『 紅に染まる雲 』
河津 米子さん 撮影
先日の新聞に各閣僚の財産が公表されていた。一昔前にはこうまで詳細なのは
あまりなかったし、あっても隠蔽されているのが誰の目にも見え見えのご用記事
ばかりだった。
話しには聞いていたが、いわゆる大金持ちが、こんな財産家達が政治を司り、
日本の政策を決めていたのかと驚くばかりだ。
単純に考えても、強者は弱者を知らず、健康な人は病人の気持ちが分からない、
金持ちは貧乏人の心を読めずで、社会の大勢の人々、ましてや下層にあえぐ国民の
ことなどは理解できないのではあるまいか。
財閥という今やあり得ない筈の貴族階級が、庶民の生活振りや心を、そして苦しさ
悩み、やりきれない不安や怒りを、知ることは難しいことだろう。
政治家は大衆に近いところに居て欲しいものだ。
先日の新聞では、麻生財務大臣がその最たるもので、640万㎡の土地と500坪の邸宅と
別荘、有価証券株式、ゴルフ会員権は7つ、貸付金が2億円等々と数百億円の資産を公表。
(この人だから平気で公表出来るとも言えるが、他の人は推して知るべし)吉田茂首相の
孫でその政治基盤と財産と企業を引き継いでいるから例外かとも言えるが、この人が
財務大臣というのにはいろんな意味で不安を覚える。
しかし安倍元首相の実弟の岸防衛大臣も、西村経済再生担当も同じような立場で、
一般人とはかけ離れている。
これをみると日本にもまだ財閥とか貴族(世襲で)とか言うものが、存在し、
それらが日本の中枢を占めていることを今更ながら実感する。
貧乏人が政治をやれと言っているのではないが、私のように貧乏で、身も心も
貧しく、蓄えもこれと言った財産もない、精神的にも物質的にもその日暮らしの
人間の事や気持ちを、彼等が分かるとはとても思えない。
ましてやそれを政治に反映すると言うことが出来るのだろうか。
せめて声もあげず力もない、穏健で善良な市民の声なき声を真剣に吸収して欲しい。
これからはそうした政治家がどんどん日本の運営を担って欲しいものだ。