FeliCa危急存亡の秋である。インバウンド需要を見越したセブンが、6月からNFC Type-A/B方式のタッチ決済に対応する。既にローソンは何時も通り先行しており、ファミマは何時も通り立ち遅れているのはどうでもいいのだが、VISA限定ながらイオンが地味に導入を進めていたのは知らなかった。実店舗流通系FeliCa陣営は総崩れであるが、既発のnanacoやWAONを置き換えるまでには至らないと見ている。ガラパゴスはガラパゴスなりに潤沢なエコシステムに支えられており、この中で「ワーワー何も見えない聞こえない」と叫んでいる分には、全く問題無いからである。転換点が訪れるとすればインバウンド需要の定常化ではなく、iPhoneがFeliCa搭載を止めてUWBに移行した時だろう。最大のお得意先であるJRも、新宿駅の乗降客を捌ける目途が立てば利便性の高いタッチレスに乗り換えるであろうし、その流れに乗り遅れさえしなければ、ガラパゴスの外側に乗り出す最後のチャンスが訪れないとも限らないのである。