8月14日(日)のドイツはのち
喫茶店を出ると、残っていた低い雲もすっかり消えていた。眼下には谷間に町の家並みが広がる。一谷はこうだったかと思わせるような急な斜面に、スキー場にあるような2人がけのリフトが動いている。本当はこの下に車を止めて、リフトで上がって来ようかという案もあったのだが、なにしろ天気がはっきりしない。リフトに乗った瞬間にまた土砂降りにでもなったら、目も当てられないので、車で山道を登って来ることにしたわけである。
ここは伝説の地だそうで、スージーが喫茶店の壁に書かれていたその物語を訳してくれたところによると、昔ある騎士が殺人の濡れ衣を着せられたそうである。そして、その騎士が、この急な斜面を馬で飛び下り、もし自分が無事に下に着地したら、それは神が自分の無実を認めたことになるだろうと言った(騎士はどうでもいいけど、馬がかわいそう)。騎士は無事に着地し、自分の潔白を証明した。そのときに、騎士が、自分の馬が着地したところには草は生えないだろうと言ったそうなのだが、そこには今も草が生えないということである。
喫茶店を出ると、残っていた低い雲もすっかり消えていた。眼下には谷間に町の家並みが広がる。一谷はこうだったかと思わせるような急な斜面に、スキー場にあるような2人がけのリフトが動いている。本当はこの下に車を止めて、リフトで上がって来ようかという案もあったのだが、なにしろ天気がはっきりしない。リフトに乗った瞬間にまた土砂降りにでもなったら、目も当てられないので、車で山道を登って来ることにしたわけである。
ここは伝説の地だそうで、スージーが喫茶店の壁に書かれていたその物語を訳してくれたところによると、昔ある騎士が殺人の濡れ衣を着せられたそうである。そして、その騎士が、この急な斜面を馬で飛び下り、もし自分が無事に下に着地したら、それは神が自分の無実を認めたことになるだろうと言った(騎士はどうでもいいけど、馬がかわいそう)。騎士は無事に着地し、自分の潔白を証明した。そのときに、騎士が、自分の馬が着地したところには草は生えないだろうと言ったそうなのだが、そこには今も草が生えないということである。