戦時体制を想定出来ない縛りが有る以上、仕方ない面も有る。ファイザー製ワクチンを一瓶から7回吸引出来る注射器が認可され、年度内に2000万本生産すると云う記事を読んだ。その創意工夫とカイゼンの飽くなき追求には敬意を表するが、肝心の国産ワクチンが認可されるのは2022年以降になりそうであり、戦略での劣勢はどんなに戦術で頑張っても覆せるものでない。外交関係者各位には暫く忍耐の日々が続きそうである。ただ国内の戦術レベルでもまだまだ改善の余地は有る。4月に輸入されるファイザー製ワクチンは3月の4倍弱になると見込まれているが、それを迅速に運搬し接種する体制が整っているとは言えない。首相官邸のHPに拠れば3月末までの輸入量は回数ベース換算で91.6万回、接種総数は89.1万回と健闘しているが、医療従事者と云うプロが対象だからこその数値である。全国のじさまばさまを仮想敵とした臨戦態勢の構築が、十分に進んでいるとは思えないのである。