ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

能(4)

2018年02月03日 18時06分53秒 | 本の中から
昔は普通のまわりのおじさんたちも祝いの席では鶴亀や高砂を謡った。
あの文化はどこに消えたのだろう?

昔はみんな普通に習い事をしていた。
謡曲、義太夫、清元、常磐津・・・
文楽は都会にいたころ時々見に行ってたので義太夫はわかるけど、清元、常磐津なんてぜんぜん区別できない。
江戸時代のそして明治・大正・昭和に受け継がれてきた文化はどこに消えたのだろう?

「能」の本を読んで思ったのは、とっても大切なものを亡くしたんじゃないかな、ということ。
豊かな日本の文化を、ただただ演劇を見る、コンサートを聴く、そんな受け身になるのでなく、
みんなが役者になって自分で演じるような文化、そんな文化が再現したらいいなと思った。
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能(3)

2018年02月03日 16時46分13秒 | 本の中から
能の役者はみな能面をかけるかというとそうではなく、シテだけがかけ、ワキはかけない。
シテは神や幽霊や鬼の類、それを能面であらわす。
能面のような表情のないのっぺりした顔、でも役者の美妙な動き、光の当たり具合によって表情がまったく変わってくる。
「面」を「おもて」というのは面をかぶったとき人はその本性を本当の姿を現す。
能面をかぶっていないときは「直面(ひためん)」といってそれは本当の顔ではない。

・・・そう聞くとすっぴんの女性と化粧した女性の違いをついつい思う。
たいていの女性はすっぴんで人前に出ることを嫌い、化粧して、能面をかぶって人前に出る。
これって男を欺く鬼や幽霊や魑魅魍魎の類ではないだろうか?
とついついあらぬことを考える。
ところで能面をかぶるということは実はとってもつらいこと。
小さな小さな目の穴からしか、暗い暗い世界からしか見ることができない。
そして能面は落ちないようにしっかり頭に結び付けられているため、たちまち酸欠状態になってしまうらしい。
化粧という名の能面をかぶっている女性もそれはそれでかなり大変に違いない。
いつ面がはがれるか、きっといつも気にしているのだろう。

(続く)
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