現場はキツい。
でも今はこれでも足りない。
疲れていないと、どうにかなってしまう。
余計な事を考えてしまう、何もかもがどうしようもなくなってしまう。
助けなんかいらない、ただ心が冴え切ってしまって眠れなくなって、
身体が破裂しそうでたまらなく苦しくなる。
現場にいれば、夜通し走る事もなくなる。
熟睡は出来ない、だけど何とか浅い眠りに微睡む事は出来る。
驚く程ガソリンの消費量が抑えられている事を知る。
これで良いんだ、これで良かったんだと何度も胸を閉じた。
考える事を止めた、淡々と、その日を迎えようとした。
だけどなんでだろう。
ここも
そこも
あそこも
あっちもこっちも
残像のように、景色に思い出が残る
こんな場所、もう一秒だっていたくない筈なのに
そんな己を見透かすようにそこかしこに想いが残る。
綺麗事を歌うボーカルの声が煩わしくなって
せめて音だけで、と、ジャズやインストや昔のゲームサウンド
何でもかんでも聴いてみるも
何も耳に残らない 心になんか届かない
最後の現場が終わったら
また鍛え始めよう
以前みたいに、強く強くなるために
ではなく
弱い自分をトコトンまで弱り切らせてしまいたいから