歴史作家 智本光隆「雪欠片―ユキノカケラ―」

歴史作家 智本光隆のブログです。

祈念―がんばろう東北―

桜の花に癒され、地震の爪あとに涙し・・・しかしながら確実に仙台の街は復興しております。1歩づつではございますが、前進していきたいと思っております―8年前、被災地からこの言葉をいただきました。今年もまた、春がめぐって来ました。今も苦しい生活を送られている方々に、お見舞いを申し上げます。本当に1日も早い復旧、復興がなされますよう、尽力して行きたいと思っております。

のぼうの城

2012-12-05 22:18:30 | 日記
のぼうの城をやっと見に行けた!!
いや、面白かったです。正直、2時間半に押し込めるにはもったいない気もします。
まず、先に書いておきますが東日本大震災があり、
あの水攻めの場面を考えた時、「いや、これやるのは・・」とは思いました。
カットされた部分も多いらしく、それは仕方なく、また正しい判断と思います。


それはそうとしても、十二分に面白い作品でした。
主役の野村萬斎さんは、最初にキャスティング聞いた時は、
「え・・・なんで、また?」と思いましたが(w
いや、これがはまってまして。
当たり前でしょうが、特に舟上の田楽の場面ですね。予想よりもかなり尺も長めで、
他の三人の侍大将も、ほぼ原作のイメージですね。


豊臣方は・・・上地三成、これが案外とはまってました。原作より大きな人物に描かれたかも。
あと、大谷吉継が妙にカッコいいな。やはり、吉継のイメージってこうなんだなと、妙に納得(w
ちょい、長束が気の毒か。。。


いずれにせよ、基本的に原作忠実ですし、
個人的に長親、甲斐姫がらみで「いや、そのセリフ必要だったろ!」というのがあった以外、
自分的には満足です(w
ただ、原作未読だとわかりづらい点はあるかも・・・


ところで、
忍城の場面で「ん?」と思ったのは、「菊水」の旗が映ったことで、
これは、楠木正成が後醍醐天皇から賜った紋として、有名だと思いますが、
「なぜ?忍城に楠木の旗が?」と。
かるーく調べたら、成田家中に楠木の末裔を名乗る家臣がいたり、
行田の高源寺の供養碑に、菊水紋が入っていたりと・・・あるようですね。
あと、北畠親房が伊勢→常陸を遠征して、その影響もあるかも。
思わぬところで、南北朝の残光に出会ったというか。
戦国時代にも案外、南朝が息づいているものですね。



智本光隆