【はじめに】
安倍晋三氏の殺害以来、政治家と統一教会の関係が連日の様に報道されているので、私の考えを投稿します。今回は「統一教会の歴史」について、次回は「統一教会の問題」について書きます。
『世界平和統一家庭連合』が正式名称ですが、長ったらしいので『統一教会』の名称を使用しました。
【文鮮明氏の人物像】
統一教会は不思議な団体だと思ったので、私は昔から注目してきました。「統一教会とは何か?」を理解する為には、教祖の文鮮明氏の人物について考える必要が有ります。 私の独断と偏見による見立てでは、「カリスマ性の有る”やり手”で行動力があり、世故に長けた実業家兼宗教家だった」と思います。
文鮮明氏は『金』を集めて、自分の王国を作りたかったのだと思います。
【文鮮明氏の生い立ち】
文鮮明氏は、日本が朝鮮半島を併合している時代(1910年~45年)に現在の北朝鮮で1920年に生まれました。文氏が15歳の頃に、一家でキリスト教に入信しました。19歳の頃、日本に留学して1年間ほど滞在しました。終戦の時(1945年)には25歳で、現在の韓国に住んでいました。
1945年に文鮮明氏が、(統一教会にとって聖書の様な存在になっている)『統一原理』をまとめて、その後、積極的に宗教活動を始め→→34歳の頃に『世界基督教統一神霊協会(統一教会)』を韓国で設立し→→1958年頃から、日本、フランス、ドイツ、スペイン、イタリアに布教活動を始めました。
文鮮明氏(40歳)は、1960年に韓鶴子氏と第一回合同結婚式で結婚しました。(文氏にとっては3回目の結婚でした。) 以来夫婦で布教活動し→→ 2012年に92歳で文氏が亡くなり→→→韓鶴子氏が統一教会の長になりました。
(余談 :統一原理) インターネット上に日本語版の統一原理が公開されています。 新約聖書、旧約聖書、コーランは大衆向けの内容ですが、統一原理は哲学書の様で、私には理解出来ませんでした。
【文鮮明氏の成功】
文鮮明氏が何故?成功したのか? それは日本による朝鮮半島の併合→→日本の撤退→→朝鮮戦争→→戦後の朝鮮半島の混乱を巧みに利用したからだと思います。
朝鮮戦争停戦直後の1954年に、文氏が統一教会を立ち上げました。キリスト教の新派と言う事になっていましたが、『反共』と『反日』を旗印にして信徒を増やしました。この2本の旗印が非常に効果的だったと思います。
【文鮮明氏と岸信介氏】
敗戦後、日本では共産党系の学生達が活動していましたが、1955年に共産党が武装革命を放棄したので、学生達は新左翼と呼ばれる幾つかのセクトを作って活動しました。1960年に安保闘争で全国的に左派の学生運動が盛り上がりました。この時の総理大臣は岸信介氏でした。岸氏は『反共』を旗印の一つにしていた文鮮明氏と密接な関係になったのだと思われます。
岸氏が文鮮明氏の協力を得る頃には、統一教会の反日思想と霊感商売等による金集めの問題は、マスコミの一部が報道していた様ですから、岸氏は把握していたと思われます。「日本人は馬鹿では無いから、文鮮明氏の反日思想を受け入れるのは、取るに足りない/極一部の国民だけだ! 今は『反共思想』の方が重要だ!」と岸氏は考えていたのでは?と私は想像します。
岸信介氏が生きたのは、1896年~1987年です。岸氏の若い頃には、日本には霊媒師や祈祷師が沢山いて、新興宗教も設立される様になっていました。(次回に、これらの問題について投稿します。)
新興宗教を起こし/維持する為には『金』が必要です。従って、新興宗教と「金集めに関わる問題」は切り離せないのです。岸氏が統一教会の霊感商売に目をつぶったのは理解出来ます。 国民の多くが新興宗教に対して、疑いの目を向け始めたのは、1995年のオウム真理教による地下鉄サリン事件からだと私は思います。
【文鮮明氏の反日思想】
文氏の反日思想は、「朝鮮半島の併合と言う罪を犯したのだから、日本人は統一教会に献金すべきである!」、「朝鮮半島の女性を沢山慰安婦にしたのだから、日本の女性は韓国の男性と結婚して、夫に仕えるべきである」と言う様な一方的なものです。 不思議な事に、この主張を受け入れて、多額の献金をして、六、七千人もの日本人の女性が韓国人と結婚した様です。
桜田淳子氏は30年前(1992年)に合同結婚式で結婚され、3人の子供を授かって、現在も信者の様です。合同結婚式で結ばれた夫婦の子供を『祝福2世』と呼ぶそうです。マスコミは不幸な『祝福2世』について報道しますが、「幸福に暮らしている『祝福2世』もいるのだ」と私は推察します。
(余談 :離婚率) 先日の統一教会の記者会見で「合同結婚式で結婚したカップルの離婚率は『2%以下』である」と言いました。厚労省のデータでは日本の離婚率≒1.7%です。「教祖が結婚相手を選ぶ方式でも、特に離婚率が高くなる分けでは無い」と言いたかったのでしょう!
