『シャイニング』は、1980年に制作されたホラー映画。原作はスティーヴン・キング。監督はスタンリー・キューブリック。主演はジャック・ニコルソン。
《作家のジャック(ジャック・ニコルソン)は、冬の間閉鎖されるコロラドの山の展望ホテルの管理を依頼され、説明を受けにいくところだった。
その時、家では息子のダニーが、指を使ってトニーと話していた。トニーはダニーの空想の友達だ。トニーはダニーに未来や過去を見せてくれる。
ダニーの目の前で、エレベーターの扉から大量の血が放出した。そこに佇む双子の少女…。
ホテルの支配人はジャックの前任者の犯した惨劇を語った。「チャールズ・グレイディという管理人だったが、妻と二人の娘を斧で殺し、自分は猟銃で自殺してしまった…」
しかし、ジャックは意に介さなかった。
展望ホテルでジャックと妻ウェンディ、ダニーの新しい生活が始まる。引継ぎの日、ホテルの料理人で黒人のハロランはダニーに対し、自分がダニーと同じく“シャイニング”(超能力者)であることを打ち明ける。しかし、「237号室には何があるの?」とダニーが尋ねても、「何もない。近づかないように」と言うだけだった。
静かな環境の中、ジャックは執筆活動に取り掛かった。ダニーは広いホテルの廊下を三輪車で走り回った。だが、次第にジャックの心に苛立ちが募っていった。書こうと思っても何も書けない。妻の献身が煩わしい。息子は「ママと僕をいじめないで」などと言う。
執筆中に居眠りして、家族を殺す夢を見たジャック。取り乱すジャックを宥めるウェンディだったが、ダニーの首に絞められたような痣を見つけると、ジャックを激しく罵った。
妻に罵られて不愉快なジャックがホールに入ると、誰もいないはずのカウンターにバーテンダーのロイドがいた。酒を飲みながら、3年前にも息子に暴力を振るって怪我をさせたことを告白し、DV男のテンプレみたいな言い訳を並べ立てるジャック。そこに、ウェンディがやってきて、ダニーが237号室で女を見たことを告げ、ジャックに見てくるように頼んだ。
その頃、ダニーにはエレベーターの扉を突き破る血の放流が見えていた。廊下に少女が二人、血だらけで横たわっている。
ジャックは237号室で女の腐乱死体に襲われ、ショックを受ける。ダニーは別室で恐怖に慄いていた。
ハロランは自宅でホテルの異変を感じ取っていた。ホテルに電話を掛けるが、豪雪で電話線が切断していて、連絡が取れない。
ジャックは、ホテルから逃げようと主張するウェンディと口論になった。仕事に無理解な上に、ダニーの怪我のことをしつこく蒸し返すウェンディが疎ましくてならない。ジャックは、彼女を置いて部屋を出た。イライラしながら廊下を歩いていると、ホールから軽快な音楽が聞こえてきた。ジャックが入って行くと、舞踏会が開かれていた。ジャックはカウンターに腰をかけ、酒を飲んだ。
服に酒を零したジャックがトイレに入ると、死んだはずの前の管理人、チャールズ・グレイディが話しかけてきた。
「息子さんは“シャイニング”で黒人料理人を呼んでいます。あなたの邪魔をしようとしているのです」
ジャックが「母親が悪い」と答えると、グレイディは、
「しつけてやらなきゃ。私はやりましたよ、妻と二人の娘をしつけたんです」
と答えた。にやりと笑うジャック。
ジャックのいない隙に、ウェンディがジャックの原稿を覗いた。“All Work and No play Makes Jack A Dull Boy……”
全部、同じ文章で埋められた原稿の山。ウェンディの顔が凍りついた。夫は狂っている…?
