今日会った実力者が言うには、
僕も自分も、まだ東の化け物には敵わないだろう、との事。
昨今ではヘッドスピードばかりを気にして
いざ試合になれば振り回すだけで
てんで軽い球を打つ選手が増えたが、
その化け物は完全無欠だ、と彼は言う。
確かに僕も、あまりヘッドスピードは気にしない。
問題はミート率とボールスピード、球質だからだ。
その上でヘッドスピードなんてものは付いて来るオマケ。 . . . 本文を読む
早朝の定例練習会では相変わらずのスランプ。
周囲の期待やら何やらをキレイに裏切る形でさっさと終えた。
あの試合以来、どうも煩わしい事がまた降りかかり
正直、もういいやと思い始めてきた。
そんな中、それを察した仲間から呼び出しがあり、
深夜遠方まで二度目の練習へ行く。
そこには、一人の実力者がいた。
初見だが、一発見れば十分の力量。
しかし誰かに似ている。
あ、僕だ…。
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気が付けば梅雨に入ってた。
もう夏が始まる。
この三年
季節の移り変わりなど、さほど関心を持たずに生きてきた。
なぜなら、暑かろうと寒かろうと、
同じ事を一心不乱に繰り返してきたからだ。
ただ一つの目的の為に。
今年の夏は、その目的の時。
きっと今までにない、灼熱の中を戦う事になる。
やっと、待ち焦がれた熱さの中で戦う事が出来る。
悔いは残さない。
全てをこの夏に、注ぎ込む。
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浮ついたスイングが中々治らない。
思い切り振ろうにも、コンマ数秒の間に
戸惑いや躊躇が生まれたり
欲が出てパワーに頼り、チーピンやスライスが出る。
それが恐怖となってしまうから、
次々と失敗を繰り返したり
逆にこじんまりした弱々しいスイングに落ちぶれたりするのを理解している。
だからこそ、スランプに陥った時ほど
僕みたいな奴はより一層振り切らなきゃならない。
ただ闇雲に振り切る . . . 本文を読む
ドラコンを始めた頃は
個人競技故に仲間などは必要ない、
馴れ合いや惰性などは自分の気合いを曇らせるだけ。
そう思ってずっとやってきた。
今でも、なぁなぁのツレなどは要らない。
だけど、
ここ半年戦ってきた中で、
本当の仲間と呼べる人たちがいてくれる意味を知った。
勝っても負けても互いを鼓舞し合い、
素直に、明け透けに喜び、悔い、抱き合える仲間。
壊れた僕を支え続けてくれ . . . 本文を読む