【文鮮明氏と朴正煕氏】
韓国では1961年に朴正煕氏がクーデターによって政権を奪取しました。文鮮明氏は『反共』と言う共通点で朴正煕政権と良好な関係を構築し→→統一教会は朴政権(1961年~79年)の庇護を受ける事に成功しました。
【その後の韓国】
その後、韓国では左派政権の時代も有りましたが、統一教会は『反日』でしたから、左派政権から迫害される事無く今日に至ったと思います。
韓国の合計特殊出産率は極端に小さな値です。『2021年の合計特殊出産率≒0.81』しか有りません。私の独断と偏見による見立てですが。韓国の男性と日本人の女性を合同結婚式で結婚させて→→子供を産ませたら→→少子化の問題は少しだけ解消します。然し、韓国人は日本人を迫害します。(在日韓国人でも韓国に移住したら迫害される様です。)韓国に住む『祝福2世』が幸福な人生を送るのは難しい様に私は思います。「迫害されたら、祝福2世を連れて、日本に帰って来るべきだ!」と私は考えています。
【岸氏→→安倍晋太郎氏→→晋三氏】
日本では1969年の東大安田講堂事件以降に左翼学生運動が急激に収まりました。その為に『反共』の学生団体は存続価値が無くなりました。自民党にとっても『反共』では票が集まらない様になっていたのです。然し、岸氏と統一教会の関係は、娘婿の安倍晋太郎→→その子供の安倍晋三氏に引き継がれました。
安倍親子にとっては、➊統一教会の組織票と❷選挙運動時の統一教会のボランティアでの支援が重要になってきたと推察されます。 安倍親子だけで無く、自民党の沢山の議員と候補者が統一教会との関係を深めて、軽い気持ちで統一教会にリップサービスをしてきたのでしょう!
統一教会にとっては、政治家のリップサービスは信者に「正当な宗教団体だ!」と認識させ、布教活動にも活用出来たと想像します。
【統一教会とアメリカ】
統一教会が集める『金』の70%は日本で得ている様です。その内、200億円程がアメリカの統一教会に流れて、共和党の選挙運動に使われている様です。勿論、トランプ氏の大統領選挙も支援しました。 この事実を日本の信徒の多くは知らないと思われます。与野党の政治家達は勉強不足ですから、彼らの統一教会に対するリップサービスが、間接的に共和党を助けている事を認識していないと私は断言します。
【統一教会と時代背景】
文鮮明氏と統一教会に関連した出来事を、御参考までに以下に整理しておきます。
★ 1910年~45年 :日本による朝鮮半島併合
★ 1920年 :文鮮明氏が産まれた。・・・現在の北朝鮮
★ 1935年頃 :文鮮明氏一家が長老派キリスト教に入信
★ 1939年頃 :文鮮明氏が来日(早稲田高等工学校)・・・1年間程滞在
★ 1950年~53年 :朝鮮戦争
★ 1954年 :文鮮明氏が韓国で『世界基督教統一神霊協会(統一教会)』を設立
★ 1957年~60年 :岸信介氏が内閣総理大臣
★ 1959年 :文鮮明氏が日本で『世界平和統一家庭連合』を設立
★ 1959年~60年 :安保闘争→→左翼学生運動が激しくなっていく。
★ 1960年 :第一回合同結婚式・・・文鮮明氏と韓鶴子氏も結婚
★ 1961年~79年 :朴正煕政権
★ 1964年 :日本政府(池田内閣)が統一教会を認定
★ 1968年 :『国際勝共連合』を設立・・・統一教会の下部組織
★ 1969年 :東大安田講堂事件・・・この事件後に左翼学生運動ブームが収まってきて、対抗していた右翼学生団体も存続理由を失った。
★ 1984年 :岸信介氏が当時のロナルド・レーガン米大統領に、脱税で懲役1年6カ月の刑で拘束されていた文鮮明氏の釈放を依頼する手紙を出した。
★ 1992年 :桜田淳子氏が合同結婚式で結婚された。
★ 1994年 :世界平和統一家庭連合と名称変更
★ 2009年 :東京地裁で霊感商法に有罪判決→→統一教会が『コンプライアンス宣言』
★ 2011年 :教会数=287、年間献金額≒594億円
★ 2012年 :文鮮明氏(92歳)が死去
★ 2015年 :日本政府(安倍内閣)が名称変更を認めた。
★ 2022年 :安倍晋三氏が殺害された。
安倍晋三氏の殺害以来、政治家と統一教会の関係が連日の様に報道されているので、私の考えを投稿します。今回は「統一教会の歴史」について、次回は「統一教会の問題」について書きます。
『世界平和統一家庭連合』が正式名称ですが、長ったらしいので『統一教会』の名称を使用しました。
【文鮮明氏の人物像】
