君がため 惜しからざりし 命さへ
長くもがなと 思ひけるかな 藤原義孝
(あなたのためにはたとえ捨てても惜しくないと思っていた命までも
逢瀬をとげた今となっては、長くありたいと思うようになったのだった・・。)
恋の成就であらためて生命の永続を思う。
長くもがなと 思ひけるかな 藤原義孝
(あなたのためにはたとえ捨てても惜しくないと思っていた命までも
逢瀬をとげた今となっては、長くありたいと思うようになったのだった・・。)
恋の成就であらためて生命の永続を思う。
みかきもり 衛士のたく火の 夜は燃え
昼は消えつつ ものをこそ思え 大中臣能宣(よしのぶ)朝臣
(御垣守である衛士のたく火が、夜は燃えては昼は消えているように
私も夜は消え入るように沈みこむことを繰り返すばかりで
もの思いに悩むほかはないのだ・・。)
夜は炎と燃え上がり 昼は意気消沈する恋の苦しみ。
昼は消えつつ ものをこそ思え 大中臣能宣(よしのぶ)朝臣
(御垣守である衛士のたく火が、夜は燃えては昼は消えているように
私も夜は消え入るように沈みこむことを繰り返すばかりで
もの思いに悩むほかはないのだ・・。)
夜は炎と燃え上がり 昼は意気消沈する恋の苦しみ。
風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ
くだけてものを 思ふころかな 源 重之
(風が激しいので、岩にうちあたる波が自分ひとりだけで砕け散るように
私だけが心もくだけるばかりに物事を思い悩むこのごろであるなあ・・。)
岩うつ波のように心の砕け散る恋のせつなさ。
くだけてものを 思ふころかな 源 重之
(風が激しいので、岩にうちあたる波が自分ひとりだけで砕け散るように
私だけが心もくだけるばかりに物事を思い悩むこのごろであるなあ・・。)
岩うつ波のように心の砕け散る恋のせつなさ。
八重葎 しげれる宿の さびしきに
人こそ見えね 秋は来にけり 恵慶法師
(幾重にもつる草の生い茂っている家の、さびしい所に
訪ねてくる人はいないけれども、秋はやってきていたのだったよ・・。)
荒廃の邸にやってくる秋の寂しさ。
人こそ見えね 秋は来にけり 恵慶法師
(幾重にもつる草の生い茂っている家の、さびしい所に
訪ねてくる人はいないけれども、秋はやってきていたのだったよ・・。)
荒廃の邸にやってくる秋の寂しさ。