さあ大変、異動だ…(１９)

〓一流企業の本部長といえば社会的な地位は相当なものです。
地方なら間違いなく名士でしょう!? しかし若宮本部長は東京育ちです。一流企業も本部長も掃いて捨てるほどいるでしょうし、第一自覚がありませんね(笑) 困ったものです(笑)
「ほんとうですか…」疑いの眼差しで亀田部長を見ました。
…どうも関西弁は苦手だし、京都なんてカビ臭い部長がキャバクラなんて知っているのかな？
「大丈夫ですよ♪」
「大丈夫って若い子ですよ!!」
ああ～こだわるねぇ(苦笑)
若い若いと言うけどあんた幾つだよ！
亀田部長は呆れていましたが、気を取り直して「二十代だと思いますよ♪」
「思いますよ、じゃあ困るんだよ！」
…何が困るんだよ、だ！ヘドが出るよ…
いくら出張で羽を伸ばせるにしてもこいつは露骨過ぎるよな(苦笑)噂に訊いてはいたがこれほどとは…
何度も呆れてしまいましたが、営業の仕事で慣れていたのが幸いしました。
笑顔を絶やさずに「任せてくださいよ♪」
接待のお得意先と思うしかありませんね(笑)「ほんと、大丈夫ですか!?」
「はい、じゃあタクシー呼びましょうか♪」下へも置かない扱いに若宮本部長も機嫌を直しました。
「そうですね…」
残った田楽を素早く食べ始めます。
それを見て「本部長、そんなにあわてて食べなくっても…」
「いやいや、腹が減っては戦(いくさ)が出来ませんから」
そう言うとカラカラカラ♪と笑いだしました(笑)
ははは♪つられて亀田部長ももらい笑いで、白けた座敷は一変に明るくなりました(笑)