統一教会は不思議な団体だと思ったので、私は昔から注目してきました。「統一教会とは何か?」を理解する為には、教祖の文鮮明氏の人物について考える必要が有ります。 私の独断と偏見による見立てでは、「カリスマ性の有る”やり手”で行動力があり、世故に長けた実業家兼宗教家だった」と思います。
文鮮明氏は『金』を集めて、自分の王国を作りたかったのだと思います。
【文鮮明氏の生い立ち】
文鮮明氏は、日本が朝鮮半島を併合している時代(1910年~45年)に現在の北朝鮮で1920年に生まれました。文氏が15歳の頃に、一家でキリスト教に入信しました。19歳の頃、日本に留学して1年間ほど滞在しました。終戦の時(1945年)には25歳で、現在の韓国に住んでいました。
1945年に文鮮明氏が、(統一教会にとって聖書の様な存在になっている)『統一原理』をまとめて、その後、積極的に宗教活動を始め→→34歳の頃に『世界基督教統一神霊協会(統一教会)』を韓国で設立し→→1958年頃から、日本、フランス、ドイツ、スペイン、イタリアに布教活動を始めました。
文鮮明氏(40歳)は、1960年に韓鶴子氏と第一回合同結婚式で結婚しました。(文氏にとっては3回目の結婚でした。) 以来夫婦で布教活動し→→ 2012年に92歳で文氏が亡くなり→→→韓鶴子氏が統一教会の長になりました。
(余談 :統一原理) インターネット上に日本語版の統一原理が公開されています。 新約聖書、旧約聖書、コーランは大衆向けの内容ですが、統一原理は哲学書の様で、私には理解出来ませんでした。
【文鮮明氏の成功】
文鮮明氏が何故?成功したのか? それは日本による朝鮮半島の併合→→日本の撤退→→朝鮮戦争→→戦後の朝鮮半島の混乱を巧みに利用したからだと思います。
朝鮮戦争停戦直後の1954年に、文氏が統一教会を立ち上げました。キリスト教の新派と言う事になっていましたが、『反共』と『反日』を旗印にして信徒を増やしました。この2本の旗印が非常に効果的だったと思います。
【文鮮明氏と岸信介氏】
敗戦後、日本では共産党系の学生達が活動していましたが、1955年に共産党が武装革命を放棄したので、学生達は新左翼と呼ばれる幾つかのセクトを作って活動しました。1960年に安保闘争で全国的に左派の学生運動が盛り上がりました。この時の総理大臣は岸信介氏でした。岸氏は『反共』を旗印の一つにしていた文鮮明氏と密接な関係になったのだと思われます。
岸氏が文鮮明氏の協力を得る頃には、統一教会の反日思想と霊感商売等による金集めの問題は、マスコミの一部が報道していた様ですから、岸氏は把握していたと思われます。「日本人は馬鹿では無いから、文鮮明氏の反日思想を受け入れるのは、取るに足りない/極一部の国民だけだ! 今は『反共思想』の方が重要だ!」と岸氏は考えていたのでは?と私は想像します。
岸信介氏が生きたのは、1896年~1987年です。岸氏の若い頃には、日本には霊媒師や祈祷師が沢山いて、新興宗教も設立される様になっていました。(次回に、これらの問題について投稿します。)
新興宗教を起こし/維持する為には『金』が必要です。従って、新興宗教と「金集めに関わる問題」は切り離せないのです。岸氏が統一教会の霊感商売に目をつぶったのは理解出来ます。 国民の多くが新興宗教に対して、疑いの目を向け始めたのは、1995年のオウム真理教による地下鉄サリン事件からだと私は思います。
【文鮮明氏の反日思想】
文氏の反日思想は、「朝鮮半島の併合と言う罪を犯したのだから、日本人は統一教会に献金すべきである!」、「朝鮮半島の女性を沢山慰安婦にしたのだから、日本の女性は韓国の男性と結婚して、夫に仕えるべきである」と言う様な一方的なものです。 不思議な事に、この主張を受け入れて、多額の献金をして、六、七千人もの日本人の女性が韓国人と結婚した様です。
桜田淳子氏は30年前(1992年)に合同結婚式で結婚され、3人の子供を授かって、現在も信者の様です。合同結婚式で結ばれた夫婦の子供を『祝福2世』と呼ぶそうです。マスコミは不幸な『祝福2世』について報道しますが、「幸福に暮らしている『祝福2世』もいるのだ」と私は推察します。
(余談 :離婚率) 先日の統一教会の記者会見で「合同結婚式で結婚したカップルの離婚率は『2%以下』である」と言いました。厚労省のデータでは日本の離婚率≒1.7%です。「教祖が結婚相手を選ぶ方式でも、特に離婚率が高くなる分けでは無い」と言いたかったのでしょう!
