~御朱印帳を片手に~ 湖に抱かれた神仏たち
この度、滋賀県主催
http://www.biwako-visitors.jp/の「近江路・仏女ブロガーの旅」に参加させていただくこととなりました
2日目は琵琶湖を横断して守山方面へ向かいます
お目当ては
福林寺さん
http://www.biwako-visitors.jp/search/spot.php?id=457
ネットで検索してもあまりデータがなく、さて、どうなることやら…
琵琶湖大橋横断中
堅田からバスで対岸へ渡れますので、効率的に旅をするにはこの「琵琶湖大橋」を上手く利用すると良いですよ
渡ったらもう守山市です
こういうことネ
JR堅田駅からバスが出てます
福林寺さん訪問の目的は、井上靖が「星と祭」で“天平の貴人さま”と表現した十一面観音様にお会いすることです
とても古い仏像だということだけはわかっていたので、バスから降りてそれらしき古いお寺を探す
途中でとてもキレイなお寺があったので、とりあえず写真を1枚
「あれ?福林寺って書いてある…??」
とても古いお寺をイメージしていたのでうっかり間違えるところでした
真新しいお堂に入ると、それはそれは美しい観音様が…
でも想像していたより新しい…
と思ったら、こちらの観音様は「天平の貴人」様ではありませんでした
こちらのお寺の十一面観音様(天平の貴人様)は通常非公開の秘仏なので、今回はご住職に電話でアポをとってからの訪問です
33年に1度のご開帳でしかお顔を拝見できない観音様でいらっしゃいます
つまりは私が見た上の写真の観音様は誰でもいつでも拝めるようにと昭和63年に作られた「身代わり仏」様だったのです
ご本尊の十一面観音様は厳重なセキュリティーで守られています
防犯のうえでも、痛まないようにするためにも、誰でもいつでも見れるわけではないとのこと
1時間ほどご住職と話し込んだ後、ようやく「天平の貴人」様にご対面
セキュリティー上あまりお話しできませんが、何重かの重たい扉を開ける振動も、平安時代の木造の仏像にはダメージなのでしょうね
ようやくご対面した十一面観音様は…
それはそれは…
ため息がでるほど美しくて
「あわよくば写真の1枚でも…」と思っていた自分が情けなくなりました
カメラなんて向けてはいけない絶対的な存在です
天平の貴人様がいらっしゃる空間は正に極楽浄土
こちらの十一面観音様は最澄作と伝わっています
162.2cm、腰をすこしくねらせているのですが、他の十一面観音様とは左右が逆です
手にお持ちの花は「蕾」
開いていれば極楽浄土を現し、蕾は煩悩を表すそうです
観音様の衣の裾には赤い塗料が残っています
模様が描かれていたことも窺えます
平安時代の観音様がこのような非常に良い状態で残っているのは、戦渦から住民の方々が守られたからだそうです
織田信長の焼き討ちにもあっているそうで、左ひじ肘に近い腰の部分に焼け焦げた痕があるそうです
お寺が真新しかったのにも理由があります
福林寺さんはもともとは無住のお寺。
現在のご住職のお父様の代に、その無住のお寺に赴任(?)されたそうなのです。
その頃はとても寂れたお寺で、住まいも傾き、随分と苦労をされたそうで、お父様は現在のご住職が19歳のときに亡くなられたそうです。
真新しい本堂はご住職が10年ほど前に建てられたもので、庭作りもご自身でされ、壁画もオリジナルでつくられていらっしゃいます。
檀家のいない信徒寺ということで、私の2時間の滞在中にも次から次へとお参りの方が絶えません。
ご住職のお人柄が素晴らしく、地域に愛されているお寺だということが伝わってきました。
木慈恵ご住職
その後応接室へ通していただき、結局二時間もいてしまった私…
ご住職、とてもご多忙でいらっしゃるのに、恐縮です
「また行きたい!!」
まだまだ魅力を語りつくせていないですが、福林寺さんの御朱印です
ちなみに私の凡字帳によると、御朱印の真ん中の赤い印は十一面観音様を表す凡字で「キャ」と発音します
滋賀県観光情報
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