歴史作家 智本光隆「雪欠片―ユキノカケラ―」

歴史作家 智本光隆のブログです。

豊臣蒼天録秘話第2回―豊臣秀頼2―

2012-09-11 02:55:57 | 豊臣蒼天録
さて、それで2巻に突入して、まず思ったことは、、、
「すごい、動かしにくいな」でした。


とにかく、これは当たり前なんですが、秀頼は完全に「総大将」の位置なので、
逆に主体的に行動させるのが難しいというか。。。
過去の作品が大谷吉勝に細川忠興・・・どっちもフットワーク軽かったので。
ふらふら上田までいったり、愛宕山登ったりと(w
活躍の場面が創りにくい・・・その時の意外な壁でした。
まかり間違っても、槍を振り回して暴れるタイプではないし。
そのあたりもあり、「総大将の苦悩と重圧」を掘り下げよう、となりました。
総大将に必ずしも、都合よく動いてくれませんからね、豊臣軍。
半分くらい、原因は忠輝だけど(w


◇秀頼と「関ヶ原」

もうひとつ、これは描きたいなと思ったのが、「関ヶ原の合戦と秀頼」ですね。
関ヶ原の合戦の際に東軍についた大名を前にして、秀頼がどのような感情を抱くのか。
こういうのって、歴群ではあんまりやらないですよね?
それで秀頼に「どうして十一年前、徳川へと着いたのか?」と、福島正則にぶつけさせて見ました。
本作の秀頼は関ヶ原の合戦において、自分が無力であったことを悔やんでいるので。
これ、大谷吉治の与えたトラウマっぽいんですが(w
このあたり、序章の前になる大坂城の描写なんかできれば、もう少し深まったのですが・・・


いずれにしても2巻は、秀頼の行動が「最悪の結末」を生むということなります。
実は作者は、これまでの作品で主人公側を全面敗北させたことがなかったです。
歴群は2巻は「主人公側の敗北」が多いかもですが、
『関ヶ原群雄伝』は敗北っぽいけど、木曽川は勝っていますし。
『本能寺将星録』に至っては、連戦連勝で終わってました(w


◇そして、出生の秘密は・・・

そしてもうひとつ、1巻から匂わせてありましたが、「秀頼出生の秘密」
これは・・・色々な作品で、或いは研究者が散々に取り上げているネタですが。
最近も記事が出ていましたね。淀の方は肥前名護屋に行っていないとか・・・


作者はちなみに、高校の頃にクラスメイトにこれ聞かれました。豊臣秀頼って、秀吉の子なのと?
で、その時の答えは、、、
「違うと思う。でも、テストに出たら秀吉って答えないと、×だと思うよ」ピシャ!!(ドア閉める音)
・・・うわぁーすげーやな奴だな、今思うと(w


そんな少年の日は、まったく別にして、、、
プロット段階では、高台院を登場させて・・・みたいな流れも考えていましたが、
本作では「秀吉の天下を継承する、意思と覚悟のある者」それが唯一、豊臣秀頼であるとしました。
そして、それに秀頼自身も納得した・・・という形です。
なので、実は作者としても未定です(待
ただ、秀頼自身が苦悩して戦い、そして太閤秀吉の後継者としての自覚を持ち、
皆に認められる存在となった・・・それが描けたかな、とは思います。

・・・ひとつだけ。石田三成が父ではないですよ(w

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