気が付くと、ジャックが背後にいた。ジャックはウェンディを殺そうとするが、あやまって階段から落ちてしまった。そして、気を失っている間に貯蔵庫に閉じ込められてしまう。
意識を取り戻したジャックを、グレイディが「勇気がない」と嘲笑う。「始末するから、もう一度チャンスが欲しい」と懇願したジャックは、貯蔵庫から脱出し、ウェンディとダニーが閉じこもっている部屋を襲った。ウェンディがダニーを逃がすと、斧を持ったジャックが追いかける。ジャックは今や、夫でも父でも無い、狂気の人だった。無線も雪上車もジャックに壊されてしまったので、ウェンディとダニーはホテルの中を逃げるしかない。
ちょうどその時、ハロランが雪上車でホテルに辿り着いた。しかし、ホテルに入ると、ジャックに斧で襲われ、殺されてしまう。
悲鳴を上げ、外に逃げるダニーをジャックが追う。ダニーは生垣の迷路の中に逃げ込んだ。そして、雪上の足跡に気づき、途中で足跡を逆さに後退して、横道にそれた。ジャックはダニーを見失う。迷路から脱出したダニーは、ウェンディの運転する雪上車に乗り、下山するのだった。
ジャックは、迷路の中で凍死した。しかし、ホテルに飾られた1921年7月4日の舞踏会の写真の中に最前列で笑う正装のジャックの姿が写っていた…。 》
通常、ホラー映画の幽霊というものは、出現する際には空が陰ったり、灯りが点滅したりと、「これから出ますよ~」的な前振りがあるものだが、この映画では煌々と電燈の燈る清潔な廊下や室内に突如怪異が現れる。双子の姉妹が特に怖い。佇んでいるだけなのに生理的に受け入れ難い気持ち悪さだ。ダニーが三輪車で方向転換する度に何か出てくるのではないかと、息をつめて見守ってしまった。
展望ホテルには、仕事の行き詰まりや家族に対する疎ましさなど、住人の心底に抑圧されたストレスを増幅させる何かがあるのだろうか?ホテル自体に禍々しい意志が宿っていて、ジャックやグレイディの心の奥深くに眠っていた凶暴性と共振したような感じだ。清潔でモダンな装飾なのに何かが神経に障って、その説明の難しさにこの映画の興があるのだと思った。
兎に角ジャックの顔芸が凄かった。本物のキ○ガイにしか見えない。ジャックはあっちの世界の住人になって酒でも飲みながら楽しくやっているのだろうか?
《作家のジャック(ジャック・ニコルソン)は、冬の間閉鎖されるコロラドの山の展望ホテルの管理を依頼され、説明を受けにいくところだった。
その時、家では息子のダニーが、指を使ってトニーと話していた。トニーはダニーの空想の友達だ。トニーはダニーに未来や過去を見せてくれる。
ダニーの目の前で、エレベーターの扉から大量の血が放出した。そこに佇む双子の少女…。
ホテルの支配人はジャックの前任者の犯した惨劇を語った。「チャールズ・グレイディという管理人だったが、妻と二人の娘を斧で殺し、自分は猟銃で自殺してしまった…」
しかし、ジャックは意に介さなかった。
展望ホテルでジャックと妻ウェンディ、ダニーの新しい生活が始まる。引継ぎの日、ホテルの料理人で黒人のハロランはダニーに対し、自分がダニーと同じく“シャイニング”(超能力者)であることを打ち明ける。しかし、「237号室には何があるの?」とダニーが尋ねても、「何もない。近づかないように」と言うだけだった。
静かな環境の中、ジャックは執筆活動に取り掛かった。ダニーは広いホテルの廊下を三輪車で走り回った。だが、次第にジャックの心に苛立ちが募っていった。書こうと思っても何も書けない。妻の献身が煩わしい。息子は「ママと僕をいじめないで」などと言う。
執筆中に居眠りして、家族を殺す夢を見たジャック。取り乱すジャックを宥めるウェンディだったが、ダニーの首に絞められたような痣を見つけると、ジャックを激しく罵った。
妻に罵られて不愉快なジャックがホールに入ると、誰もいないはずのカウンターにバーテンダーのロイドがいた。酒を飲みながら、3年前にも息子に暴力を振るって怪我をさせたことを告白し、DV男のテンプレみたいな言い訳を並べ立てるジャック。そこに、ウェンディがやってきて、ダニーが237号室で女を見たことを告げ、ジャックに見てくるように頼んだ。
