マインドセットとデターミネーション

ボディビルの世界を変えた男 || ドリアン・イェイツ


ボディビル界で彼を知らない人間は一人もいないでしょう。
もしいるとしたら、その人はモグリであると断言出来る。
それほどまでに強烈な人物。

特筆すべきはその「背中」のデカさ。
それまでのボディビル界の概念を一気に覆すかの如き彼の背筋は、
最早彼の代名詞とも呼べる「作品」であると言えるでしょう。

「ドリアン・ロー」という彼独自のベントオーバーローイングは、
今やトレーニング界では当たり前のように浸透・定着している技法の一つですね。

しかし、彼の武器は「ただ単にデカイ背中」であるワケがありません。
動画内で彼が述べている「マインドセット」こそが彼の最大の武器です。

あまりに過酷な彼のトレーニングメニューは、
現役世代の屈強なトレーニーたちでさえハード過ぎて嘔吐し、
大の大人が時には泣き出すほど。

つまりは彼を支え続けた「マインドセット」とは、
大衆に通じる生半可な便利ツールとは対極にある、稀有のものである事が分かります。

動画内で彼が一言呟いた「デターミネーション」という言葉。
これに全てが集約されています。

「確固たる意志」
僕が最も愛する言葉の一つでもあります。

他の者と同じ生き方を選べば、確かにそこには苦難や苦悩などは
最小限で抑える事が出来るのかも知れませんね。

しかし、ドリアン・イェイツ氏は
「良い肉体だね」と言われるのが望みではなかった。
「どうなってるんだ！？その肉体は！」と言われたかったと述べています。

求めるものが己の中で大きければ大きいほど、
そこに差し出す「意志」はまさに確固たるもの、
いわばデターミネーションでなければ決して足りません。

しかし
それをも苦痛だと思わぬ「器」が必要不可欠、
と言える良い例でもあります。