時代の変化に合わせ進化した者のみが勝つ。ビジネス書で好んで言及されがちな自然淘汰説であるが、生存者バイアスの際たるものである。「遺伝変異の揺らぎが偶然有利に働いた群が生き残って他は全滅した」若しくは「たまたま生き残った」から繁栄した、ぐらいに考えておくのが宜しい。どのみち結果論なのであり、敢えて教訓を得るとすれば「現状維持は退化である」程度に留め、あれこれ色んな事に手を出していきたいものである。世代交代の早いウィルスの変異があちこちで発生しているが、これだけ繁栄していれば何処でも起きうる話だろう。環境が良好であれば24時間で100万倍にも殖える様なので、変異し放題である。国産の変異株が見つかっても別段おかしくはない。ただ、もしその宿主が誰にも感染させず自己免疫で治癒してしまったら、どんなに有利な突然変異を遂げていても無駄である。「たまたま」の持つ運命的な力に対し、もう少し謙虚になりたいのである。