その頃、ダニーにはエレベーターの扉を突き破る血の放流が見えていた。廊下に少女が二人、血だらけで横たわっている。
ジャックは237号室で女の腐乱死体に襲われ、ショックを受ける。ダニーは別室で恐怖に慄いていた。
ハロランは自宅でホテルの異変を感じ取っていた。ホテルに電話を掛けるが、豪雪で電話線が切断していて、連絡が取れない。
ジャックは、ホテルから逃げようと主張するウェンディと口論になった。仕事に無理解な上に、ダニーの怪我のことをしつこく蒸し返すウェンディが疎ましくてならない。ジャックは、彼女を置いて部屋を出た。イライラしながら廊下を歩いていると、ホールから軽快な音楽が聞こえてきた。ジャックが入って行くと、舞踏会が開かれていた。ジャックはカウンターに腰をかけ、酒を飲んだ。
服に酒を零したジャックがトイレに入ると、死んだはずの前の管理人、チャールズ・グレイディが話しかけてきた。
「息子さんは“シャイニング”で黒人料理人を呼んでいます。あなたの邪魔をしようとしているのです」
ジャックが「母親が悪い」と答えると、グレイディは、
「しつけてやらなきゃ。私はやりましたよ、妻と二人の娘をしつけたんです」
と答えた。にやりと笑うジャック。
ジャックのいない隙に、ウェンディがジャックの原稿を覗いた。“All Work and No play Makes Jack A Dull Boy……”
全部、同じ文章で埋められた原稿の山。ウェンディの顔が凍りついた。夫は狂っている…?
気が付くと、ジャックが背後にいた。ジャックはウェンディを殺そうとするが、あやまって階段から落ちてしまった。そして、気を失っている間に貯蔵庫に閉じ込められてしまう。
意識を取り戻したジャックを、グレイディが「勇気がない」と嘲笑う。「始末するから、もう一度チャンスが欲しい」と懇願したジャックは、貯蔵庫から脱出し、ウェンディとダニーが閉じこもっている部屋を襲った。ウェンディがダニーを逃がすと、斧を持ったジャックが追いかける。ジャックは今や、夫でも父でも無い、狂気の人だった。無線も雪上車もジャックに壊されてしまったので、ウェンディとダニーはホテルの中を逃げるしかない。
ちょうどその時、ハロランが雪上車でホテルに辿り着いた。しかし、ホテルに入ると、ジャックに斧で襲われ、殺されてしまう。
悲鳴を上げ、外に逃げるダニーをジャックが追う。ダニーは生垣の迷路の中に逃げ込んだ。そして、雪上の足跡に気づき、途中で足跡を逆さに後退して、横道にそれた。ジャックはダニーを見失う。迷路から脱出したダニーは、ウェンディの運転する雪上車に乗り、下山するのだった。
ジャックは、迷路の中で凍死した。しかし、ホテルに飾られた1921年7月4日の舞踏会の写真の中に最前列で笑う正装のジャックの姿が写っていた…。 》
通常、ホラー映画の幽霊というものは、出現する際には空が陰ったり、灯りが点滅したりと、「これから出ますよ~」的な前振りがあるものだが、この映画では煌々と電燈の燈る清潔な廊下や室内に突如怪異が現れる。双子の姉妹が特に怖い。佇んでいるだけなのに生理的に受け入れ難い気持ち悪さだ。ダニーが三輪車で方向転換する度に何か出てくるのではないかと、息をつめて見守ってしまった。
展望ホテルには、仕事の行き詰まりや家族に対する疎ましさなど、住人の心底に抑圧されたストレスを増幅させる何かがあるのだろうか?ホテル自体に禍々しい意志が宿っていて、ジャックやグレイディの心の奥深くに眠っていた凶暴性と共振したような感じだ。清潔でモダンな装飾なのに何かが神経に障って、その説明の難しさにこの映画の興があるのだと思った。
兎に角ジャックの顔芸が凄かった。本物のキ○ガイにしか見えない。ジャックはあっちの世界の住人になって酒でも飲みながら楽しくやっているのだろうか?