歴史作家 智本光隆「雪欠片―ユキノカケラ―」

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豊臣蒼天録秘話第6回―大谷吉治1―

2012-10-30 00:57:06 | 豊臣蒼天録
さて、この人とは随分と長い付き合いになったな(w
大谷大学は智本光隆のデビュー作『関ヶ原群雄伝』の主人公です。
その時は、大谷吉勝という名前で出しました。


『豊臣蒼天録』は当然の事ですが、『関ヶ原群雄伝』の続きではありません。
時系列的にはまったく別の物語です。
根本的に違う設定も、随所にあります。
真田幸村の母方が宇田氏から、菊亭卿だったり・・・
ですが、「関ヶ原群雄伝がどこかの部分で分岐して、史実に近い形で関ヶ原の合戦を迎えた。
そして、西軍は敗れた」
そんな感じが、常に頭の中にありました。
そう言った意味では、『関ヶ原群雄伝』の吉勝と、『豊臣蒼天録』の吉治は同一人物になります。


1巻の吉治が太刀を秀頼へと渡す場面は、完全に「主役引き継ぎ」のシーンですね。
それでも、当初は「別人格」を自分で意識しようと思い、名前も変えたのですが・・・
いや、話が進むと完全に同じ人に(w
途中から「まあ、いいや」と思って書いてました。


問題は一度は主役を張ったわけで、「随所随所で、妙に目立つこと」でした。
「おい、お前はもう主役じゃない!」と突っ込み、幾つか場面は削ってますが・・・
やっぱり、デビュー作の主人公なだけに、作者も思い入れがあります。
担当氏に、「普通、幸村がもっと目立ちますよね?」と言われた・・・


実は大谷大学、『関ヶ原群雄伝』の時は、秀頼とはあまり接点がありません。
秀頼の小姓は弟の木下頼継(豊臣蒼天録の時点ではすでに死去)の設定でした。
吉勝が心底より主君と思っていたのは、太閤秀吉の他には織田秀信(三法師)でしたし。
ですが、どちらも「豊臣家にもっとも忠実な男」にはなっているかも思います。
このあたり、吉治は大谷吉継の子ですが、
「石田三成の後継者」的なポジションで描いたのは、両作の共通点でした。


なお、『関ヶ原群雄伝』で設定されていた、身体的特徴など(オッドアイ、左利き、左目を触る癖・・・)は、
今作では全部外しています。
・・・が、一ヶ所だけ左利きに戻した場所あります。割と重要な場面です。
あの時、作者の中では完全に吉勝と吉治がつながりました(w

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