今宵の一枚は渡辺貞夫のSadao Watanabe at Montreux Jazz Festival。録音は1970年6月10日、レーベルはCBS Sony。ナベサダがヨーロッパ、Monteuxに乗り込んだ記念すべきライブ録音である。まだまだ日本のJazzが世界では認められていなかった時代、いったいどんな気持ちでMontreuxへ乗り込んだのか。演奏からも緊張感がヒシヒシと伝わってくる。全力疾走、力の限り全員が突っ走る。御大はもちろん、全員の力が結集され熱気あふれる演奏となった。とりわけ、角田ひろ!のplayが素晴らしい。失礼ながらこんな硬質で攻撃的な演奏をする人とは思わなかった。脱帽である。個人的にはsopraninoの音色はあまり好きではない。soprano saxよりさらに高い音域で少し耳障りかな。
1970年のライブ録音、オーディオ的には取り立てて書くことはないがひとつだけ、残念なのはナベサダの演奏がなぜかオフ気味に録られているここと。特にA面、ライブ録音の難しさだろうか。
圧巻はB面のオリジナル曲、東京組曲。このflの凄味は聴かないとわからない。素晴らしい。
side A
1.
Round Trip going and coming
side B
1.Lament
2.東京組曲
3.Pastoral
(personnel)
渡辺貞夫(alto saxophone, flute, sopranino)
増尾 好秋(guitar)
鈴木 良雄(bass)
角田ひろ(drums)