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ネコ20匹を世話するため、本を書いたりバイク乗ったり。見えない世界ととその狭間を見ながら日常を生活する一人の男の物語。

狐の物語 巫女編 前回が「遭遇編」になりますか

2019-07-17 18:52:37 | 狐に聞く!




さて、今日は早朝より草刈りをしてました。
花の写真は、草刈りをしたおかげで入れるようになったので、やっと撮影できたというものです。









草刈りをする前提で、先日某ダイレックスにてポカリとアクエリアスとソルティライチを買い込み。
朝は涼しいうちにやらないといけないので、朝5時半くらいから起きて準備して。
早朝からツーストロークエンジンをぶん回しながら草刈りですよ。

刈る前



刈ったあと、



ここに見えてない庭とか、家の周りも草刈りしたので2時間くらい草切ってましたかね。
今日は曇り空だったので強烈な日差しもなくいい感じでした。

その後妻が写真とったり、果実を収穫したりしてましたが。

今年始めて実ったスモモ系のやつですが、




木で熟させるとうまいらしく。



赤くなったものから収穫されていました。
あとはブルーベリーもたくさん実ってますね、これはこれから収穫になります。



で、メルマガ書いたり仕事したり、

そんな1日です。

・・・

今日は何度も雨が降っていたため、バイクは今日も乗れておりませぬ。
とりあえず猫の写真でも







そんなこんなで今日も昨日の続きでも。


狐に聞く 番外編 【狐と巫女の物語】


<巫女として>

私はそのまま女児の住まいに行くことになった。
そこは山の麓、木々と畑と、そして田が少し広がっている土地。
人間から見ると作物の取れにくい土地ということだが、私から見ると山の精が充実した良いところに見える。

特に、すぐよこにある土地の精が豊富にある山、そこからの流れがくるところなので、私にとっては快適なところだった。

そこで私は竹の筒を住処に、しばらく体を休めることにした。
女児からもらった精により、回復したとはいえまだ充実した状態ではない。時折やってくる食らうもの達、から逃げるにはまだまだ力が必要なのだ。

穢れのある食らうものも、この土地には入りにくいらしく、周りにいるのは自然の精を食らっているもの達ばかり。
私もそれらを食してもいいのだが、自分が一度その身になったことがあるのでやめておくことにした。

私たちは、別のものに食らわれるとそのまま消滅してしまう。
だが、形のあるものから精をもらう分には、その形のあるものの命に影響がない程度にしておけば、長く食事にありつくことができるのだし。

当面は、私は女児の精をいただくことで回復を早くしようと思っていた。

女児は昼間から親と思われる大きな個体とともに山や畑に入り、自分たちの食べるものを収穫してきたり、育てたりしている。
これら人の行いは、我々のように精を食らって回復を待つという方法ではなく、形のあるものを食らってそのものを消していくやり方なので、私達からみるとかなり野蛮なものに見えてしまう。

我々のように精だけを食らっていれば、お互いうまく生存できるのだが。
この人のやり方のせいで、私は住むところを奪われ今に至るのだから。

とはいえ、今の生活は快適で。
特に何もしなくても女児の精をもらうことができるので、その辺りをふらふらと散策できるくらいには回復してきた。

私の姿を感じられるのは女児だけで、他のもの達に私は見えてないらしい。

「その竹筒には、なんで水をいれないのだ?」

「これはあたしの、友達がはいってるの」

「友達だ!虫でもいれてるのかね?」

「虫じゃないとおもうけど、何かふわっとしたの」

「まぁええ、お前が自分でそだててみるのもええやろう」

という具合に、人でも男の大人のほうがよく竹筒の中身について聞いてきていた。

人にかぎらずイノシシも鹿も子を生み育てるので、親と子という関わりが生まれてくる。
だが、この二人はそうではないらしい。
一緒に住んでいるが父親ではない、娘でもない、ただ共同生活をしているだけのようだった。

人の中にはそういう関係では夫婦というものがあるが。

大人の男と女児、というのは釣り合わないものがある。

それから私は十分回復していき、ここにいる必要がなくなったわけだが。
女児とともに過ごすのは心地よく、よく山のほうへ一緒に行くことがあった。
私の影響で、精を食らうもの達からちょっかいを出されることもなく、山の持っている土地の精を十分に感じられるところに、女児を案内してやっていた。

しかし、私がここで養生している間にすでに3度山の木々が葉を落としている。
なので、女児もだいぶ形が大きくなっていた。

「ねぇ、あなたはいったい何?狐?」

よく二人きりになると、そんなことを聞かれる。

「あなたがきてから、私たちの畑は実りがいいし。獲物も良くとれるし。なんだか豊かさを持ってきてくれるっていう狐神様みたい」

そう言われても、私は狐様ではない。
私の声はあまり届かないようだが、私の仕草で意味を取ってくれることが多い。
首を横に振ると、女児は私を顔の横に引き上げて

「あなたは白い狐様みたいだから、狐かとおもったけれど。違うのかしら?」

狐ではない。

「じゃあいったい何なのかしらね? おっとさんには見えてないみたいだし」

そういえば、普通は私の姿は人には見えないはずなのだが。
ともに暮らしている人の男は、私のことをまったく認識していない。精が濁っているので食らうことはしてないが、なんとなく私と気があわないような気はしている。
気が異なりすぎるから、見えてないのだろうか?


