月の明りに照らされて~♪そんな歌がありましたね♪この場合は裏庭に動く影がありました。『何かな!』その方を見ますが月が雲の流れに隠れたせいか裏庭は真っ暗になりました。
『確か何か動いたぞ』臼井社長は庭先の暗闇をじっと見回しますが見つかりません。
ザワザワと樹々がざわめき出しました。 風が出て来たのでしょう。雲の流れも速くなってきました。その雲の切れ目は途切れ月明りが出て裏庭は昼間のように照らされました。大きな、そう椿の木でしょう…その辺りに白い影が見えました。平べったくなった影は人のしゃがんだ格好でいました。月明りは裏木戸のちょうど真後ろに出ていますから臼井社長の辺りは真っ暗です。雲の流れでとぎれとぎれに見えていた裏庭が真っ昼間になりました。 雲がきれいに流れていったせいでしょう。
『よし今度こそ見極めてやろう』
椿の下あたりに目を凝らしていると白い影は相変わらずじっとしているようです。
『はて、犬じゃあないし、山羊なんかいないだろうし…』好奇心旺盛な臼井社長はなんとか正体を見てやろう…と見る気満々です。
(ほんと懲りない人ですね(笑)
そして目を凝らせていれば慣れは恐い物ですね(笑) 白い影の輪郭が見えてきました。黒く動いているのが頭だと分かってきましたから…
その頭が前後に軽く動いているのが分かりました。
『はて、人のようだぞ』
白い影が身体として、頭だけが小刻みにまるで何かをつついているようです。
風が吹き出しました。生暖かい春の風です。
その風が白い影を舐めるように吹き上げました。
頭からフワッと黒い糸が湧き出したみたいになりました。髪が吹き出したのです。 『あっ!』臼井社長は思わず声が出ました。
髪が乱れた隙間から見えたその顔はあの娘です。 焦点の違った目付きでキョロキョロ、『へへへへへ』 真っ赤な口を耳まで開いて笑っていました。
『………』
見たがりの怖がり(笑)臼井社長震え上がって仰天!どうして寝室まで帰ったか分からないほどでした!
頭から布団をかぶるとガタガタ震えながら『どうぞ気がつかないように…』と念じたのです。(それ見た事じゃない♪)
何をしていたのか分かりませんが、とにかくあの顔は娘には違いありません。臼井社長の知っている無表情な少女とは思えません。まるで悪霊に取り憑かれた鬼女そのものでした…
『確か何か動いたぞ』臼井社長は庭先の暗闇をじっと見回しますが見つかりません。
ザワザワと樹々がざわめき出しました。 風が出て来たのでしょう。雲の流れも速くなってきました。その雲の切れ目は途切れ月明りが出て裏庭は昼間のように照らされました。大きな、そう椿の木でしょう…その辺りに白い影が見えました。平べったくなった影は人のしゃがんだ格好でいました。月明りは裏木戸のちょうど真後ろに出ていますから臼井社長の辺りは真っ暗です。雲の流れでとぎれとぎれに見えていた裏庭が真っ昼間になりました。 雲がきれいに流れていったせいでしょう。
『よし今度こそ見極めてやろう』
椿の下あたりに目を凝らしていると白い影は相変わらずじっとしているようです。
『はて、犬じゃあないし、山羊なんかいないだろうし…』好奇心旺盛な臼井社長はなんとか正体を見てやろう…と見る気満々です。
(ほんと懲りない人ですね(笑)
そして目を凝らせていれば慣れは恐い物ですね(笑) 白い影の輪郭が見えてきました。黒く動いているのが頭だと分かってきましたから…
その頭が前後に軽く動いているのが分かりました。
『はて、人のようだぞ』
白い影が身体として、頭だけが小刻みにまるで何かをつついているようです。
風が吹き出しました。生暖かい春の風です。
その風が白い影を舐めるように吹き上げました。
頭からフワッと黒い糸が湧き出したみたいになりました。髪が吹き出したのです。 『あっ!』臼井社長は思わず声が出ました。
髪が乱れた隙間から見えたその顔はあの娘です。 焦点の違った目付きでキョロキョロ、『へへへへへ』 真っ赤な口を耳まで開いて笑っていました。
『………』
見たがりの怖がり(笑)臼井社長震え上がって仰天!どうして寝室まで帰ったか分からないほどでした!
頭から布団をかぶるとガタガタ震えながら『どうぞ気がつかないように…』と念じたのです。(それ見た事じゃない♪)
何をしていたのか分かりませんが、とにかくあの顔は娘には違いありません。臼井社長の知っている無表情な少女とは思えません。まるで悪霊に取り憑かれた鬼女そのものでした…