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「円安万歳」≠「欧米万歳」

2015-02-03 23:27:33 | 経済
節分のこの日は何かと諸々の話題の多い日でした。
日本代表のアギーレ監督の解任の他日本企業の事業損失が大きく目立った。
何やら住友は原油安のお蔭でシェールガス開発で2400億円の損失を計上し

液晶のシャープは200億円の純赤字を計上した。一時期には日本メーカーとして
名を馳せた三洋に至っては既に会社の形態を保てなくなりパナソニックにほゞ完全
吸収に至った。 コンビニエンス大手のローソンについては閉店が相次いでいる。

アベノミクスという大型の経済政策を実施している割には企業の営業成績が悪い。
株高による信用構造の増大により企業が融資を受けやすくなることは資金力が増し景気回復に繋がる。
しかしお金を掛けて事業をしても結果が着いてこなければ当然利益には繋がらない。

日銀黒田総裁は物価上昇率を1%しか達成できないとして当初の目標の2年で2%の上昇には
程遠い結果になりそうだ。

問題はこれだけの量的金融政策を行っておりながら、消費税10%増税は延期するということで
経済策の中折れを回避するために相当の問題を先送りにもしている。

アベノミクスが失敗であろうと成功であろうと今後はこの先送りした問題が直面する時に
多くの人は何を思うであろうか?それはまさしくポスト小泉と云われるだけに後半の失速は
止む負えないまでになったのだろうな。


こんな話がある。倒産件数が減少したので景気に良い影響が出ていると判断するのは一部を除いての大多数の事。
倒産件数の統計は負債額が1000万円以上の倒産が対象である。

しかし負債額が1000万円にも満たない零細企業にとっては大き目の企業が倒産したことで
逆にシエアに余裕が出るので有り難い事だという。小さな個人商店にとっては場合によっては好材料です。
単なる重箱の隅をつつくような話だが、実際に存在するものである。針小棒大である。

安倍政権になってから軒並み倒産率の数字が良い方向に進んでいるが、その中で
2013年の従業員5人未満の零細企業の倒産件数は過去20年の中で最高の68.5%を記録している。
顕著にアベノミクスによる淘汰が始まっている。

この数字を見て分かる通りアベノミクスは大企業に有利に進んでいる。
しかし大企業にしてみれば、円安と原油安で赤字の増大が膨らむという新しい悪循環が生まれようとしている。

価格競争を切り口に航空産業に進出したスカイマークは19年目にして倒産に至った。

麻生政権時代の株価の暴落と経済不安を招いた事由として極端な為替安と原油安を引き起こし
リーマンショックまでに繋がった。今の安倍政権においても同じく為替安と原油安が同時に起こっている。

能なしの「円安万歳!」のアホ経済論はとうの昔に切羽詰まって論が立たないまでに衰退している。
2013年アベノミクス発動からもうすぐ2年を迎えようとしている。そしてその経済策そのものの
物価上昇指数2%の達成はおろか、それに付随するであろう諸々の経済事情が悪化を見せている。
主な経済の好材料は米国の経済復調に見る輸出の増加しか捉えところが無いのは非常にお粗末である。

豪州でのG20で日本の為替安に米国のドル高を米国ルー財務長官はそれは良い事。と簡単に説明を済ませた。
今の日本経済は米国を取引先の最大手とみて経済活動を行うのが最優先課題。

米国に日本の製品を買って貰わなくては経済が成り立たないとなると、増々米国のイニシアティブが発揮される
こととなる。これは流通面に置いて米国と競合する事が難しくなることに等しい。

今好調の富士重工は米国でスバルの売れ行きが頗る良い。安倍さんの推すセブン&アイHDは北米での小売業が好調だ。
今はどれだけ米国でモノが売れるかが問題となる。パナソニックもそれに続いている。
全てに共通しているのは円安効果ではなく、欧米での売れ行きが企業利益に左右されている。

アベノミクスで金融市場に資本を注入して消費者や経営者の感覚を麻痺させている内に、国内企業の淘汰を
推し進めようとしているだけではないだろうか。

自動車メーカーのマツダがメキシコに生産拠点を移そうとした矢先にこのような円安が起こるとは
経団連と政治のチグハグな状況において、原油安と円安の影響で多大な赤字を出した元経団連会長の米倉の
住友が狙われ始めたと思う。

2006年のTPP交渉の第一ステージでは当時経団連会長を務めたトヨタ社の奥田碩氏がプリウスの欠陥問題と共に辞任をした。
2014年のTPP参加交渉では当時経団連会長は住友化学の米倉弘昌氏でシェールガス開発の失敗と共に姿を消した。

2015年の現在経団連の会長は榊原定征氏(東レ会長)です。こちらの方もどこかと一緒で交渉内容によりクビが掛ってます。

円安万歳はもっぱらの間違いスローガン、
正確には欧米販売路線であることが濃厚だ。円安はその最たる要因の一つ。最も大きいのが米国経済の復調である。
TPPでも為替を中心とした経済状況においても米国のイニシアティブは揺るぎないものとなりつつある。

何故ならば、為替円安であっても米国経済が不調ならばその効果は伺い知れないものだ。

「円安万歳」≠「欧米万歳」

民主党時代に円高為替を容認したことを問題視する似非経済学が存在するがその当時の米国経済はパーナンキさんの
リフレ政策の真っ最中でその段階で海外の商品に消費者が目を向けてしまうとリフレによる経済効果が保てない。
輸入品によって日本に流出してしまう事を懸念して米国は日本に為替安を許さなかった。

アベノミクス最大の失策は米国万歳の欧米販売路線を「円安万歳オラガンバル!」の能無しアホ経済論に転換したことだろう。







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