【文鮮明氏と朴正煕氏】
韓国では1961年に朴正煕氏がクーデターによって政権を奪取しました。文鮮明氏は『反共』と言う共通点で朴正煕政権と良好な関係を構築し→→統一教会は朴政権(1961年~79年)の庇護を受ける事に成功しました。
【その後の韓国】
その後、韓国では左派政権の時代も有りましたが、統一教会は『反日』でしたから、左派政権から迫害される事無く今日に至ったと思います。
韓国の合計特殊出産率は極端に小さな値です。『2021年の合計特殊出産率≒0.81』しか有りません。私の独断と偏見による見立てですが。韓国の男性と日本人の女性を合同結婚式で結婚させて→→子供を産ませたら→→少子化の問題は少しだけ解消します。然し、韓国人は日本人を迫害します。(在日韓国人でも韓国に移住したら迫害される様です。)韓国に住む『祝福2世』が幸福な人生を送るのは難しい様に私は思います。「迫害されたら、祝福2世を連れて、日本に帰って来るべきだ!」と私は考えています。
【岸氏→→安倍晋太郎氏→→晋三氏】
日本では1969年の東大安田講堂事件以降に左翼学生運動が急激に収まりました。その為に『反共』の学生団体は存続価値が無くなりました。自民党にとっても『反共』では票が集まらない様になっていたのです。然し、岸氏と統一教会の関係は、娘婿の安倍晋太郎→→その子供の安倍晋三氏に引き継がれました。
安倍親子にとっては、➊統一教会の組織票と❷選挙運動時の統一教会のボランティアでの支援が重要になってきたと推察されます。 安倍親子だけで無く、自民党の沢山の議員と候補者が統一教会との関係を深めて、軽い気持ちで統一教会にリップサービスをしてきたのでしょう!
統一教会にとっては、政治家のリップサービスは信者に「正当な宗教団体だ!」と認識させ、布教活動にも活用出来たと想像します。
【統一教会とアメリカ】
統一教会が集める『金』の70%は日本で得ている様です。その内、200億円程がアメリカの統一教会に流れて、共和党の選挙運動に使われている様です。勿論、トランプ氏の大統領選挙も支援しました。 この事実を日本の信徒の多くは知らないと思われます。与野党の政治家達は勉強不足ですから、彼らの統一教会に対するリップサービスが、間接的に共和党を助けている事を認識していないと私は断言します。
【統一教会と時代背景】
文鮮明氏と統一教会に関連した出来事を、御参考までに以下に整理しておきます。
★ 1910年~45年 :日本による朝鮮半島併合
★ 1920年 :文鮮明氏が産まれた。・・・現在の北朝鮮
★ 1935年頃 :文鮮明氏一家が長老派キリスト教に入信
★ 1939年頃 :文鮮明氏が来日(早稲田高等工学校)・・・1年間程滞在
★ 1950年~53年 :朝鮮戦争
★ 1954年 :文鮮明氏が韓国で『世界基督教統一神霊協会(統一教会)』を設立
★ 1957年~60年 :岸信介氏が内閣総理大臣
★ 1959年 :文鮮明氏が日本で『世界平和統一家庭連合』を設立
★ 1959年~60年 :安保闘争→→左翼学生運動が激しくなっていく。
★ 1960年 :第一回合同結婚式・・・文鮮明氏と韓鶴子氏も結婚
★ 1961年~79年 :朴正煕政権
★ 1964年 :日本政府(池田内閣)が統一教会を認定
★ 1968年 :『国際勝共連合』を設立・・・統一教会の下部組織
★ 1969年 :東大安田講堂事件・・・この事件後に左翼学生運動ブームが収まってきて、対抗していた右翼学生団体も存続理由を失った。
★ 1984年 :岸信介氏が当時のロナルド・レーガン米大統領に、脱税で懲役1年6カ月の刑で拘束されていた文鮮明氏の釈放を依頼する手紙を出した。
★ 1992年 :桜田淳子氏が合同結婚式で結婚された。
★ 1994年 :世界平和統一家庭連合と名称変更
★ 2009年 :東京地裁で霊感商法に有罪判決→→統一教会が『コンプライアンス宣言』
★ 2011年 :教会数=287、年間献金額≒594億円
★ 2012年 :文鮮明氏(92歳)が死去
★ 2015年 :日本政府(安倍内閣)が名称変更を認めた。
★ 2022年 :安倍晋三氏が殺害された。