歴史作家 智本光隆「雪欠片―ユキノカケラ―」

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豊臣蒼天録秘話第1回―豊臣秀頼1―

2012-08-18 20:46:46 | 豊臣蒼天録
編集部は特にお盆休みでもなく、
毎日出勤しているそうな・・・
いや、大変な失礼を!!


さて、それはそれとして(w
『本能寺将星録』の時と同じ感じで、登場人物についてつらつらしたいと思います。
しばし、おつき合いのほどを。


◇成長する主人公、豊臣秀頼


さて、それで初回は主人公の秀頼様から。
主人公が豊臣秀頼に決定されたのは、
担当A田氏が「そうでなければいっそ、秀頼でやってみるかですよね」と言ったのが、
そもそもの始まり・・・これは前に書きました。
実はその数分前に、こんなやり取りもありました。


担当「なんか、違った形の主人公にして見ません?」
智本「違った形?」
担当「ほら、智本さんの主人公って、基本的に何でもできるオールマイティーな感じじゃないですか?
   だから今回は変えて・・・たとえば無骨で槍一筋に生きるとか、『のぼうの城』みたいな感じとか・・・」
智本「・・・いや、オールマイティーに描いている自覚、まったくないんですけど(汗 」



・・・と、こんな感じだったか!?
軽くショックでしたけどね(w 
大谷吉勝については、特にそんな感じはないと思うんですが。
多分、問題はこの時は直近だった『本能寺将星録』の細川忠興公!
某所に「細川忠興無双!!」と突っ込まれましたからね、あの話。
槍持ったら最強、羽柴秀吉、黒田官兵衛相手に策謀で負けなし、前関白を脅す、嫁は美人・・・
いや・・・これ上下巻で終わらせる都合上、仕方ない気もするんすけど。。。
元々、主人公を「万能人間」にするの、好きじゃないんですけど、どうしてこうなった!?


と・・・その後で主人公が秀頼に正式決定し、そして性格設定された訳ですが・・・
過去、歴群で秀頼主役、もしくは準主役はそこそこあったと思いますが、
目指したところは、「等身大の少年」な感じ。
年齢からすると大谷吉勝(19~20)、細川忠興(20)とほど同じで19歳なんですけど、
16、17あたりをイメージして描きました。
まったく戦争と無縁の高校生くらいが、いきなり戦場の真ん中に放り出されたらどうなる?
しかも、それは自分が原因で起きているわけで(w


かくして序盤の怯える、泣き出す、逃げ出す・・・等々の場面につながっています。
秀頼が格好良く描かれることの多い家康との対面・・・
創作史上、「もっとも情けなかった二条城会見」だったと自負しています、作者は(w
担当氏が「すみません。いい加減に秀頼のぐだぐだが長いんで、サクサク覚醒させて下さい
と言った程です。
まあ・・・しばらく覚醒しませんでしたが(w


あとは、担当氏は「もう少し、世間知らずな坊ちゃん坊ちゃんした感じ」と考えていましたが、
作者の方は「豊臣の後継者として、プライドだけは高い感じ」と、少しズレがあったかも知れません。
1巻に関して言えば大谷義治、真田幸村の立ち位置、役割が結構入れ替わっていたり、
第1章、第4章がほとんど全部、書き直していたりとか・・・
そのせいで、片桐且元などは出番が減ったりとか、
まったく出演がなくなった人も、いたりしました。ヒントとしては、「愛」の人・・・


いずれにしても、歴群で天才少年とか、ただの凡庸とかに描かれることが多い秀頼ですが、
割と好評をいただけたようで、嬉しい限りです。忠興は結構、「嫌な奴」と思われたのでねぇ・・・
あと、1巻の感想として「井伊直孝が可哀想」ってのが、あったとかなかったとか(w

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