富山の旅・その3は黒部峡谷を走るトロッコ電車です。宇奈月から欅平まで黒部峡谷に沿って走る黒部峡谷鉄道です。屋根は付いていますが窓がありませんので雨風はそのまま入ってきます。その代わり遮るものがないので見晴らしは抜群です。追加料金を払えば窓付きの車両にも乗車できます。
黒部峡谷鉄道は、高峰譲吉博士(タカジアスターゼで有名)が大正8年、東洋アルミナムという会社を起こし、黒部峡谷でアルミ精錬のための電源開発が始まりました。この鉄道は資材運搬用として大正12年9月に工事を開始し、昭和12年7月に欅平まで開通しました。当初から地元の人の利便を図るため「無料便乗」としていましたが、秘境黒部を探勝したいという希望に応えるため、昭和14年から有料便乗が始まりました。便乗証には「便乗の安全については一切保証いたしません」と書かれていました。その後ますます観光用に利用したいという声が強まり、昭和28年11月に当時経営を引き継いでいた関西電力(株)が鉄道営業の免許を受け営業運転を開始しました。昭和46年5月に鉄道専業の子会社として設立された黒部峡谷鉄道(株)が経営を引き継ぎ現在に至っているとのことです。
私共が乗車した9月3日はあいにくの天候で途中から雨に降られました。車両は4人が横並びに座り10列もあるでしょうか小さなものです。それが10両ほど繋がっていて機関車2台で引っ張ります。時速は20~30㎞くらいでしょうか。宇奈月から出発した場合は進行方向に向かって左側は山で右側に黒部峡谷の絶景が見られます。途中トンネルも多く中にはいるとヒンヤリとした風が吹いてきます。我々は途中の鐘釣駅で下車しました。昼食の弁当を食べてからその辺の散策をと思いましたが、あいにく大粒の雨が降っていたためあきらめ、帰りの電車の時間まで駅のベンチでしばし休憩です。この時期の山々は緑一色ですが、秋の紅葉のシーズンは赤や黄色に染まった山々の姿が見事ではなかろうかという思いがいたしました。