics)