日本の事情と比較すると興味深い。フランスでワイン消費量が減っているらしい。1950年には国民一人当たり年間124リットル呑んでいたものが、2020年には40リットルにまで落ち込んだそうである。幸い輸出すると高く売れるのでブドウ農家が壊滅してはいない様だが、それでも日常的にワインを嗜む習慣は廃れつつあると思われる。代わりに伸びているのがミネラルウォーター等のノンアル系で、要するに飲み水をワインに依存する必要が無くなったのであろう。極端な粗製乱造で呑兵衛に愛想を尽かされた日本酒とは話の次元が違う様である。水道水が飲める有難味をしみじみ感じるのであるが、ワインが高級品ばかりになってしまうのも考え物である。税抜きならミネラルウォーターより安いワインをがぶ呑み出来なくなるのは悲しい。ただ飲料の選択肢が広くなった現代では、水代わりのワインの消費が減るのは世界的な傾向だと思われるので、呑めるうちに呑んでおきたいのである。