Mac Baren - Royal Twist 7500缶のスモールバッチだぜ

2022年　5月

今回は　Mac Baren - Royal Twist

今回は　7500缶の限定販売ということだったようですが　毎年この時期発売になっているようです
すぐに売り切れてしまいますので人気も高いのですが　今回は買ってみることにしました
1缶だけの特別注文(*'ω'*)　となりました



缶の裏側の記載になりますが　製造日が　2021年3月と書いてあるように見えます…？

表蓋を見ると　2021年と印刷されていますので
去年の3月に製造したものを　1年後の今年発売したようです
3188/7500　とシリアルナンバーが打たれておりました


去年販売になったものは知りませんがそこが気になるところです…

このブレンド典型的なコインカットのブレンドで



蓋を開けるととってもきれいな小さ目のコインカットがびっしり出てきます


しっかりと形も崩れてはおらず

真ん中の黒い部分は後から詰めたものではなく　崩れたバージニアととケンタッキーとペリクを編んだのちそれをラッパーのバージニアで巻きしばらく熟成させ　コインカットにしたものになるそうですが

黒い部分は多く　全体にケンタッキーとペリクが目立つようです
その感じは　同じコインカットでもある他のブレンドたちとは少し異なるようです
それらのコインカットについてはまとめた記事があって
コインカットシリーズのイメージと　まとめ　取り敢えず
こちらを参考にしていただきたいのですが
これらの他にもコインカットのブレンドはたくさんありますね

GH のCCDS（カーリィカットデラックススライスド）などもその一つになりますが
製法的には同じでもあちらはバージニアだけのブレンドになりますので少し意味合いが違います

同じMac Baren でレギュラーブレンドである
Dark Twist Roll Cake　というブレンドも1955年から製造されているようですが
あちらは少し製造法が異なっており
説明を見ると　形の崩れたバージニアの細いロールとケンタッキーのロール（どちらもバージニアで巻いてある）を編んだのち寝かせてからカットしているようです

その為中心にバージニアが入っているコインと　ケンタッキーが入っているコインが1；1で存在する仕組みになっているようです
それを混ぜて喫うようですがこのブレンドにはメープルシュガーを水で溶いたものでケーシングしてあると書かれております　ナチュラルな甘みをつけているようです

ですから似てはいますが少し違った製法になり何よりも異なるのは
そっちのブレンドにはペリクが含まれていないということです
しかるに当ブレンドには相応のペリクが入っていますので味わいはかなり異なるのだと思われます


上記のコインカットのブレンドを見てみると
●　VaPer
●　VaKey
●　VaPerKey
●　VaBC
●　Va

およそ上の様に分けられるのですが　VaPer が主流となり
ペリクの代わりにケンタッキー　あるいはBC でアクセントをつけています
ロールにした後しばらく吊るして熟成を掛けるところがコインカットの特徴になります
そのためラッパーのバージニアに旨味が出てくると考えます

また当ブレンドは典型的な　VaPerKey になりますが
スパイシーなケンタッキーと　ペリクが両者存在するためブレンドの意味合いが変わりますね
VaPer とか　VaKey VaBC などは普通のわかりやすいブレンドになりますが
ペリクとケンタッキーが両者混在するバージニアブレンドは味がざわつきます

ケンタッキーもペリクも　スパイシーな部分が強いコンポーネントですから
その使用量にもよりますが　味は複雑さを増し　バージニアを含めて3者の綱引きが始まります
そのさまは　GLP における　Triple Play をすぐさま思い浮かべてしまいます


ラットレーの　3つのVaPerKey も思い浮かべるのですが　あちらはいずれももっとバージニアに傾いたブレンド群になり　ケンタッキーはさほど効いてはいませんので　まったく違うブレンドという認識になります

GLP のそれはコインカットではありませんので少し意味合いが違うのですが
コインカットで言いますと　同じくマクバレン製造の
Savinelli - Doblone d'Oro　を思い浮かべることになります
これならばケンタッキーもペリクも入っています


このサビネリのブレンドは人気も高いようですが　この私にとってはさほど良い印象がありません…
その原因はやはり　ケンタッキーが少しツラく感じてしまうからになります
概して甘さを抑え気味のこのコインカットのVaPerKey はスパイシーなケンタッキーとペリクの味が濃い目になりますので　味の落としどころが定まらない傾向になるようです
その為少し落ち着きのない味わい傾向といえそうです
GLP のそれはバージニアの甘さもしっかりありますのでわかりやすい傾向にあります