女児は私と出会ったときからすっと背も伸び、神も長くなり大人の背丈に近くなってきた。だが、少し前くらいから痣や擦り傷が増えてくる。
収穫が増えた分、お金の流れが良くなってきたようで、男が以前は手に入れることのできなかった、酒を飲むようになったからだ。
男は時折暴力を振るうようになっていた。


そんなとき、女児が近くの土地の精が濃くある山へ行く用ができたので、私もともについていくことにした。私が一人で歩いて行くと様々な精を食らうものや山の精の流れに妨げられて移動が困難なのだが。

人についていくと、人の作った道を通るとそういう妨害もなくすんなりと目的地にたどり着いてしまう。

この人の道、というものは私たちにとっても、活用しがいのあるもののようだった。

その山は土地の精が濃く、久しぶりに私は人以外の精を腹一杯食らうことができた。
女児はそこで、私を肩に乗せ何か紙をもって歩き回っている。
今回この山に来たのは、畑仕事をしているときに、おっとと呼ばれている男が足を怪我してしまったのだ。
酒を飲んで歩くからそうなったのだから、放っておけはいいと思うのだが、傷の治りが遅いので何か原因があるからと、
ここで、何か怪我を早く治すものを手に入れるためにやってきたという。

今までもそういうことがあったのだが、そのときは草の汁などで何かやっていたのだが。
あと、私がそれに向く薬草を探してあげたりもしていた。

だが、今回は何かが違うという。

「村の呪いが言うには、何か悪いものが取り憑いて怪我をひどくさせているから、お祓いを受けてくるようにだって」

という話を女児はしていた。
お祓い?

山には祠と建物、そして境界を遮る門が存在していた。
私一人ではこの中に入ることはできないが、女児とともにであれば問題はない。

しかし、山の境界、門の内側に入るとまったく気配が違うのにおどろいた。
穢れをもち、それを食らうものが結構いるのだ。

どうやら、祓いというのは、自分の精についた穢れを払い落とし、このもの達に与えていくというものらしい。


これは、このもの達は穢れた精ばかりを食べて大丈夫なのか?

だが、それ以外に眩しい光のような、強い精力も感じる。
山のほうにある、土地の強い精が流れる場所。そこには穢れをくらうものはおらず、私の昔の姿のようなもの達だけが存在していた。


女児は水で身を清め、なにやら人が振るうもので祓いというものを受けているが。
そもそも、この女児には穢れというものはないので意味はないだろう。

ただ、私がいるところに向かってやたらと振るうものを向けてくるので困るのだが。

しばらくして、祓いを行っていた男が立ち上がり、今度はそばにいた女が女児に近づいてくる。

その女は長くした髪の毛を後ろにまとめ、歳も女児の倍以上は生きているであろう存在だ。精には穢れもなくこの女児と同じ匂いを感じる。

少し、味見に行ったら弾かれた。

私が見えているのだ。

「あなたは、このものを使役しているのですか?」

少し硬い口調で女児に聞いてくる。

「使役?はしてませんが、いつも一緒にいます」

「このものは人の精気を食らうものです。あなたはこれを常に飼っていたからおっとは怪我がひどくなったのでしょう」

「この子は人の精をたべたことありません」

「さっき、これは私のところに食べにきましたよ」

私はあんな不味そうな男の精は食べる気はしないのだ。

そう考えると、その女は私をキッと見て

「人語を解するのか?」

とつぶやいてきた。そして

「では、お前はおっとにたいしてなにもしておらぬのか?」

そう聞かれたので、その女に答えた。

「私はあれの精など食べてない。この女児の精をいただいているだけだ」

それを聞いて、その女は頭を押さえた。

「もう取り憑かれていたのね。当人はわからないはずだわ、それに祓いで落ちない理由もわかった」

そう言いながら女児に向かって顔をむけた。女児と同じ鳶色の瞳がじっとみて

「あなたはここに入るべきです。そうでないと、あなたの関わる人たちへ悪い影響がでてしまいます」

「入る?」

「ここの巫女になりなさい」

「巫女?」

巫女とはなんだ?
私がそう考えると女は

「もちろん、あなたも一緒にここにくるのです」

と私に言う。
そりゃ、あんな男のところに置かれても困るし、もとよりこの女児にはどこまでもついていくつもりだったからいいのだが。

そして、正式に使者が送られ女児は巫女としてこの山へ、そしてあの女の元へと連れていかれた。
おっと、と呼ばれた男は最初寂しそうにしていたが、この女児に取り付いているもののせいで災いが起こる、という話を聞かされて納得し送り出してくれた。

後から聞いたのだが、このおっと、という男は女児を育てて将来妻に娶るつもりだったということらしい。
女児は気がついたときには親がおらず、人里離れたこの男の妻になるために幼きころよりともに生活をしていたということだった。

