歴史作家 智本光隆「雪欠片―ユキノカケラ―」

歴史作家 智本光隆のブログです。

祈念―がんばろう東北―

桜の花に癒され、地震の爪あとに涙し・・・しかしながら確実に仙台の街は復興しております。1歩づつではございますが、前進していきたいと思っております―8年前、被災地からこの言葉をいただきました。今年もまた、春がめぐって来ました。今も苦しい生活を送られている方々に、お見舞いを申し上げます。本当に1日も早い復旧、復興がなされますよう、尽力して行きたいと思っております。

明日、発売日!!

2013-11-21 00:00:01 | 神剣の守護者
本日は11月21日でございます。
個人的にはいろいろ祝うこともある日で。
そして、いよいよ明日は『神剣の守護者』の発売日です。


こちらではまだ、店頭に並んでいるところは見ませんが、
何かデビュー作の時と同様の、異様な緊張感があります(w
思えば企画から発売まで、こんなに時間を要したのも、
デビュー作以来です。
そして、本作で10作目に。


すでに配本は始まっていますので、
早くもお手に取っていただいた方、ありがとうございます。


なお、このブログに『神剣の守護者』の感想、質問、ご意見など書き込んでいただいてOKです。
・・・作者が凹んで、再起できなくなるようなのはご容赦を!



鈴と紅葉。



追加情報です。
明日(11月22日)の朝日新聞朝刊に『神剣の守護者』の宣伝が出ます。
ぜひ、ご覧ください!!




智本光隆

神代の国の旅第4回―内宮 五十鈴川―

2013-11-20 21:57:14 | 神剣の守護者
さて、外宮前からバスに乗り、、、



内宮(皇大神宮)


この場所、全日本大学駅伝のゴール地点としても有名(w




宇治橋です。俗世と神域とを分かつ橋。
このあたり、第1章に登場していますが宇治橋を渡った時は、
まだぼんやりと考えていた程度だったかな・・・




参道(神苑)です。ちなみに、伊勢神宮は外宮→内宮と参拝するので、
けっこう同じ顔ぶれが移動していたりします(w



・・・鳥?
ちょっと作中に出そうとか思ってしまった。





そして、内宮の一の鳥居。ここを過ぎると、、、



五十鈴川御手洗場


正具と雪姫の出会う御手洗場。
伊勢神宮の斎宮・倭姫命が御裳の裾を濯いだとの伝説があり、
御裳濯川(みもすそがわ)の別名でも呼ばれています。
清々しい空気がありました。実際、足を浸している人もいたりとか。


そして、五十鈴川から参道は左に曲がり、





第二鳥居



新御敷地


内宮正殿へ。

神代の国の旅第3回―伊勢神宮 外宮―

2013-11-19 22:07:00 | 神剣の守護者
さて、物語の順を追って次なる目的地は伊勢神宮。
本年は式年遷宮の年にあたり、非常に注目を浴びました。
なお、訪れたのは昨年の6月なので遷宮の前年。
なので機会があれば近々、行ってみたいところですが。



伊勢神宮外宮(豊受大神宮)


順を追ってと書いたばかりですが、実は本作に外宮は直接、登場してません。
いや、、、最初は出ていたんですが、いろいろな都合で。
「場面」そのものは、そっくり残っているんですけどねぇ。




参道へ。
実は最初、式年遷宮が翌年に迫っていることがそんなに頭になく。
このあと、あちらこちららで「遷宮の準備」の光景を見ることになります。






外宮正殿。
豊受大御神は衣食をはじめとする、すべての産業の守護神とのことです。




土宮。
となりには遷宮にて、新しい社が建つんでしょうか?


ところで式年遷宮といえば、現在では内宮外宮を同時におこなっていますが、
これは天正13年(1585)の第41回遷宮からのことで、
それ以前は内宮、外宮の遷宮は別の年でした。
外宮遷宮が最後に行われたのは・・・作中で楠木正具が「4年前の遷宮」といっている、
永禄6年(1563年)の遷宮です。





参道の風景。


そして、



これは入口近くにあるせんぐう館。
そして勾玉池と舞台。
その舞台を見たとき、、、実は4章が思いつきました。
ありがとう、豊受大御神様!!


名残惜しいのですが、この日はかな~り予定が切羽詰まっていまして。
次なる目的地内宮へ。



巨木は悠久の刻を見つめるか。

神代の国の旅第2回―楠郷② 楠山城と楠木氏―

2013-11-18 22:25:06 | 神剣の守護者

大樟を見上げる。




さて、この大樟ですが実は楠山城(楠城)の跡地に立っています。
作中の位置とは違うのですが、鈴鹿川の流れが現在とは少し異なり、
もう少し西側に城があったという、『楠町史』の記述を参考にしました。


その楠山城ですが、築城は北畠顕能によって室町時代初期といわれています。
初代城主とされているのは、楠十郎正信。
この人物は楠木正成の異母兄弟とも言われていますが・・・
この説の他に楠山城初代城主は、北畠氏被官の諏訪十郎貞信との説もあり。
諏訪氏が3代で断絶の後、楠木正威が第4代城主になったといいます。
その子が楠木正富・・・序章の多聞丸です。本作はその正富を楠山城の初代城主としています。






正覚寺には楠十郎の碑、そして楠山城主の墓がありあす。
なお、この寺には1章に登場する「神宝」もあるとのこと。






大樟の西の楠村神社。
ちょうど、紫陽花の季節でした。


ところで、「楠」という地名なのですが、楠木氏の入部以前からの古名です。
湊からくる「国津」が訛ってクスになった、アイヌ語を語源とする・・・と説がありますが、
はっきりとは分かっていません。


最後に湊方向、そして鈴鹿川北川へ(四日市へ戻ったので)



現在だと川の北側は、四日市コンビナート。


なお、伊勢楠木氏は「楠氏」と記述されることが多いですが、
『神剣の守護者』では正成の時代より通じて、
「楠木」表記で統一しました。

神代の国の旅第1回―楠郷① 大樟の見守る地―

2013-11-17 00:01:00 | 神剣の守護者
ちょっとタイトルが微妙に仰々しいですが(w
『神剣の守護者』の執筆に際しまして、訪れた取材地をご紹介したいと思います。
『本能寺将星録』『豊臣蒼天録』『天下人の血』に続いて4度目ですが、
はじめての方も今回は多そうで。
しばし、お付き合いのほどを。


さて、その第1回目は物語の順を追いまして、「楠郷」へ。
伊勢楠木氏の本拠・楠郷は現在の三重県四日市市楠町になります。
2005年までは楠町という町でしたが、市町村合併によって四日市市に編入されたとのこと。




北楠駅から歩くと、まずこんな田園風景に。
遠く見えるのが鈴鹿川堤防。
帰ってから知ったことですが、「楠郷」という日本酒もあるそうですね。
・・・どこに売っていた?買って帰れば良かった(w


なお、作中にある本郷、南川などの地名は現在でも生きています。
この後に訪れた楠歴史民俗資料館で「今日はずっと本郷の方に?」と聞かれました。



楠歴史民俗資料館



この資料館には、作中に登場する水琴窟があったりします。
いい音色です




そして、道の先に立つのは作中に何度となく登場する大樟。
残念?ながら戦国時代から時を経ているものではなく。
この場所には元々、松の木があったそうですが、
明治40年に伐採、かわりにこの樟が植えられたそうです。


作中で「イメージ」として使っている樟は、
このブログにも再三登場している、群馬県某所の大樟のほうが近いのですが、
楠の地に大樟を見たときは、やっぱり少し感激しました。
当初案の第1章は、この大樟の根本から始まっていたりします(w