そういったことを踏まえ　このブレンドの味わいを考えてみるのですが
キーポイントは　3コンポーネント共通の風味　ということになるかと思います　
私だけの考えになりますが
バージニアとケンタッキーそしてペリクに共通する味のベクトルがあってそれが増幅されたときに
このブレンドの本来の美味さを感じることになるという仮説でしょうか

それぞれの味の方向が同じところを向いた状態で　強い旨味を感じるのですが
この状態がこのブレンドのすべてになるかと思いました

以下その説明を詳しく



点火とともに
まずやって来るのは　プラミーなペリクの風味となります　ペッパーは感じませんね
バージニアの甘さ自体は強くなく　シトラスの香りと少しのグラスの風味を感じます
バージニアの甘さの中に　少しだけ honey の風味を感じるのですが　それがこのブレンドの甘さの基調になるようです　
ケンタッキーもペリクもたくさん入ってますので　その間を取り持つ手助けになるのがこの
honey taste ということになります

バージニア自体にさほど甘さは感じませんが　ラッパーに使用したバージニアには
少し旨味を少し感じるようです　それがこの製法の特徴になります


ペリクの風味と入れ替わるように　このブレンドの味の中心はケンタッキーが担うことになります
そのペリクとケンタッキーの味の綱引きは　まさしくGLP のTriple Play と同じ感じになります
バージニア自体は目立ちません

ペリクよりもケンタッキーの方が勢力を増してきますが
その味の基調は　アーシーでスパイシーであると言えます
しかしそれほど強いものではありませんので　3者が混然とした状態で味わいが進んでゆきます


ケンタッキーも　ペリクも元はバーレィが原料になりますが似た部分と異なる風味の部分があり
ペリクにはフルーティな酸味の部分を感じますが　ケンタッキーにおいては野草の酸味を少し感じることになります

ペリクには醗酵したバーレィの旨みの部分を少し感じることになるのですが
その風味はバージニアのブレッディな小麦チックな風味と似ていますね

一方　ケンタッキーの方はには素晴らしい香ばしさを感じる場面があるのですが
このブレンドでは　ナッツをローストさせたようなオイリィでほろ苦さのある
そういった香ばしさを感じます　この香りと味わいが素晴らしいです

マクバレンのケンタッキーに感じるそういった風味がこのブレンドにも健在ですが
その風味が　先に述べたペリクの旨味と　ラッパーのバージニアの旨味と重なったとき
このブレンド全体を素晴らしい味わいが包むことになります

その瞬間がこのブレンドの最大の魅力となります
味が増幅されて実にうまい喫煙となる瞬間です



しかしその状態は長続きするわけではありません…
そこがやはりこのブレンドの疲れる部分になります

バージニアとケンタッキー　ペリクの綱引きはずっと続いてゆくのですが
一様な味わいにはならず　常に変化に富んだ味わいとなりますね

そんな強いタバコではないのですが　少し疲れる部分があるのはそういうことになります
バランスが崩れるとそう感じてしまいます…

そういった意味では　この手の　VaPerKey ブレンドは喫うのが難しいブレンドと言えます
バージニアもケンタッキーもペリクもそれぞれは素晴らしく何の問題もないのですが
味わいが一様でないのが最大の難点といえるでしょうか


雑にほぐして詰めるのですが　やや口径が広めのパイプで　静かに喫ってやるのが良いです
そうしますと全般に酸味があって落ち着いた甘さをフルに感じながらあの香ばしい素晴らしい瞬間を
味わうことになります　お勧めの喫い方かと思います

このブレンド　100g缶なのでもうずいぶん喫っていますが
仕事も丁寧ですし値段も高いわけではなく　お勧めのブレンドになります
しかし今一つ満足感とホッとする部分がないのは　そういったことが原因かと感じます
バランスの問題になるのでしょうか

実はこの後に喫っている　Peterson University Flake がシンプルで実にうまくてね…
次回はそちらの感想になりますが

やはりペリクとケンタッキーの目立つVaPerKey は難しい
というのがこの私の結論になります　美味いんだけどね…

そんなお話です
それでは　また