今宵の一枚はナベサダのRecital。録音は1976年10月16日、郵便貯金ホールでのライブ。レーベルはEase wind。Montruexに乗り込んで日本のJazzのなんたるかを知らしめたのが、Sadao watanabe at Montruex Jazz festivalだとすれば日本でJazzの芸実性を認めさせたのが、このアルバムの演奏である。なんとなれば1976年の芸術祭参加公演で、大賞を受賞したから。当時のナベサダはもっとも油が乗っていた時期でFM東京のMy dear life(ナベサダ専門の番組で日曜日の10:00~11:00放送されていた。ライブ演奏が多く、ワクワクしながら耳を欹てていた。)を通じJazzの魅力を広めるのに大いに貢献していた。
実に日本的な響きに満ちた演奏で、とりわけA面冒頭のPastralは雅楽的響きを持つ曲だ。なぜかA面の曲はお堅い印象だが一転、B面はノリノリのサウンドでウキウキしてくる。
残念なのは録音。ダメダメである。まるでモノーラル録音のように音像が真中に定位、楽器の分離が悪くかつ不鮮明。響きも悪い。いくらなんでもこれは酷い。郵便貯金ホールはたしかに音響が悪かった記憶がある。それにしてもこの録音は頂けない。
side A
1.Pastral
2.Burung burung
3.Hitting home
4.Matahari terbenam
side B
1.Hero
2.Old photograph
3.Wana tanzania
4.Maraica
5Theme from My dear life
(personnel)
渡辺貞夫(as,fl,sopranino)
峰厚介(ts)
福村博(tv)
本田竹廣(piano,electric piano)
渡辺香津美(guitar)
岡田勉(bass)
守新治(drums)
富樫雅彦(per)
岡沢章(electric bass)