星くず雑記

日々の出来事は煌めく星くずのように…

道頓堀角座『REVUE JAPAN』感想など:2018年5月

2018年05月27日 13時13分14秒 | OSK・宝塚(OG含む)
先日、大阪に行き、観てきました。

日舞レビュー

体験コーナー

武将と花魁(蜘蛛女)のバトル

獅子と蝶の舞

桜咲く国

写真撮影コーナー

の流れ。

衣装は、松竹が協賛しているので
「それっぽく」見えますね。
あくまで、日舞をベースにしたレビューなので
日舞よりも激しくスピーディな部分もありますので。
カツラは、床山さんがいないのか
だいぶ簡略化されている印象が否めませんが。

外国人観光客向けなので、
歌なしだとどうかなー、と思ったのですが
思った以上に面白かったです。
劇団員さんの表現力がすごい!
翼さん千咲さんは、若手の枠を超えて
余裕たっぷりに見えました。

私が見た回は、たまたまなのか分かりませんが、
常連の日本人ファンと、外国人観光客が半々くらいでした。

突っ込みどころはあるのですが、
(例えば、侍はやはり青天に二本差しがいいなあ・・・)
大阪の繁華街で、しかも日本物で
常打ちで公演が打てるのは大きいので
今後も、末永く継続してほしいです。

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真麻さん退団とのこと。

現在の研修所第1期生で、
解散直後に、よくぞ有望な人材が入団したなあ
と思ったのが、もう10年前なんですね…

近年は、1年下の楊さんの方が序列が高く
今後どうなるのかと思っていたのですが
退団とは、本当に残念です。

宝塚にしろ、OSKにしろ、
トップスターの座は一枠しかないので
そこから漏れた時の、違う活躍の仕方に
意義を見出してくれれば良いのですが…

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みっちゃん(北翔海莉)のキスが好き

2016年06月06日 10時41分03秒 | OSK・宝塚(OG含む)
星組宝塚大劇場公演 ブロードウェイ・ミュージカル『ガイズ&ドールズ』 [DVD]

「ガイズ&ドールズ」BD・DVD発売の日
宝塚の公式ショップはすごい行列だったらしい。

たまたま、その日、東京公演の「こうもり」を観劇したら
ものすごいアドリブだった。

北翔海莉扮する、才能はあるが垢抜けない青年が
ブロードウェイのエンジェル(これがまた強烈!)に導かれ
秘密授業を受けてスターに成長していくシーン…

ベニー・カメレオンから男の美学を学ぶ際
落ち着いた大人=老人に扮するところ。

北「DVDより生の舞台の方が良いと思うんだが」
紅「でもガイズは今やってないからじゃない?」
北「ビデオ撮りの日は、映像に残せないからアドリブもできないし」

といった趣旨の会話。
そして、観客に稔幸が来ていることに触れる、
長い長いアドリブでした。

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次公演で退団する、北翔海莉のトップ人生は短いものになる。

1999年の「ノバ・ボサ・ノバ」で早くもソロが与えられ、
中日公演「ベルばら」での2番手大羽と
順調に昇進していたはずが、
宙組での3番手、と言うよりは2.5番手と言って差し支えなかろう
期間が長く、まさかの専科移籍。2番手格とは言え
後輩たちの後塵を拝し続けながら
「メリー・ウィドウ」「風の次郎吉」と主演公演の成功。

すんなりスターになれた人たちと、どこで道を違えたのかな…
宝塚には香寿たつきといい、安蘭けいといい、
実力がありながらも2~3番手時代が長期化して
短いトップ人生となる人が少なくない。
良いように使えるからかな。
昔のことは、もう取り戻せないけれど・・・

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予約して手に入れた「ガイズ」BDは、満足の出来。

スカイは「救世軍の伝道師サラを口説けるかどうか」
(※と宝塚ではマイルドに表現されているが、実際は…)
という賭けに勝つため、サラは伝道所に「1ダースの罪人」を呼び込むために、
二人はハバナでデートをする。

ハバナに連れだしたサラに酒を飲ませて、泥酔させることに成功するが
予想外にサラが羽目を外し、スカイに甘えてキスをせがむ。
開放感の中で、二人の間に真実の愛情が生まれる。

という、1幕最後のシーンは、ロマンチックで美しい。
妃海風は歌が上手いわけではない。
だが声が美しく、耳に心地よい。
そして、親しみやすい「たぬき顔」で、
トップスターのファンからすれば、感情移入して応援したくなるような娘役である。
故に、甘える仕草が実に愛おしい。

