ちょっと全国旅行支援使いたくなってきた。BOOK HOTEL神保町がグランドオープンしたそうである。名前とロケーションからご想像の通り、本を読みためだけに泊まるホテルである。スタッフお薦めの選書が読み放題であり、また部屋によって書籍の顔ぶれが異なるそうで、リピーターも多い様である。また事前にリクエストしておけば、雰囲気や嗜好に合わせた本を選んでくれるサービスや、スマホを檻に閉じ込めSNSから強制隔離するデジタルデトックスルームも用意されており、こうなってくると本の内容とは無関係に楽しめそうである(デトックスは断固拒否するが)。ただ部屋はツインかダブルしか無く、おひとり様のお財布には少々厳しいのが難点である。長逗留してひたすら物理本を読み耽ると云うのも一興ではあるが、インタラクティブな刺激に慣れてしまった昨今、どこまで飽きずに我慢出来るのかは分からない。ただ漫画喫茶よりは楽しめるのではないかと期待するのである。
褒められて伸びるタイプである。増長するタイプとも言えるが、ここでは無視する。Apple Watchが毎日褒めてくれる。日々のアクティビティを達成する度に通知で褒めてくれる。夜になって未達成だと実行を促してくれる。いずれ「やかましいわボケ」と通知を切ってしまうのだろうが、暫くは褒められる快感に浸りたい。しかし褒められるだけでは物足りない。何かしらご褒美も欲しい。そう云う浅ましい性根を見透かしたかの様なヘルスケアアプリが、各社から提供されている。歩くだけでポイントが貯まるサービスを目にした事が有る方も多いだろう。日々のバイタルデータを軸に食事や生活習慣に取得範囲を広げ、いずれは通院服薬等の医療情報と突合させてヘルスケア業界のデータ覇権を掌握すると云う遠大な構想が透けて見えるのだが、多分気のせいだろう。データ的に丸裸にされる未来はそう簡単には到来しないだろうが、おだてられて調子に乗っていると足を掬われるのである。
何となくSuicaと似た雰囲気を感じてしまう。高速道路料金徴収システムETC 2.0のデータを活用する動きがあるらしい。車載器は単に出入口のチェックの時のみ稼働している訳では無く、常時位置や速度、加速度を記録しているそうである。ある程度のデータが溜まったら一定間隔で設置されているアンテナを介してサーバに吸い上げて解析し、渋滞情報の割り出し等に役立てているらしい。車載器のIDはETCセットアップ時に車検証と紐付けられるので、個人情報として取り扱いを厳重にしていたそうだが、社用車等であればそのデータを有効活用出来る機会も多いだろう。ただSuicaの利用履歴を販売しようとしてJRが猛批判を浴びた過去の事例を考えると、広報戦略は相当うまい事やる必要が有る。また「本業のオマケ」程度の姿勢で本腰を入れず、位置情報の収益化でGoogle Mapの後塵を拝する恐れも有る。世界に冠たる高度技術が結局ハコモノ止まりで、金儲けに繋がらないのが口惜しいのである。
電子書籍を扱う図書館が増えているらしい。当該自治体に居住通勤通学していれば大抵使える様である。借りた本をダウンロードするのか閲覧権限を付与するだけなのかは使っていないので分からないが、明示的に返却しなくてはならないのが面白い。貸し出せる冊数に上限が有り、返してもらわないと次の人が読めないそうである。人気の新刊は数か月待ちになる事もあるらしく、何の為の電子書籍かと思ってしまう。ただ借り放題にすると出版社が潰れてしまうので、うまいこと塩梅出来ないものかとも思う。サブスク形式にすると地獄に堕ちるらしいし著者や版元への還元もいまひとつであろうから、期間限定の複製権を販売する様にしてはどうか。新刊の人気は一時的なものである。権利を割引価格で購入出来る様にすれば回転率も上がり、諦めて離脱する人を減らす事にもなろう。どんな形式であれ読書は読書であると云う割り切りが、業界に求められている様に思うのである。
メカ河野太郎がお披露目されて私は大笑いである。この物理アバターを大臣ご本人が遠隔操作してみたそうだが、インターフェースの仕様に興味が有る。リアルタイム3Dスキャンでダイレクト投影出来るのが理想であるし、それを記録しておけば何時でも何処でも何回でも再生可能だから、物理本人は相当楽が出来ると思う。そのレベルにまで進歩するのは暫く先だろうし、失言した時に「いや、あれはアバターが勝手に言った事で」と釈明出来るのは更にその先ではあるが、何かと多忙を極める大臣である。リモートで出来る事はそれで済ますに越した事は無い。ただ選挙の応援演説とかがメカ河野だった時の候補者の心境は複雑だろう。物理本人の臨席が重要性の尺度なのは今もそうであるし、何事もリモートで出来る様になれば、却ってその希少性が珍重される様になるだろう。今後はライブの価値の再評価が進むと思われるが、まずは物理アバターの全国行脚を希望するのである。