『 緑陰 』 河津 米子さん 撮影
丁度今はお盆の時期で、特に先祖を敬い、今ある命に感謝を捧げる時である。
そんな時なのに、タイミング良くというか悪くというのか、我々の命が危うい
事になっている。
この状況が進めば、病院では完全に年齢による命のトリアージをせざるを得ない
と言う。救命率の高い60代以下のみを入院治療し、高齢者は除外されるという。
80代としては考えるだけでおぞましく恐ろしいことである。
今まで生きてきたからもう良いじゃないか、若い人はこれからの人生があるし、
様々な意味で生産力があり、国や社会の為になるからという事なのだろうか。
分からぬでもないが、これでは現代の「姥捨て山」ではないか。悲しいことである。
こうした医療体制の実体に国は何も出来ないのか。今や非常事態であるというなら、
それに対して具体的な対策が何も打てない政府はどうなっているのだろう。
そんなに力がないのか、知恵がないのか、只やり過ごそうとしているのか、
極めて心細い限りだ。担当大臣は、外出を控えて欲しい、帰省も止めて、人と集まらないで、
酒を飲まないで、店を閉めて等と要請をするだけで、はっきりした具体策はここまで来ても
未だに何もない。
この日本的な曖昧さで本当に大丈夫かしらん。年寄りはお国の為に死ぬ覚悟をしなければ
ならないのか。もう少し生きて、美味いもの食べて飲んで、どんな社会になるのかまだ
見ていたい気がするのだが…。