そして、我らの北翔海莉である。
「こうもり」を見て思った。「ガイズ」を見て思った。

キスが優しい


唇を近づける(演技)の直前の眼差しが実に優しい。
そして、相手役の後頭部に回す手が優しい。
だからその場面全体が優美で甘い雰囲気になる。

私の中で「ガイズ」の萌えポイントは、
サラを追い回す時の「こっちの頬は空いてるぜ」と
言わんばかりのオラオラ感だったのだが、
BDではハバナ~教団前までをリピートする有様。

逆に、誤解の末のハッピーエンドはどうもイマイチ。
ここでは不思議と良かったねーと言う気持ちにはならない。

お互いの心が近づくか触れるかギリギリの、初々しさや優しさ
そしてときめきこそが、
みっちゃんの、そしてみちふうコンビの魅力であるように思う。

だから「こうもり」の、華麗な晩餐会の饗宴の中で、
思いがけず愛情が芽生えていく様も、じつに優しくて好き。

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そして気が付いた。
ショーのプロローグで、このコンビが階段を下りてくるとき、
階段上左右袖から出てきて、
中央で手を繋いで一緒に降りてきてたのね。

ここもすごく好き。
映像には残らないかもしれない。
だけど、コンビとして(=プロの舞台俳優として)
互いの信頼感、コンビを演じ切るというプロ意識
そして二人の優しい雰囲気が、実ににじみ出ている。

みっちゃんの表情は実に充実していた。
黒燕尾での大ラインダンスは圧巻だけど、
みっちゃんの下級生時代を思い起こして
フィナーレのパレードでは、ついに涙が滲んでしまった。

トップとしての時間が短くとも
語り継がれるスターはいる(例:順みつき)
良いトップだったねと振り返られるスターはいる(例:壮一帆)

短期だからこその疾走を、最後まで応援したい。

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星組「LOVE&DREAM」

2016年01月23日 19時33分50秒 | OSK・宝塚(OG含む)
第1部は、妃海風がプリンセスとして君臨。

衣装替えが少なく(トップコンビ:3着+1着、その他:2着)
ヒロインといえど例外ではなかった。

しかし、中盤以降のスリットの入った水色ドレスは
初めは人魚姫に、続いて古代の女神に、
そして中東のエキゾチックな姫から続いて雪の女王・・・

髪型とアクセを変えているだけでなく、
生き生きと演じ分けていて、心地よかった。

以前は、声が綺麗なだけで、歌上手ではないと思っていたが
演じる歌い方が、非常に成長していて良かった。

北翔海莉との相性も良い。
声だけでなく、瞳に互いが映り込む愛情ある眼差しがたまらない。
ポスターのあのボリュームあるドレスの風ちゃんを包み込む
みっちゃんの包容力、そして愛情を受けて喜びあふれるプリンセス。

舞台人としての信頼、敬意、戦友としての意識などなど
そういうものが感じられるコンビは好きだ

少し前なら、轟&月影の緊張感とプロ意識、
香寿&渚の年月ゆえの信頼感と安心感、なんかは非常に好きだった。
北翔&妃海もそんなコンビとして完成されていく予感がする。

第2部は、北翔みっちゃんの独壇場。
ねっとりしっとり系より、パワーとパンチある歌い方の方が似合う気がする。
「セ・マニフィーク」本当に良かった。これだけで大満足だった。
…が、「ノバ・ボサ・ノバ」はもっと凄かった。
とにかく凄かった。
幕が下りる瞬間、さすがのみっちゃんも肩で息をするほどの熱唱だった。

歌が上手い人は、技術が優れている+魅力から成り立つ。
歌は、舞台の空気を一変させる。
その空間が、その歌い手のものになる。

みっちゃんの歌にはその力がある。

また少し前の話だけど、
春野寿美礼が謳いだした途端、
(マイクの力だけでなく)大劇場の最後列ま歌声と感動が響き渡った。
有無を言わせず、注目を集め空間を支配する、
これぞトップスターだと思った。

また、音程や声量という意味での技術は若干劣るが、
安蘭けいは、本当に拍手でショーが中断したことがある。
「シークレット・ハンター」フィナーレのエル・クンバンチェロだ。
技術ではなく、歌声の魅力で空間を支配した。
本当に素晴らしい熱唱だったので、私も拍手が止められなかった。
しばらく拍手が続いて、とうこさん自身が両腕を広げて
観客を鎮めるジェスチャーをして、次の場面にいった。
今のところ、その1回だけだ。
魅力、すなわち技術を表現力や情熱・迫力で補う、これもまた技術。

