ゆるい。記事を読んだ時の第一印象である。3月20-21日に開催予定の「第1回SAITAMAなんとか映画祭」と云うタイトルがゆるい。健忘症の人が又聞きをうろ覚えしたかの様なネーミングである。そっちのなんとかではなく、「何とかなる」の方のなんとからしいのだが、伝わらないと思う。その手の消極的ポジティブは嫌いではないが、それはどうでもいい。映画祭らしくコンペティションも実施される様だが、短編8本で1500円とか会場代さえ回収する意志が感じられないのがゆるい。しかも閉幕セレモニーとの抱き合わせ販売である。期間中に上映される「クレヨンしんちゃん」と「男はつらいよ」で動員を稼ぐ算段なのであろうが、作品のチョイスがゆるい。その他のラインアップも埼玉にちなんではいるが、その選定基準もゆるい。ただその肩肘張らない「何とかなる」のゆるさに癒される人も居るかも知れないし、アイデンティティのゆるいさいたまに似付かわしいとも思えるのである。