一刀入魂 勇往邁進

2012年4月デビュー
2015年5月初勝利&再起不能
2019年、人生本番開始(笑)

あの時と同じではない

2015-09-21 01:28:55 | つぶやき

11年前
あの時も故郷を一度離れた
その先に何が待つかも知らず

ただ親に負担を掛けられないという思いと、
一つの大きな夢が粉々に打ち砕かれた絶望から
折れた肋骨が内臓に刺さり掛けた状態のまま。


生涯で一度だけ見た父親の涙。
あれが惜別のものだったのか、或いはこの半人前には分からぬ思いのものなのか
分からぬままに、足早に背中を向けて新幹線に飛び乗った。

見慣れた景色が猛スピードで過ぎては消えて行くのを眺めながら、
幼い頃からの記憶が同じように流れていくのを感じながら、
父の、母の言葉にならぬ愛情に想いを巡らせて泣いた。
それをリアルタイムで理解出来なかった自分の不甲斐なさに泣いた。
ありがとう、の一言も言えずに飛び出した不孝に。


そして、壊れた僕は
言葉を失ってこの地に戻ってきた。
たぶん、もうこの旅立ちの日には
僕は殆ど壊れていたんだと思う。

夢壊れ、身体壊れ、途切れかけの心だけで飛び出して、
挙句にその心までも木端微塵に引き裂かれてしまった。

父は、母は、一体どんな気持ちで
幽鬼のように成り果てた僕を受け入れてくれたのだろう?
喋れなくなった息子を、どんな想いで迎えてくれたのだろう。


あれから、何とか生き返った。
壊れた夢は、もっとデカイ夢に生まれ変わった。
身体は、再生したにも関わらず、鍛えすぎて今度は自分で壊してしまったけれど。
心は、正直分からない、癒えたとは決して思わない。

だけどあの頃のように、もう壊れはしない。
10年間の年月と、そしてこの1年は、あの頃の僕にはなかったものをくれたから。
それが何かは厳密には言い表せないけれど、だけど素敵な、喩えるなら「灯」とでも言おうか。


1年前に出会った人に、僕の笑顔は「偽物」だと言われた。

その通りだと思った。
僕が腹から笑える術は、ずっと昔に置いて来たままだったからだ。

だけど、この1年で偽物の笑顔は、本物の微笑くらいにはなった。
…と自分では思う。きっと引き攣った笑顔なんだろうけど。


11年前、夢も身体も心も壊れた僕は、無理矢理未知の世界に飛び出した。
今、夢も身体も壊れてしまったけど、心に「灯」が生きている。

だからきっと大丈夫だろう。
あの時と同じではない。
良い意味で、今の場所に立ち戻る事は決してない。


強さをくれた日々を
支えてくれた愛情を
そして、人生で最高に素敵な夢の1年を
僕はどこに行こうとも忘れない。


これから何があるか分からない。
いつかのように、言葉を失うかも知れない。
でも、怖じない。


ぼくを あいしてくれたひと


この言葉だけは忘れないからだ。

あの時とは違う。
だから、進んで行ける。








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