復活

早朝の定例練習会では相変わらずのスランプ。

周囲の期待やら何やらをキレイに裏切る形でさっさと終えた。

あの試合以来、どうも煩わしい事がまた降りかかり
正直、もういいやと思い始めてきた。

そんな中、それを察した仲間から呼び出しがあり、
深夜遠方まで二度目の練習へ行く。


そこには、一人の実力者がいた。
初見だが、一発見れば十分の力量。

しかし誰かに似ている。
あ、僕だ…。

顔は真逆のタイプだが(笑)、
背格好、スイングスタイル、打球の質。
他ならぬ自分そっくりの選手だった。

仲間が言うには、彼は屈指の実力者だと。
最近では名ばかりの選手や
口ばっかりで話にならん奴らばかり見てきたから、正直ゲンナリしてた。

だけど、彼を見て久々に覚える高揚感。
剥き出しになる闘争心。

やっぱこれだよ、ドラコンは。


強い選手と追いつけ追い越し。
徹底的に男比べ。
口先なんざ要らんのだ。


球で語れ。
でなければ去れ、ってなモンだ。


おかげで最盛期を超えた。
まだまだ僕は強くなる。
半端な結果で、周囲のゴタゴタを招くうちは、
足りんという事だ。

もう無駄なものは一切要らない。
強い奴らとやり合いたい。
強い奴らだけを見ていたい。