相変わらずネタをメモし忘れて絶望しているさいたまである。これだけ身の回りにデジタルガジェットが転がってんだからサッサと記録すれば良いものを、記憶力を過信する癖が直らない。Siriに口述筆記してもらうのも、内容がろくでもないか不穏なので公衆の面前では憚られる。フリック入力もそれなりにスピードが出る様になったが、矢張りキーボードには敵わない。平易な日本語の書き写しであれば、分速100文字程度の速さ(予測変換無し)が出る。「平素より大変お世話になっております」を「へ」を打てば候補に出してくるGoogle日本語入力の過剰学習はともかく、小文字や濁点が頻繁に出てくる場合、フリック入力は分が悪い。QWERTYキーボード親指入力も今一つである。何より文書作成で良く使う範囲選択は、タッチパネルよりも圧倒的にキーボードの方が速い。結果としてネタをメモ出来るのはPCに向かっている時だけとなり、老兵は旧テクノロジーと心中するしか無いのである。
GoToトラベルに関して、埼玉県下は悲喜交々の様である。アニメの聖地巡礼は何処の自治体でも力を入れているので、それだけで集客は望めまい(パイが小さ過ぎると云う説も有るが)。これは観光事業を地域振興に繋げたいと目論む津々浦々の自治体に言える事なのだが、絶景とか絶品とかすっごいとかの定性的な惹句では客は来ない。そこにしか無い、そこでしか見られないと云う具体的なモノが必要なのである。色々と日本三大ナントカを名乗って盛大に爆死している所も有るが、方向性は正しい。もっと分かり易く「世界一の何か」をでっち上げる方が良い。住民の一斉バンジージャンプ数でギネス記録とか、どんな馬鹿馬鹿しいものでも構わない。既に存在する世界一の大部分はそんなもんである。とは言っても川幅日本一を名乗る鴻巣市が、幅10㎝のうどんを宣伝しても「それって桐生のひもかわじゃん」と言われてしまう実例もあるので、広報にはひとひねり必要なのである。
ハンコの代わりに花押はいかが?趣きがありますよ。どこかでそんなヤッツケ記事を読んで、インターネットは自由でいいなあと改めて思う。花押を認めるんだったら万年筆ですら役不足なので毛筆はマストアイテムだし墨にも拘りたくなるし字が下手だから祐筆を雇いたくなる。ビジネスチャンスの到来には違いないが、恐らくそう云う方向の問題ではない。しかし完全に的外れかと言えばそうでもなく、例えば画面をなぞるジェスチャーで、スマホをロックしている人も居ると思う。指先でなぞるんなら指紋認証が使える様になっていればそれで良いのだが、話の起点が花押なので、そっち方向からゴリ押しで進める。ジェスチャー認証の堅牢性はそれ程高いとは思えないが、認印代わりに使う分には然程問題とはなるまい。凝ったジェスチャーにして忘れると云う罠はありがちなので注意が必要だが、まずはどんなヤッツケでも良いので、デジタル認証を試してみて欲しいのである。
一周回って、そう云うニーズも有るんだろう。ウーバーイーツが持ち帰り35%オフのキャンペーンを実施中である。配達してもらわず自分で取りに行くのなら、何でウーバーを経由しなければならないのかと云う疑問は有るが、マッチングアプリの手数料の様なものと考えればギリギリ納得出来そうな気がする。最近は壊滅状態の居酒屋が何でも作れる利点を活かし、複数の専門店の看板でウーバーに出店しているらしい。そう云う所は取りに来られるとバツが悪そうであるが、出前専門と云う形態は拡大する様に思える。客席設備や接客要員等のコストが抑えられるし、立地を気にせずに店を構えられる。自宅の隣がいきなり中華料理の厨房になったらやかましいので止めて欲しいが、流石に住宅地を侵食するまで流行らないので、杞憂と思いたい。今般の騒動が収まって以降の外食は、雰囲気の良い店に席料を支払い、好きなものを配達してもらうのが普通になるかも知れないのである。
脱ハンコ・ハンコ廃止と云う表現はいかがなものか。山梨県知事はそう懸念を表明しているが、私も同感である。「本人証明のデジタル化」が出来ないのにハンコを廃止したら、署名で代用されてしまった上にハンコ警察が跋扈すると云った、概ね不毛な結果に落ち着きがちである。承認や決裁のシンボルだから仕方ない話ではあるが、まずはその申請書や回議書類や連絡帳をPCやスマホで作成・閲覧出来る様にするのが先決であると、関係者各位にはご理解頂きたい。何よりハンコそのものは二要素認証の強力なパーツになり得る。印影は複製が容易だが、印章の刻印面を3Dスキャンしたデータは、手彫りであればまず一致する事はあるまい。スキャナの普及が鍵となるが、実印の効力を押捺並みに引き上げる事は、技術的には難しくない。IDチップを埋め込んだハンコなどと形に拘るよりも、既存の仕組みに折り合いを付けながら本質を変えていく方向に世論を纏めて欲しいのである。