おはようございます〜
昨日の話しの余談ですが、親父の遺した本を読んだ‥と書きました。
その本を読んで、そうだ、と思いついて昨日の記事になりました。
本の題名は「きょうの一句」村上護 著
この本は一年365日 毎日季節に合わせた俳句を載せて解説がしてあります。
正月の一月一日の1ページ目から一句、二日も一句、三日も一句と大晦日十二
月三十一日まで色々な人の俳句が載っています。そして ごの句に対して解説が
1ページいっぱいに載せているので始めてみたときに、俳句を創る人ってこん
なにいるんだ、と驚きました。中に松尾芭蕉や小林一茶、与謝蕪村など誰でも
が知っている有名な人もいますし正岡子規や芥川龍之介、夏目漱石、太宰治、
宮沢賢治‥‥など教科書に載っている小説の大御所の俳句もありました。
他はさっき言いましたように 無知な私が知らない人‥‥訂正します(笑)
俳人の方々がおよそ300人余り なぜ俳人かわかったかと言いますと、
解説の末行にその俳人の方の俳句集が紹介してあるからです。
ひとり1冊から4冊くらいの俳句集、この著者の村上さんは、この
みなさんの俳句集を読まれたようで その季節に合わせた一句を摘出して
この本に載せていらっしゃいます。
上手く説明が出来ていませんが 要は毎日毎日選りすぐりの俳句が
見られるのです。
親父はこれを日々眺めて 俳句を愉しんだり 創作の感性を磨いていたの
でしょうね。
最後に 今日(七月二十九日)の一句を紹介しましょうか。
♪ 海にすむ 魚の如(ごと)身を月涼し 榎本 星布(せいふ)
〈解説〉 海に臨む酒店での即興吟だという。作者は女流俳人だが、
少々飲みすぎて酔眼もうろうの態であったか。ゆらゆらと水面に
映る月光の照り返しを見ながら、自らも海中にあるかと錯覚する。
この幻想に満ちた美しい世界に彼女自身も 〈魚の如身を〉泳がして、
涼しさを満喫しているのだ。
芭蕉には「蛸壺やはかなき夢を夏の月」というのがあり憂愁の漂う俳句だ。
これに比し 掲載句は裸身をさらすかの感覚に溌剌さがある。
冴えた感性がとらえた夢幻美の世界だ。
夫に死別後は俳諧に熱中し、加舎白雄(江戸時代中期の俳人)に傾倒して詩情
豊かな句を作った。
・・・ こんな風な解説が365日それぞれに付いていて編者の含蓄や
教養の深さに感じ入りながら 作品の解釈や俳句の奥の深さを味わい
知ったような気がします。
ですが、感性を磨くことと創作は別物らしくて 親父のとっておきの
書庫にも 呑舟(親父の俳号です)作の句集はなかったようです。