おはようございます^^
昨日は信長公の馬繋ぎの黒松 についてご案内をしました。
実際に現地に行ってみて思うことは、な~んだ…どうってことないなぁと思うのですね。そりゃぁ戦国時代の英雄の足跡が残っているという伝承のところですから 何かあるんじゃぁないかな と
期待をしますよねぇ^^一昨日紹介をしました新選組の忘れ物にしたってそのキセル以外に大変な遺物が残っていた…なんてのを期待して行くんですから…そりゃぁ入場料がたかだか数百円の
見世物でしたら所詮はそんなもんだとは予感はしていましたけど…新選組の場合、広告や予告が大層なくらい煽り立てていましたから もっとなにかあるんじゃぁ…と過度な期待で行ったものですか
ら余計に落胆をしてしまうようです。 名物に旨い物なし 名所に良い処なし・・とは昔の人はよく言ったもので的を得たようなセリフですよね。 話が随分横道に逸れてしまいました^^
ところでこの題材にあります織田信長を私は新進気鋭にして専制君主、横暴で電光石火なる武将と命名をしました。訳は桶狭間の奇襲を挙げるまでもなく信長という武将は少しのヒマでさえ有意義に
使おうとしていました。手空きの時、お濃(奥方)の膝枕で次の戦略を立てていたような人でしたから配下にあった部下は堪(たま)ったものではありませんでした。
そんな世知辛い信長でしたが、地方に出張った時は意外と羽根を伸ばしていたようですね。このS県に遺(のこ)っている信長公馬繋ぎの松 これを遺跡と呼んでいい物かどうかしばらく悩んでみま
したが 悩んだ末に こんなことで悩んでいたら お頭(つむ)の希薄な様子がなお一層 心許(こころもと)ないようになってしまいそうでこんなことなら全然違うことに想いを馳せ巡らした
方がずっと効率的だと分かってきました。
ところで話を戻しますが、この信長公馬繋ぎの松 なるもののそばに来て しばらく言葉が出ませんでした。…感激のあまり というのではなく他に演出もないからなのでしょうが、ほんにこれが
と思うだけでした。実際この黒松は一般の方の庭先に悄然と立っていました。太い幹 太い枝、それが四方に延び拡がっていてこの辺りの空間が黒松の荒い息遣いとなってこちらに迫ってくるような
気がしました。
ここの土地(屋敷)の持ち主がいらっしゃって玄関から 黒松を見たい旨を言うと、相手の方さんは慣れた様子で ”ハイ、どうぞ と気軽に出てこられました。突然に来た非礼を詫びてそれか
ら 件の黒松の由緒を訊こうとしました。当主は女性でしかも還暦を少し越えた未亡人の方でしたが、どうぞご覧になって下さい、と仰いますがその黒松は目前にで~んとありまして、
暫くその大きさに言葉も出なくてその間当主なる女性は私に付き合ってくださって佇むようにやはり黒松を眺めていらっしゃいました。毎日見ていますともうこんな大きなものでも視線に入らない
んですよ と少しはにかんだように仰って 私が普段の管理が大変じゃぁないですかと聞いてみました、”ハイ、この樹の剪定は二年に一遍、十日くらい来てもらってます、とのことを
手短に話されて失礼ですがこんな立派な松でしたら費用なんかはどうされているのですかと続けますと、この樹はなんの指定ももらってませんし自前でやるので、二年にしてるんですよ、と
仰いました。なんだかお金の事ばかり聞いたようで恥ずかしくなり話題を変えようと 以前新聞を見たのですがこの樹が枯れかけたのですか?と以前の記憶を辿って尋ねてみました。聞いてから
これもお金がらみになってしまった と冷や汗が出ましたが当主さんは一向に動じず ”十年くらい前でしたが庭師の方が来られてこの辺りに大きな穴を掘って中に炭を一杯入れましたのよ
たぶん消毒みたいなものらしくてそれからこの樹も回復して元通りになりました。と話されたのですが、ここで信長が馬の手綱を締めた場所にしては手狭な感じがしました、そのことを訊ねてみまし
たがこの当主さんは歴史的なものに一向に気が無いらしくて そうですかねぇ…と気の抜けた返事が返って来ただけで、こちらはわざわざ見に来ているし あちらは ちょっと昼寝の途中に起こされ
たようなものでしょうし 第一ここは一般人のお家の庭なのですね。市の史跡の指定もないようですし拝観料や史跡保存料など一切ないのですからここは大人しくサラッと引き上げるのがいいので
しょうね。私はお礼を述べてそこを立ちました。この集落は太古の昔から名の通った街道でしたから街並みもどこか品のある風情があって私はしばらくその集落を散策しました。途中なにかと思わず
目に留まったのが紅葉でした。この時期に珍しいこともあるんだと見とれていましたが派手でなくさり気無いままにあることがこの黒松にしても永い歴史を感じさせない普段着の様子で楽しませて貰
いました。時間にして小一時間でしたが 不用不急でゴールデンウイークの合間のわずかなひと時でした。
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