後になってみれば、そのまま夫婦となったほうがよかったのかもしれない。

私と、女児は山で暮らすこととなり、男とはこのとき以来会うことはなかった。



ということで、巫女になるまでの話。
細かく狐の視点描写をいれているので長くなってますが、童話的に書くならすぐ終わる話ですけどね。


試しに、童話的に書いてみると、こんな感じ

<狐の巫女 その2>

狐は女の子と生活をはじめました。
女の子は一人では生活できないので、大人の男の人と生活していました。
実は、女の子は将来、この男の人の妻になる予定だったのです。
女の子は狐を可愛がり、狐も女の子から精を貰いながら、助けてもらったお礼をすることにしました。土地の精の流れを調整し、女の子の土地を豊かにしていったのです。
狐がきてから、男の畑や田んぼはとても作物が実り、次第に裕福になっていきました。
そのため、男は贅沢をするようになり、酒やタバコなども買うようになっていきます。
贅沢を覚えた男は体が弱くなり、ちょっとした怪我でも治りにくくなっていきます。
あるとき、酒を飲んだ勢いで水路に落ち、足を大きく切る怪我をしてしまいました。
その傷が膿んでなかなか治らないため、近くに住むお祈り様に頼んでみてもらうと、

悪しきものが取り付いているので、それを祓う必要があると言われたのです。
男が動けないので、代わりにお札を、女の子が貰いに行くことにしました。
一つ山を越えた先に、大きな神社があるのです。
山をご神体にしたところで、小さな町くらいはありそうな集落が近くにあります。

そこに、狐もついて行きました。
すると、そこで狐が悪しきもの、と勘違いされ払われそうになります。
いくら神主がやっても払われないので、そこにいた巫女がその狐と話をすることになりました。

「男に悪さをしたのはお前か?」

「いや、男の精などもらわんし。この女の精をもらって、その分土地を豊かにしてお返しをしていただけだ」

その巫女は狐の言葉を聞き、驚きつつも重大な問題があることに気づきました。
この狐は、すでに女の子の精を得るのが当たり前となっていて、今後女の子に害を与えるものにたいして攻撃を行うであろうこと。
そして、土地を豊かにするために女の子の精を使い、このままでは女の子がこの狐に取り殺される心配があること。

そこで、狐から女の子を守るため。巫女はその子を自分のところで面倒をみることにしました。

夫となる予定の男は寂しがりましたが、巫女の話を聞いて女の子のためになるということで、泣く泣く別れを受け入れたということです。


・・・

以上のようにまとめることができます。

最初からこういうまとめでもよかったのですが、狐目線だと女児の精を使って土地を豊かにしているわけではなく、女児の精をもらうことで自分が力を得て。
それから、土地のエネルギーを導いていた、ということになります。
そして、狐は女児が好きなので。女児が嫌がることはしないので勝手に攻撃したりはしないのですが。今後、暴力的になっていくおっとにたいして何かしないとも限りません。
巫女としては、そのあたりを心配したということですね。

ここでおっとがあまりいい人っぽくないですが。
この時代で孤児を引き取ってそだててくれるだけでも十分いい人なので、酒飲んでいい気分になるくらいは大目にみてあげましょう。
ちなみに、まだ女児は10歳くらいなので、やらしいことを強要されることはありませんでした。そこはご安心ください。

男のほうでも、12、3になったら、という気持ちでいたようなので。
あと1年くらい遅れていたら、狐の巫女ではなくて「狐の主婦」となって物語が進まなくなったかもしれません。

前回が「遭遇編」今回が「巫女編」次回が「再会編」となるかな〜と思ってます。
まだ名前がでてませんが、この時期は女の子に名前は特になく。
巫女になってから呼び名が与えられると言う流れになっておりますよ。







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5 コメント

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連載続行ありがとうございます (いのしし)
2019-07-17 19:29:15
まるの日さん
【狐と巫女の物語】の連載続行ありがとうございます。読むのを楽しみにしていますので、再会編もよろしくお願いいたします。
返信する
スモモ祭り (りんパパ)
2019-07-17 19:32:05
 まるの日さん、こんにちは。

 スモモ、今が一番おいしい時期ですね。
 和田氏の住んでいる市の、神社でも今の時期、スモモ祭りがあります。
 スモモを売っています。
 それと、カラス団扇も、スモモ祭りの日しか売りません。

 ちなみに、その神社は、大國魂神社です。
返信する
Unknown (O)
2019-07-17 20:30:04
狐の物語、とても面白いです。
最初は他のかたも書かれていたように、コロボックルかと思いましたが、
巫女に、なるあたりから違うワクワクを感じました。
知っている人ではない存在の生い立ちを読ませて頂く、不思議な経験をさせてもらっています。
返信する
Unknown (sango)
2019-07-17 22:48:37
狐視点の話、面白いです。物語風を読んでなるほど、と理解が深まりました。周りの自然の中でもこんな風に物語あるのかなあ。
返信する
なんとなく (美保)
2019-07-18 01:44:59
なんとなく 

もののけ姫の
サンは 山犬(シシガミ)自然土地

を 思い出しました。
返信する

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