北翔の歌が好きだ。

次回公演は『こうもり』
オペレッタの薫り高く、耳に心地よい公演であることを願うばかり。

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「哀しみのコルドバ」の衝撃

2015年12月04日 22時23分32秒 | OSK・宝塚(OG含む)
雪組全国ツアー「哀しみのコルドバ」を観た。

申し訳ないのですが、雪組の方に思い入れがないので
純粋に作品を楽しめました。

強いて言えば、男役としては華奢だった大湖せしるが、
綺麗な大人のお姉さんにジョブチェンジして大活躍中なのが印象的でした。
咲妃みゆと望海風斗も、想像以上に迫力があって良かった。

台本や主題歌CDで想像していた以上に
宝塚以外ではあり得ない、
実にドラマチックで美しい物語で、
柴田先生の秀作中の秀作でした。




(以下ネタバレあり)
独白から始まるプロローグのSuite Española, Op.47 - Asturias
という曲が鳥肌もの。
主人公の独白が、緊張感を盛り上げる。

ストーリーは悲劇なので、切なくも激しく進行する。
初恋の女と再会し、主人公は闘牛士としての名誉を捨てようとする。
しかし、彼女と永遠に結ばれないことを知った主人公は、
悲壮な決意を胸に、引退試合に臨むのだった。

その直前である。

物語の序盤、主人公の親友は、
人妻と恋に落ち、闘牛士の地位を捨て、駆け落ちする。

その親友が、引退試合を控えた主人公の元を訪れ
近況を報告するのだ
「ふたりで小さな花屋をやってる」と。

引退試合の途中、主人公は自ら闘牛に身をゆだね
死を選ぶ。
そこにプロローグの独白がかぶさる
闘牛士の「栄光と死」、主人公はそれを体現するのだった…


ザッツ宝塚


いやー、
この「花屋をやってる」が凄まじいインパクトだった。

何という鮮やかな対比だろうか。

主人公がヒロインと結ばれないにしても、
二人で慎ましく暮らしました、めでたしめでたし
という結末は、まさに
宝塚のトップスターには許されないのである

宝塚の主役は、あくまでも美しく
そしてドラマチックでなければならない。

もちろん、穏やかな物語もあるし
微笑ましいハッピーエンドもある。そういう作品も好きだ。

だが、この「哀しみのコルドバ」は
宝塚でしか在り得ない、
華やかでドラマチック、切なくて激しい物語だ。

主人公はトップスターが演じる役故に
幸せな結末は許されなかったのである。

それが不自然だとかどうとかいう議論は無駄である。

宝塚とは、こういうものだ。

柴田先生の作品の中でも、傑作中の傑作で、
実に素晴らしかった。
現実世界を忘れて、激しい恋や慟哭のドラマを
楽しむことが出来ました。


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OSKレビュー in Kyoto 2013

2013年08月10日 12時31分28秒 | OSK・宝塚(OG含む)
3階席と1階席前方にて計2回観劇。

1回目、OSKを観てはじめてハズレかも知れないと思った。
2回目、かなりアリ
と正反対の感想を抱きました。

今回は2部とも洋舞レビューで、
やっぱりOSKだから日舞レビューも見たいなあと思った次第。

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第1部
「ストーリーのあるレビュー」
最後の場面、てっきりかの国かと一瞬不安になりましたが
映画大国のあの国で良かった!
娘役の腹筋が美しすぎて、あの美ボディを目指すことにします。

とくに突っ込みどころも不満もない、オーソドックスなレビュー。

第2部
「奇をてらったレビュー」
3人の若手男役のパントマイムが面白かった。
その中で筆頭格の真麻さん
なんでもないサラリーマンのカバンから始まるダンスバトル、
あのパントマイムがあってこその、面白い場面でした。

(フィギュアスケートで有名な)クラシックを使った恋の場面。
あまりにもあっさりし過ぎて、何か物足りない。

ゴスペルの場面、あのハードな衣装なら
それこそSF的なストーリー性がもっと欲しいところ。

ラインダンスの曲はアニメソング(ワンピースの「ウィーアー」)
これもあり。黄金期ジャンプ系の主題歌は結構使えるかも


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OSKのいつもどおりのレベルの高さ、勢いに
安心感を得られたものの、新鮮味がなかったのは
次代を担う若手スターがある程度頭角を現し、
かつ今年の新入団生が誰もいなかったから。
それも寂しい。

2年連続で南座に日舞レビューがこなかったわけですが、
それも寂しい。

正直、第1部はレビューとしては不満はないけれど
芝居としては薄すぎる。
第2部は奇抜さや斬新さを重視しすぎて、
レビューとしての満足感に欠ける。
個々の場面の取り組みは面白かったけれど。

この組み合わせが、晴れの舞台南座公演というのは
ちょっと残念でした。

…今年は日生劇場公演という
特大プロジェクトがあったわけですけれども。

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